19話目
19話
「やあ!ア・レディー・エルクト博士!」
「おお、よく来たね。」
ここは世界最高峰と言われるほどの機材が整っている、とある研究室の応接室だ。その建物は僕が今まで見たことが無いような建造をしており、本当にここで研究が出来るのかと思ってしまうが、この外見は権威を示しているのである。そして、その中ではいままで見たことが無いような物が沢山あった。
だって、そのはず。ここはこの国直属の研究者達が日々国を良くしようと研究に明け暮れるために作られた所なのだから。だから、そこら辺の研究室よりも良い機材が揃っている。まあ、国が際限なくお金を出してくれているのだから出来た事だろう。
この研究室があるおかげで、僕の日々日常が保たれているんだなと見ているだけで感動してしまう。だって、この研究室が無ければ「紙」の大量生産は出来なかったのだから。
普段僕や学生が使っている紙は100年前だと凄く高くて、本を一冊作るだけでも物凄いお金がかかったみたいなんだ。だけど、そんな事態を鑑みた第35代目の王様は国全体の学力向上と、知識の保存のためこの研究施設を作って紙の生産方法を考えたらしいのだ。
だから、今は紙を安価で大量に変えるようになったのだ。もし今でも紙が高価な物だったら・・・この魔法書も作ることが出来なかっただろう。
魔法は紙から与えられたものだといwれテイルが、その魔法を受け取るには依り代になるものが必要だ。そして、その依り代はまだ紙が高価だった時代は、当たり前のことだが本を依り代にすることは出来ず、ペンダントなどのアクセサリーが主流だったみたいだ。
ほら、お城の前で「降知の儀式」をするとペンダントを貰えると言ったでしょ?それは紙がまだ高価だった時代からの名残なんだ。
そんなわけで、この研究所が無かったら僕はこの魔法を持つ事なんてなかったんだ。それくらい凄い発明をしたところ。
「話には聞いていたけど、本当に17歳なのかい?ずいぶんと若く見えるが?」
「はは、最近まで家に籠っているような生活だったので。皺がすくないんですかね?」
初っ端から気にしている年齢の事を聞いてきた。だけど、年齢が低いだとかの話ではなく、見た目の話であった。・・何が言いたいのかと言うと、僕の年齢を見て論文の中身は見る必要が無いと決めつける様な人が結構多いのだ。
やっぱり、研究を長くしている方が知識の量は大いし、それに研究になれている。だから、基本的には年を取っている人の方が研究の信憑性が高いのだ。まあ、これは年功序列的な事もあるんだけどね。
そんなわけで、年齢を見てくる人は多いのだ。
「ほう?何か病にでも侵されていたのかね?」
「・・やまい、、確かに病なんですけど。。。」
「ほう?言いづらいことなのかね?」
一般的に僕が満足に動くことが出来なくなった原因である「呪い」は、非難の対象である。普通は「呪い」なんて物を貰う人は少ないし、それに呪いの研究は進んでいないから。どんな行動をしたら呪いが発現するかが分かっていない。
だから、一説には呪われている人に近づいたら呪われるだとか、悪い事をしたら呪われるだとか。神から見捨てられたから呪われているだろか、いろんな戯言が出回っている。
なので、呪われていると分かったら避けられてしまうのだ。だけど、学園の人とか僕の家族とかはそれなりの教養があったので、そのような事で呪われないと思っているのか、避けられる事は少ないのだけど、、、もしこの人が呪いに関して強い偏見を持っていたらどうしようと、思うと上手く離せない。
「・・・生まれた時からとある呪いにかかってしまっているんですよね。」
「ほう!呪いか!」
すると、僕の予想とは裏腹に強い関心を示してきた。なんでかは分からないけど、呪いに関しての事例は結構少ないからそれで反応しているのだろう。僕も僕以外の呪いにかかっている人と知りあおうと頑張っていたこともあったけど、それでも片手で収まる程度しか知らない。
だから、そこらへんには呪いにかかっている人は居ないのだ。
「・・・何の呪いか聞いても良いのかね?」
「僕が何かに干渉するたび魔力を消費してしまうんです」
呪いに関しては公表しているので僕と関わったら調べようとしなくても勝手に知ってしまうだろう。だから、躊躇する事無く話した。
それにこの呪いに関しては話しておかないと僕に不自由が生じてしまう。もしかしたら、魔力回復薬を飲もうとしているのに、飲めない状況にされたらたまったものではない。
「えっと、つまり・・・儂と話している今も魔力を消費しているのかね?」
「はい。」
すると、僕の呪いの事実確認をするとエルクト博士はありえないと言う風に驚いていた。まあ、確かに行動をすればどんな事であれ魔力を消費されては溜まったものではないだろう。実際僕も魔力回復薬が出来るまではベットの上でしか生活を出来なかったし。
それに、魔力回復薬が出来た今でも無駄遣いは出来ないから休みの日とかはベットの上で研究の資料を整理している。
「・・・消費量はいくつ何だい?」
考えた末、核心に迫る質問をしてきた。この質問をしてくるところも見ると、最高の研究者と言うべきだと再確認させてもらった。正直呪いに関して質問をされた時はすこし残念であったが。
「えっと・・・『魔力投射』」
僕は博士に当たらないようにボール状に魔力を硬化させたうえで、魔力操作して僕は何も動かないまま少し遠くに空中移動をさせた。だけど、そこまで遠くに行かせる事無く近くの壁にぶつかるときに雲散させた。僕から距離が開くと操作をするのは難しいので、長く保つのは疲れるのだ。
「この魔力を1とした時、エレクト博士と会ってから約200程度は魔力を使っています」
「ほう!!そんなに消費しなければいけないのかね!」
博士は見た瞬間どれくらいの魔力を消費するかが分かったようだ。そして、僕がこの会話をしている時にどれだけ大量の魔力を消費したのかも分かってくれたようだ。「制限」によって消費される魔力って以外に多いんだよね。
そのんな消費が多い中でも、会話をすることは魔力消費が本当に多くなるから、満族に会話をすることが出来なかった時期は長かったなと思いに増えてしまう。
「・・・それなら早めに本題に入った方が良いね。そこの椅子に座ってくれ儂は少しお茶を入れてくる。」
すると、その消費量を考えて行動を短縮してくれた。僕としては魔力回復薬を飲めば何とかなるから別にいいのにと思っていたりする。それに、今は魔力が消費される事よりもエルクト博士と話している事の方が重要だ。
こんな大物と話せる聞かないんてそんなにないのだからこの時間をかみしめている。
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