表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
2章 僕は魔導研究者~学園は少々めんどくさい~
13/58

13話


 13話


「はぁ……まあ、そんなに興味なかったからいいですけど。」

「ありがと!」


 僕はジェームズ君の依頼を勝手に奪って受けてきた帰りになぜか、そん本人であるジェームズ君に出会っていた。多分彼女さんと一緒に買い物をしているようだったのでバレないようにコソコソと歩いていたんだがなぜか僕がいる事に気が付いてしまったのだ。


 折角デートをしていたのに、悪い事をしたなと思わず反省してしまう。だって学校でもないのに上司と出会うのは嫌だろう。思わず仕事の事を思い出して、休日を満喫できなくなってしまうではないか。


 それを引き起こす人間にはなりたくはなかったのだが・・・まあ、合ってしまったんだ。折角デートをしているんだったら、僕の事に気付いても声をかけなくてもいいのに。


「それで、何の依頼だったんですか?」

「えっと・・・ほら、このアルマ王国って言う所の街に、スタンピードあ突っ込んできたんだって。」


 僕はジェームズ君の机から勝手に取ってきた依頼書を出して、見せる事にした。実物が目の前にあった方が分かりやすいだろうからね。


「へ~なんで受けたんですか?いつもなら研究ばっかでそんな事しないじゃないですか。」


 馬の耳に念仏。その言葉は少し僕にはキツイ所があるよ。だって、実際に研究しかしていないから。


 朝昼晩。ずっと熱狂的に研究をしているおかげで、学生からつけられたあだ名は狂人。あまりにも酷いあだ名だったから少し修正させてもらったけど・・・だけど、実際に研究をしていたおかげで授業に遅れたとか合ったから、言われても仕方ないだろう。


 ちなみに、授業に遅刻をしすぎでこの前校長に怒られちゃったんだよね。だから、そろそろちゃんと授業に遅れないようにしないと、マジで首が飛んでいく。


「む!君もそんなふうに僕を見ていたのかい、それは心外だよ。これでも最近は研究に優先順位をつけたんだから。夜はちゃんと寝ているだろ?」

「はぁ。まあ、イイですけど。」


 一応ジェームズくんには許しをもらったので良しとするか。それじゃあ、僕は帰ろうかな。声以上ジェームスくんの彼女を待たせるのは期限が悪くなってしまうだろうしね。


「じゃあ僕は研究室に戻るよ。」

「・・・休みの日なのに研究をするんでですか。。頑張ってください。・・・あ、そうだあれに関する発表用の論文は書けたのでチェックしといてください。」

「OK!・・・君も休日なのに仕事をしているじゃないか。」

「あんたが緊急と言っていたんでしょ・・」


 僕は研究室に帰るのであった。



 ★


 ここは第一魔法学院。魔法に関することが隅々まで知れる世界屈指の学校だ。


 だが、一重に魔法だけというわけではない。確かに魔法という分野が基本的な中心となっているが、中には魔力に関することや、時にはまやかしや玩具とまで言われる魔導に関する事までもが教えられる。


 だが、魔法以外はそこまで分野としての発展は見せておらず、教えることが少ない。だから、この魔法学院では分野の発展のため教師に研究できる場所を与えているのだ。


 もちろん、研究がしたいがためにその行為は一途に分野の発展のためという建前を使っている教師もいるが。中には研究をするために学院に入ったという人もいるみたいだ。


 で、そんな研究第一の教師を学生の間では【駄弁】と言っているらしい。なぜなのかはあまり知らないが、、授業に遅刻したり、生徒の質問にちゃんと答えなかったり、小難しい単語を使ったり。


 まだ教えられていない範囲の公式を使ったり。そんな、教師には向いていないような奴が多いからだと思う。


 そして、僕も【駄弁】と言われている。


 遅刻は定期的にする。生徒の質問には答えるが、面倒くさいので基本的に自分で考えろスタンスだし、僕の分野が魔導という比較的新しい分野だから、簡単な言葉で言い表せない単語が多々ある。


