21話目
21話
それから1時間位がたった頃。
「ですので、第一内魔力で魔法を発動した時と第二内魔力で魔法を発動した時では、同等の魔力でもこれほど違いが出てしまうんです。・・・ふぅ。いったん休憩を挟みましょう」
僕は魔法と魔力の関係性を説明し終えて一区切りがついたので休憩をはさむことにした。
「そうじゃな。年取って来ると覚えるのも一苦労じゃよ。」
「あ~やっぱり大変なんですね?・・・何か分からないところとかありましたか?」
「いやいや、説明は凄い分かりやすかったぞ。こんなおいぼれでも理解できた位じゃから。」
「ありがとうございます。」
さっきから博士は自分の事を貶しているが、これでも魔法理論を100年進めたと言われる大偉人なのだ。だから、説明するときはあまり感じていなかったけど、休憩に入った瞬間緊張がドンドン出てきた。
それでも、さっきまで話していたから片言になるとかそう言う事はなさそう。
「そうじゃ、折角だし少し聞きたいと思っていた事が有すんじゃ。」
「なんでしょうか。」
博士は一度その雰囲気を改めて、巧妙な顔つきをしていた。何を質問してくるか分からないけど、なぜかその質問に対してはちゃんと答えなければ行けないと思った。
「お主はなんで魔導について研究しているんじゃ?」
それは僕の今後の願いを聞きに来るような質問であった。確かに、何か目標を持っていた方が研究と言うのは集中できると思うし、その目標によって僕が今後どのような道に行くのか知りたいのだろう。
「・・・さっきも言った通り、僕には呪いがかかっております。」
「干渉すると魔力が消費されれるんじゃな。」
「そうです。僕はその呪いは生まれてからあたり前に合って、普通の生活が出来るようになったのは本当に最近なんです。その普通の生活も薬を飲まなくて位はダメで・・・僕は普通に生活が出来るようになりたいんです。」
究極的に言えば僕の願いは「普通に生きる」事だ。確かに魔導でここまで成果を残せたのに無欲なのではないかと思うかも知れないが・・・その成果が合ったとしても、僕はこの呪いを解くことが出来ていないのだ。
「・・・魔導を研究したら呪いはどうにかなるのか?」
「僕の予想ではなります。・・・まだ多くの人には言っていないのですが、「呪い」は魔導の一種だと思うんです。」
この事はまだ世間には公表していない。
別に重大な理由がある訳ではないが、もしかしたら「呪い」目当てで魔導に関わってくる人もいるかも知れないから、簡単には公表したくないのだ。
だって、僕が今調べた中の資料では人を簡単に不幸に貶めることが出来てしまう。・・・それに、呪いは普通の魔法とは違って残酷な物が多いのだ。実際に僕の呪いは真面に動く事すら難しかったし。
僕があった中では、全身がずっと焼けどの様な痛みに襲われたりとか。他にも様々な呪いが合ってその呪いが一般化してほしくないのだ。だから、僕は出来るだけ明るみに出ないように研究をしている
「ほう、なぜだね?」
「少し前の事なんですけど、とある呪いの術式を見せてもらった事が有るんです。」
「ほう!何の呪いなのかね?」
それを見せてもらったのは約9~8年前。僕が魔導に興味を持ってからすぐのころだった。お父さんの上司である騎士団長が僕のために特別な伝手で呪いのことを調べてくれていたのだ。
そして、あるひ騎士団長は僕を呼んでとある一族がいる場所まで連れて行ってくれた。その一族は数年前まで閉鎖的な一族で簡単に接触できるような人では無かったんだとか。
それで、その一族所に行くと・・・そこには代々伝わる秘術が存在してたんだ。
「植木の術と呼ばれていました。」
別に秘伝の術がある事は珍しいが貴重と言うほどではない。だから、あまり考えずにその術を見ていたのだが・・・僕はその術を発動してもらった時、どこか見知った感覚を覚えたのだ。
「その術は・・簡単に言えば対象の肉体をへつの物質に変えると言うもの。発動した時、対象の体は少しずつ木に変化していきました。」
