22話目
22話
「今日はありがとうございました。」
「こちらじゃよ。こんなに教えてもらって。」
僕は休憩が終了したあとから、ずっと魔導に関しての説明をしていた。だからなのか集中していて結構時間が立っていたみたいで、あれから3時間立っていた。
だけど、その成果もあって基礎的なことは教えることができた。これは博士だからできたことだろう。もともとそういう知識を覚えるのは得意なんだとか。
そんなわけで、僕がいなくても死ぬような爆発は起きたちはしないだろう。
「そうじゃ、今回の報酬としてあれをやろう。」
すると、博士はなにかを思い出したのか胸のポケットから一枚の紙を取り出した。報酬を貰いたいからここに来たわけではないが、これほどの地位にいる人が報酬を渡すとしたら何を渡すのかすごい気になる。
「ほれ、この紙を・・・学園の校長に渡せば変えてもらえるだろうから」
渡されたのは金券であった。
初めて触る本物の金券には何個もの0が書かれており、持つだけで手が震えてくる。
「あ、ありがとうございます。」
「うむ。それじゃあ、なにか困ったことがあれば手紙をおくれよ?今度はこっちが魔法のことを教えてあげるからな。」
今回は全体的に僕が教えていたが、博士は魔法に関してを調べている学者だ。なので、僕とは分野がそれなりに離れているのだ。だから、魔法のことについて知りたいときは遠慮なくたよらせてもらおう。
まあ、魔法についてはそこまで興味がないから頼ることは少ないだろうけど。
「それでは。」
僕は挨拶をして学園の寮に帰るのであった。
★
ア・レディー・エルクト博士
儂は今日来た少年の事について考えていた。
「あの年であれほどの・・・・使えるな。」
儂には昔からある野望がある。それは今現在でも儂しか知らないのだが、その一歩がやっと見つけることが出来た。なぜこの年にまでなっても手がかりが一つも見付からなかったのか、いくら考えても分からないが、それでも今回の一歩は大きい。
その手掛かりとは・・・魔導じゃ。
「この知識は使えるな。」
そうなんとなしによんだあの少年から習った魔導の知識は儂の野望の為に必ず必要な事であったのだ。確かに、まだ研究内容として甘い所はあるが、それは儂が調べれば良い花じじゃ。
それに、他にもい出会いがあった。
あの少年のまりょの事じゃ。あの少年は儂が今まで出会ったことが無いくらい莫大な魔力を持っていた。少年が見せてくれたあの魔力をボールにする技。あれは並みの魔導士では5回作るのが限界であろう。
その事を確認するために、魔力量確認装置を使ったのじゃが、その結果は儂の予想を上回るものであった。なんじゃあの液体が固体になるほどの魔力とは。
・・・あの液体は結構珍しい特性をしていて、触れられている生物の一定空間内の魔力密度に合わせて自身の魔力密度も変えると言う特性を持っているんじゃ。つまり、変化した状態を見ればどの程度の魔力を持っているのか確認できる。
そんな不思議な特性をしているんだが・・・。
固体になるのは初めて見たから思わず我を忘れるほど驚いてしまった。それくらい莫大な魔力を持っているからには儂の野望に組み込まないわけがない。
それに、あの固体になった液体。あれほどの魔力密度になったのならば、魔力想定装置以外にも使い道が出てくる。今までの常識が変わって来るんじゃ。
そこで儂は古布粉が冷めきらむのを感じ、そのまま研究をしてしまおうと考えた。年を取ってからの無理は体に響くのだが、この興奮度合いはその無理を蒸してしまうだろうと、自己分析をしながら。。
だが、研究と言っても難しい事をする段階にまで行っていない。まずは魔導に関しての知識をつけなければいけないのだから。・・・あの少年は隠していたが体の所々に重症にもなったであろう傷が存在していた。
流石にこの年であれほどの怪我をしたら生きてはいられない。もし回復魔法士がいたとしても寝たきりの余生となってしまうだろう。だから、慎重に。そして丁寧に。
出来るだけ注意をしながら研究をしなければいけない。
「さて、魔力転送装置を作りにでも行くかね。」
儂は目標に必要な機器である『魔力転送装置』を作りに行くのであった。
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