31話目
31話
渡されたその魔法書の詳細が書いてある神を読むとそこには知れると思わなかったことまで書かれえていた。
だが、それは装飾が派手な魔法書だけで古臭い方の魔法書の方はまた違った風になっている。
まずは、神様のことだろう。
装飾が派手な方の魔法書は神様の名前は【バルバトス神】というらしく、闇契約系のことをよくやっている神様らしい。
・・ちなみに闇契約とは色々あるが、この神様としては平等な価値のものによる取引ではないことを言うらしい。
例えば僕の『悪魔契約』だろう。同意しているかしていないかの問題ではなく、価値の違いなので、求めていた対価の3、4倍にもなる魔力を出している状態はこの神によれば闇契約となるらしい。
次に、、古く草臥れている魔法書だ。その魔法書が書かれた紙の方には・・神のことは書かれておらず代わりに【詳細不明】と書いてあった。
なので、古く草臥れている魔法書はどのような神様が授けてくれたのかわからない。神様のことがわかれば魔法書に何も書いていない状態に納得がいっていたのかもしれないけど、どうしようもない。
でも、なんで【詳細不明】なんだろう?鑑定士さんの魔法で分からないなんて状態はないと思っていたけど、他の人に調べてもらったらわかるものなのかな?
で、次は魔法の詳細なのだが、、、知っている内容しか書かれていなかった。バルバトス神の方の魔法書の魔法は効果自体は無限の可能性があると思って頑張って調べたんだよね。たから、知らないことはないと言えるほどには知っている。
ちなみに古く草臥れた魔法書の方には魔法の詳細は書いておらず、さっきのように【詳細不明】としか書かれていない。
・・・あとの内容はそこまで重要だと思えることは書かれていなかったな。
時間を確認すると、もう1時間を過ぎようとしていた。ここは1時間しか使えないみたいなので、しょうがないが出ることにする。
さっと見ただけだったからもう少し見ておきたかったが、まあ、帰っても紙だから見直せるなと思い帰ることにした。
★
僕は家に帰ると改めて鑑定士からもらった魔法書の事が書かれている紙を見た。
「闇契約の神様だと流石に呪いを何とかする事はできないよな~。」
そんな独り言が出てしまうほど、正直がっかりしていた。・・いや、僕が期待しすぎたのがしょうがないと思うけど、【バルバトス神】の魔法書は一度【制限】の呪いを何とかしてくれているからもしかしたら、、と思っていたけど契約系の神聖術を授けられてもどうにもできないだろう。
そして、問題なのはこの草臥れたほうの魔導書。こっちに関しては鑑定士さんからもらった紙には何も書かれておらず、分かったことは情報が無いと言うことだけ。もし神様が分かったら今後使えるかも知れない魔法が分かったかも知れないし、呪いをどうにかできそうな神様なら試練を授かりに行きたかった。
でも、何も情報が無いんだから判断のしようがない。
これでは、振り出しに戻った気分だ。もしかしたら鑑定してもらったら良さそうな神様が見付かるとささやかな期待をしていた。
まあ、一応は魔法書を授けた神様の事だから全部読ませてもらうけど。
そう思い僕は貰った紙を全て読むことにした。
「・・・」
すると、何と言う事か。僕の呪いに関して関係がありそうな情報が見つかったではないか。それは【バルバトス神】の親友として書かれている。
「【ア・ランア・ィ・エア】・・・外神か。」
その神はこの世界の神ではなく、この世界の外にある無数の世界の内の一つに存在していた神さまと書かれている。・・・つまり僕のような別世界から来た存在と言う事だ。
このことは、何か僕と関係が有るのではないかと思ってしまう。だけど、その神にはそれ以上の事は書かれておらず、ただ【バルバトス神】と【ア・ランア・ィ・エア】は親友のように仲良しだったとしか書かれていない。
・・・こんなことを知ってしまったら、調べないわけには行かないだろう。いままで軽くではあるが別の世界について調べてきたが一切情報が無く諦めてきた。だから、こんな情報が出てきたのだったらもしかしたら僕がどうしてこの世界にいるのか分かるかも知れない。
まずは、ジェームス君に聞いてみよう。僕一人だとこういう事はどこで調べたらいいか分からないからね。
僕は家に帰ってきたばかりではあるがジェームス君がいるであろう研究室にいくことにした。
☆
「あ~確かに・・・そんな神様いたかな?」
僕はジェームス君に相談をしに研究室に行くと予想通りいたので、僕が転生したとかそう言う事はいわずに外の世界から来たと言う所だけを行って聞いてみた。・・・転生したとかはあまり広まって欲しくないから、ずっと言わずにいるんだ。