それは呪いであった。
なぜ呪いと分かったかその時は理解が出来なかった。だけど、呪いだと確信した。
「ほう。・・・それは、、」
「その時は呪の進行は早く3日後には完全に木に変化してしまうそうなんです。ですが、その後直ぐに呪をかけられた人に別の術式を発動すると・・・その呪いはきえました。」
その現象に僕は未来が見えたんだ。
「そこで理解したんです。呪いにはちゃんとした理論があり、その理論を紐解いていくことで僕の呪いは解かれるのではないのかと。」
「・・・」
「だから、僕は魔導を研究して広めているんです。」
広める事で多くの人が魔導の研究をしてくれれば、僕の呪いも解決できるかもしれない。そんな気持ちで僕は研究をしている。普通の生活が送れるその日のために。
「・・・少し付いてきなさい。」
すると、博士は僕の言葉に感化されたのか。もしくは何か思ったのか施設の奥の方に連れて行ってくれるようだ。本来この研究所は機密事項が多いせいでこの応接室以外には関係者以外立ち入り禁止みたいなのだ。
実際僕が所属している学園の校長でも奥の方には入ったことが無いらしい。それくらい部外者には知られないようにしている場所に僕は連れられていた。
「・・・」
少し歩いていると、何かが見えてきた。それは厳重な扉でありそうだ。だが、それは物理的に頑丈なのではなく魔法の効果によって厳重にしているようだ。
その扉に博士は近づいて、腰の本を取り出して魔法を唱えるとその扉は開いた。
「ここは儂たちがいつも研究をしている場所じゃ。」
その連れられた場所は壁一面に今まで見たことが無いような機材が並んでおり、その中には最先端と言えるものしか無かった。・・・そして、その機器の中には僕が発明した物まで存在している。
「ここで見た事は内密にしなされ。」
「・・・」
僕はその機器の数々をみて思わず感動していたが、その機器の中身はまったく関連性が無さそうなものまで揃っていた。
すると、その場所に止まりこちらを向いてきた。
「儂はな。お主に魔導のことを聞いた理由がふたつあるんじゃ。」
「なんでしょう?」
真剣な顔で僕の方を向いてきたかと思えば、自身のことを語りだした。単純に知識欲とか研究に役立つのかを知りたかったのではないかと思っていたけど。
「一つは単純に知りたかった。魔導という分野は今まで注目されることはなかったから、どのようなことをするのかすら知らなかったからな。」
確かに僕が魔導について興味を持った理由である、魔法全科の本には数ページしか記載がなかった。だから、僕が研究をしようと思っても正しい情報が手に入ることなんて全然なかった。
「2つ目は、、17というまだまだ若いのにここまでの研究をやってのけたミナミ教授に興味を持ったから。普通その年だと友達と遊ぶことしか考えられない人間のほうが多いのに、この研究をやってのけた。」
確かに僕はベットから出れなかったから研究をしていたという理由もあるが、一番はこの呪いを解くためという信念のもとであった。
だから、ここまでやり遂げられている。もし普通の人間だったらこんなことはやらなかっただろう。
「だから儂はお主を呼んだんじゃ。」
「・・・ありがとうございます。」
僕はその評価に素直に嬉しく思った。だって今まで褒められる事なんて両親以外に無かったんだから。それくらい人とのかかわりが少なかった。
「それでじゃ。一つお願いがあるんじゃが」
「なんでしょう?」
僕は何かをやるためにこの場所に来たと思っていたのでその質問にはあまり深くは応えなかった。だけど、何をさせてくるのかは単純に気になる。だって目の前にある機器を使えるのかも知れないのだから。
「お主の魔力量を測らせて貰ってもいいか?」
「えっと、、いいですよ。」
僕は予想外の事で思わず戸惑ってしまったが、確かに僕の魔力量がどの位なのか最近は最大量が大きすぎて数えるのを忘れていたのでしらない。なので、気になるは気になる。・・・だけど、どうやって測るんだろう?
