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行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
3章 出会いの始まり~僕に会いたい人は多いみたいです~
39/58

39話目





 39話


 それは雲一つなく清々しい朝だ。僕は昨日貸してもらった腰痛一直線の硬いベットから降りて、凝り固まった筋肉を解すため背伸びをした。


 ググググという音が聞こえそうなほど体を伸ばすと、体の不純物が全て出たようなくらい気持ちがよく、思わずその感覚にもう一度なりたいからと、同じ動作を再度繰り返してしまうほどだ。


「んん!」


 思わず声が出てしまった。


 僕は起きてすぐの目覚ましをやめ、さっそくではあるがその部屋から出ていくことにした。鞄の中に入っている外出用の服に着替えて、強めの寝ぐせが付いているがそれはフードを被る事で何とかごまかして、コンパクトにまとめている鞄を持ち、物の10分もしないうちにその部屋から出ていた。


 それもそうだろう。僕はこれから第一魔法学院に帰るのだから。


 昨日来たばかりなのにもう帰ってしまうのか?と思うかも知れないが、この国でやりたい事は思いのほか早く達成してしまい、結果としてこの国に来る時間の方が長くなってしまった。


 それでも、僕は求めていた知識が手に入ったことに満足している。だって、結構悩んでいた試練をちゃんと受けれて・・・それに、僕の呪いの事にまで迫ることが出来たのだから。


 まあ、それに伴って神様がかけた呪いと言う事が分かったから、下手に弄る事は出来なくなったんだけどね。・・・何のことを言っているか分からないかも知れないから説明するけど、、、呪いって言うのは結構前にも行ったと思うけど、理論に基づいた魔導という分野の術だ。


 だから、頑張って分析を進めれば改造。もしくは複製までできるかも知れない。


 そんな呪いなのだが・・・その分析をする方法と言うので一番簡単なのが「弄る」と言うもの。術式をひとつづつ分解してその式一つ一つにはどの様な効力があるのかを分析する。


 ただ、この方法は術式が持ち合わせている力の強大さによって難易度が変わって来る。例えば、手のひらで物を燃焼させる魔導の術式は、手慣れている僕にとっては寝て居ながらでも出来る。


 だが、結構前にスタンピードを治めるのに使った【魔術 絶対零度】は極限の集中状態で無ければ僕でさえ解析および分析をする事は敵わないだろう。もし、分析をする際間違えた行動をしたら、研究室が簡単に瓦礫の山になってしまう。


 これは・・・まあ分析の時に魔力を流す使用上しょうがないと言える部分はあるんだろうけど。


 そんな感じで難しく難解な魔術になればなるほど危険性が高くなるのだ。


 だから、神様が直々に使った呪いを解析するのは、もしかしたら僕一人の命では足りないかも知れないので今は諦める事にする。


 ・・・ちなみに、神様から出された試練の【『制限』の呪いによって徴収される魔力はどこに行くのか】は研究方法がある程度予想がついているので、心配はいらないだろう。


 ていうか、神様もよくこんなに難しい試練を出したものだよ。難しすぎて、一切手を付けたくないくらい。


 まあ、なんで難しいかはまた今度で。


 そんなわけで、僕はギルドの横にある飲食店で軽くご飯を食べたので、さっそく帰る事にするよ。

 ここにいても欲しい知識は無いから良い事は無いだろうしね。


 すると、僕の体は軽く浮いてき始めた・・・この国に来た時と同じ方法で帰ろうとしているのだ。


 だけど、予想をしているような大惨事にはならないだろう。ここは、人通りが多い道ではなく、結構奥の裏路地なのだから。


 これでも僕はこの走行の危険性を理解しているので、周りに知らない人がいる状態では柄はない。もし、手でも出されたら魔力の衝撃でミンチになってしまうかもしれないのだから。


 でも、今回は裏路地なので人はおらず、安定して飛翔できた。


「じゃ。こことはお別れだね。」


 メソミア王国にもう一度くるとしたらそのときは試練をクリアしたときだろう。神様に報告をしなければいけないからね。


 そう考えながら僕はその国から出ていこうとした。のだが、僕はある一点を見つめて停止した。


 ここは、住宅が多いので高めに飛んで一気に行こうと思い、空高くにいたから気づいたのだろう。・・・そう思い、僕はその存在が僕が想定しているのと遜色が無いか確認するために、近づくことにした。


 その場所から移動することで鮮明に見えてくるそれは・・・魔物の大群。つまり、スタンピードだ。


 残念ながら市民のみんなは気づいている様子はない。そして、門番も気づいている様子はではない。


 つまりはこのスタンピードに気づいたのは僕一人だけだ。


 ・・・今すぐに帰りたいと思っていたが、こんなことになっているのに何もしないで見逃すのは精神が痛む。


 腰にある魔導書を取り出し一つの魔術を使用する。それは極めて単純な構造で、魔術と言えるかすら疑惑を持たなければいけないほどだ。


【魔術 拡声】


 ただ、声をデカくする魔法。

 僕はその、魔術を使いあることをしようとしていた。それをすると、この国に大きな動揺が走るだろうが、それでも僕に取ってみればそれ以外この状況を伝える方法がわからない。


「スタンピードが来るぞ!!!!!」


 空気が強く揺れて広範囲に声が届く。


 ・・・国がざわめいた。知り得る事柄はそのスタンピードという事象に強く感情を揺さぶってくるのだろう。たった2ヶ月前の話し。多くの人と多くの建物が無くなった。


 それは心に多大なる傷をつけて、2ヶ月という短い期間では修復されることはなかった。


 よもやオオカミ少年のような子どもの遊びだと思いたいくらいには現実逃避をしてしまう。


 その国は一瞬の静寂のあと、動揺、ざわめき、恐怖、が溢れかえった。


 国民にとっては今後の生活にも関わることだからそのような状態になってしまったんだろうが、僕にとっては声がちゃんと聞こえたんだなという確認になった。


 これで、討伐者又は騎士たちが動いてくれるだろう。そう思い、ぼくの出番は終了した。


 ちなみにだ、前のように魔物を凍らせたりしないのか?と思うかもしれないが、それは今の僕ではできない。


 色々理由はあるが一番は僕の魔力が足りないということにある。


 これは魔力の最大値が増えた障害なのだろうが、寝心地の悪い場所で寝て魔力を回復させようとしても、上限まで回復されることはなかったのだ。


 だから、あのギルドの硬いベッドでは魔力を回復させきることは叶わず、今の僕の魔力量は十分の5あればいいほうだ。べつに、今日もこの国に泊まるのであれば使い切ってもいいのだが、、そろそろ魔力回復薬がなくなってしまうのでそれは、僕に危険が及ぶ。


 それに、もし僕がまたスタンピードを収めたと知られなら、それこそ『制限』によって殺されるだろう。今の僕にはそれを対象できる方法はない。


 もし今a級の魔力回復薬を持っていたとしたら何とかなったかもしれないが、残念なことにa級を持ち運ぶ技術を要していないので、それは叶わなかった。


 つまり僕はこのスタンピードに干渉したくない。そう願い、このスタンピードはこの国な解決してほしいと思っている。


 実際に僕が解決したスタンピードの前にも、スタンピードが起きていたみたいだがそっちは冒険者や騎士団の力で解決できているみたいなのだ。


 だから、僕が手伝わなくても解決できると思う。・・もしかしたら強い魔物が出てくるという想定外の事が起きたら、無理だろうが。




【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。


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