転生に関しては両親にも行っていないくらいだしね。それにこの世界は宗教が中心に動いているから、転生とかの概念を受け入れられるか分からないのだ。
「分からないかな?」
僕はジェームス君に【ア・ランア・ィ・エア】のことを聞いたが悩んでいる様子だ。ちなみにジェームス君は神様の事をよく知っているみたいで、よく「OOの教会に言ってきたんですよ!」と話を聞かせてくれる。
教会巡りをする浦井だからもしかしたらと思って、聞いてみたのだ。
「・・・いや、聞いたことはあるんですよ。だけど結構前の事なので思い出せるか・・。。」
「だいじょうぶ。待っているから。」
いつもならジェームス君が思い出せないとかなら直ぐに諦めて自分で調べようとしてしまうが今回に限っては本当に知りたい事なのでゆっくり待つことにした。
僕はゆっくりと紅茶でも入れる事にする。
「・・・そうだ【革命の堕落】の34神目の神だ。」
すると思い出したようで、声に出して言っていた。僕は突然の事だったから思わず紅茶をこぼしてしまいそうになったが、ギリギリ大丈夫だった。
「何か思い出したの?」
「はい!【ア・ランア・ィ・エア】は【革命の堕落】という出来事に関わった神様です!」
・・・ジェームス君に聞いて毎回思うのだが、好きな事はとことん覚える人だから知識量が凄いよね。【革命の堕落】なんていう出来事なんて知らないよ。
「へ~それならその【革命の堕落】と言うのを調べたら分かるのかな?」
「いえ、多分分からないと思いますよ。【革命の堕落】は魔法創生の物語なので登場する神様がすごく多いんですよ。なので殆どの神は名前しか分かりません。」
・・へ~。ジェームス君名前だけしか出てきていない神様を思い出しちゃったよ。・・すご。。僕だとそんな事覚えられないよ。
「そっか~・・・。」
僕は残念だと思いながらもそれはしょうがないと思いながら諦めようとしていた。だけど、ジェームスくんがまた何か言ってくれた。
「ですが、【ア・ランア・ィ・エア】はメソミア王国の国神ですからそこに行けば何かわかるんじゃないですかね?」
「メソミア王国?もしかして、僕がこの前スタンピードを倒した場所の事?」
「そうです!」
・・・メソミア王国かー。・・・今はあんまり行きたくないんだよな。前の死にかけた事件があったから近寄りたくないっていう感情は大きいけど、一番は僕が英雄と持て囃されているメソミア王国に行くと結構な影響を与えてしまうかも知れないんだよね。
だから、『制限』の魔力徴収でたくさん取られるだろうし、もしかしたら前のようにもう一度死にかけてしまうかもしれない。だから、出来るだけ近寄りたくないんだけど。
でも、それよりも【ア・ランア・ィ・エア】の方が優先なんだろうな。
「あんまり行きたくないんだよな。」
「確かに英雄って持て囃されるのは馴れないですよね。俺もはじめの頃は恥ずかしくてフード被ってましたもん。」
忘れているかも知れないがジェームスくんはs級の冒険者である。だから、僕の助手になる前までは沢山の人を助けて、それこそ英雄や勇者なんて言われていたんだ。
だから、僕がメソミア王国で英雄と言われていたとしても、自慢も出ないくらいだ。・・・なんで、そんな人が僕の助手になってくれたんだ?と思うかも知れないが、本人が言うには僕が研究しているのは魔導に関して興味が湧いたからなんだとか。
まあ、僕としてはS級冒険者にもなったその実力で研究を手伝ってくれるから全然歓迎。僕から誘いたいくらいだった。
それに、ジェームスくんは口が固いみたいなのでそれも相まって結構信用できる。
「・・・そっか!僕もフード被ればいいのか!」
と、僕はジェームスくんの話を聞いて一つ、メソミア王国に行っても大丈夫であろう対策を思いついた。
正直どれだけ考えても思い付かなかったからこれしかないと思っている。
「・・確かに俺もフードを被っているときはバレなかったですが、他の方法はないんですか?」
「いや、あるにはあるけど、、魔導を使うには魔力を消費しなければいけないから嫌なんだよね。魔力は出来るだけ消費したくないし、もしかしたらのことがあるから保険として残しておきたいし。」
そう、確かに魔導の中には僕の姿を隠すものや、認識させないものはある。だけど、その全ては消費魔力量が無視できないほど多いのだ。なので魔導の仕様は出来るだけ抑えてえおきたい。
「それなら良いと思いますよ。」
「それじゃあ行ってみるか!」
僕は【ア・ランア・ィ・エア】の事を知るためにメソミア王国に行くことにした。出来ればなにもおきないといいなと思いながら。
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