魔力量を測る機器なんて聞いたことが無いけど。
「おお!ありがとう。それじゃあこっちに来てくれ!」
僕の答えに嬉しく思ったのか、博士はこの部屋にあるとある機器の方に行ってしまった。その興奮具合に思わず引いてしまうが、博士も気になっていたのだろう。ここに来たとき僕が博士に教えた『制限』に消費される魔力量は、凄く多く感じたと思う。
だって、僕が出したあのボールは母がよく使う【魔法 アイス】を発動させるくらいはあるのだから。つまり簡単な魔法であれば発動するくらいを1と明言したのだ。
僕は博士が近づいた機器の前に立ち博士の指示を待っていた。
「それじゃあ、その液体の中に手を入れてみてくれ。強い刺激は無いはずだから。」
「はい」
僕はいわれた通りにその機器に入っている奇妙な液体の中に手を入れる事にした。別に嫌にな匂いがするわけでもないし、博士も軽く触っていたので問題は無いだろう。
好奇心が顔に出てしまう中、どんな事が起きるのだろうと気持ちの高ぶりを慎重にその液体の中に手を入れていく。その液体の中に手をれたらどんな風に魔力量が図れるか想像がつかないが、この機器は液体を保存するための形にしかなっていないところを見ると、液体事態に何か仕掛けがあるのだろう。
チャポン。
僕はその液体に手をいれた瞬間。なぜか液体が見る見るうちに無くなって行った。なので直ぐに手を引いた方が良いのかと博士を見るがそのままでいいとのことなので、その液体が無くなる勢いが怖いがそのままでいる。
だが、その液体がどんどんなくなる所を見ると、不思議な感じである。そして、10秒ほどたった頃だろうか。液体は完全になるなり、容器のしたには一つの塊が存在していた。手を入れた時には無かったので、手を入れたから生成されたのだろう。
「・・・どうでしたか?」
「す、、すごいじゃないか。」
博士から賛美を送られるが何が起きたのか説明されていないので、訳が分からない。そこで思ったのだが、先に何が起きるのか聞いておけばよかったと反省してしまう。
「この液体は接触している物質の魔力量に比例して圧縮されるんだ。詳しい事は機密になるからあまり言えないが・・・この液体が固体になる所なんて初めて見たぞ。」
「・・・。。。」
まあ何か凄かったのだろう。出来れば成果うな数値を教えてほしいのだが、この様子だと数値は分からないみたいだ。あくまで感覚で測る見たいで僕が思っていた物では無かった。だけど、魔力の量は測れているみたいだし、それは凄い機器なのは間違いがない。
この機器があれば魔力量で人の優劣を決める事だって出来るのだから。
たまに、魔法学園でも魔力の量が少ないのか全然魔法が使えない人もいるし。まあ、そう言う人は戦闘系の道では買う学者系の道に進んでくれるから別にいのだが、たまに魔法が全然使えないのに、戦闘の方面で将来を考えている人がいるのだ。
魔力量が無ければ魔法を満族に使えないので簡単に死んでしまうのに。
この機器を使えば自分の進むべき道が分かるのはいいよね。
「これは発表等はしないんですか?」
だから聞いてみた。
「・・・これに入っていた液体の採集が難しいから実用化まで行っていないんだよ。もし発表して儂たちが使う分が無くなってしまったら、ダメだからね。」
「それならしょうがないですね。」
確かに、自分の魔力量を知りたい人は多いだろうし、その為に希少な液体をばかすか使うのは、環境的にも悪影響だろう。それなrあ自分たちだけで使うのは分かる。実際に僕にもそう言う代物はあるのだから。
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