 そんなわけで、僕はこの学院の【駄弁】と言われている。だけど、、生徒からの評判は結構良いらしいのだ。基本的に駄弁と言われている人たちはマトモに授業をしないせいで嫌われているのだが・・・僕は比較的ちゃんと授業をしているので最低限のラインは超えていない。


 まあ、分野が分野なので小難しくそれなりの地頭がないと理解出来ないのではあるが・


「まあ、そんなわけで第一内魔力に第四内魔力を結合すると付近に位置する第3内魔力の破壊をしてしまうから、内魔力を内魔力に結合する事は基本的にやらない方が良いね。だけど、例外もあって第一内魔力と第一内魔力。他にも第二内魔力と第二内魔力もしくは第二内魔力と第二自然魔力、第二内魔力と第二外魔力、第二外魔力と第二自然魔力、第二内魔力と第一内魔力、を同等の量で結合すると、比較的安定する事が確認されているよ。

 ただ、間違えやすいのが第二内魔力と第一自然魔力か第二内魔力と第一外魔力を結合してしまう事だね。これはやってはいけないからね。結構前に説明したけど、第二内魔力は類似した魔力構造をしている魔力以外を結合すると、莫大なエネルギーを放出して魔力痕が残ってしまうほどの爆発が起こるから絶対にダメだよ。

 僕が発見した時は瀕死の状態になっちゃったから。」


 まあ、こんな感じで授業をしている。ただ、今の授業は魔導に関する基礎的な魔力の性質を理解していない人が多いから、結構初期の初期の部分から説明しているのだ。・・・出来ればこのくらいは知っていて欲しかったな。なんで「魔力応用」と「魔力Ⅴ」「魔力Ⅵ」を履修しなければ取れないようにしているのに、この程度知らない人が多いんだよ。


 魔法で使う魔力知識には必要ないから、覚えない人が多いみたいだけど・・・それに、魔力に関する事を授業している人が、この自然魔力とかをそこまで重要視していないせいか、真面に覚えさせていないんだよな。


 そのおかげで、出来ればこんなことを僕の授業で教えたくないのに、わざわざ授業をしている。だけど、この事を知らなきゃ、魔導の事なんてまったくわからないから、やらなきゃいけないんだよな。


 だって・・・魔力の扱いって何となくでやったらだめで、簡単に爆発や、破壊をしてしまうから結構慎重にやらなきゃいけないのだ。


 その中でも、この第三内魔力。基本的に変化をさせる事を得意とさせる魔力の扱いは難しい。体には必要不可欠なのに、簡単に他の魔力と共鳴して変質してしまっていつの間にか死んでしまう。普通に生きていたら生成されづらい魔力だから一度変質してしまったら体の構造自体が変わってしまう時もあるのだ。


 この前のスタンピードで僕が使った絶対零度。あの魔術はこの第三内魔力を外魔力に変質させて、性質として類似している自然魔力と結合させた通称「変化の魔力」で発動した魔術だ。


 してした物質をしてした状態に変化させる。結構単純な上に効果が高いから、比較的覚えやすい魔術なのだ。


 ちなみに!!!

 この魔力に関する事は全て僕が発見した事だなんだ!!!「内魔力」も「外魔力」も「自然魔力」も全て僕が発見したのだ。そのおかげでこの学院の教授と言う立場に、たった17歳と言う若さでつくことが出来た。


 さらに言えばこの魔力の種類を発見した事で魔導の研究がすさまじく発展したのも僕のおかげだ。おかげで僕は歴史の教科書に乗るほどにまでなっている!!!まあ、発展していると言っても、研究者は全然少なくて世の中に出ている魔導の研究の殆どが僕の物なんだけどね。・・・まあ、それほど魔導って言うのはなじみがないみたいなのだ。


 でも!もう大丈夫!

 僕は先日のスタンピードの時に魔術を使って宣伝をしたおかげで多くの人に認知されたはずだ。魔導とはこれほど凄いのだと!


「すみません。質問したいのですが。」


 すると、授業をしている最中生徒の1人が質問をしてきた。なぜか僕の授業では質問されることが多いから、木を引き締めなきゃいけないんだよな。だってそこで間違った理論を言ってしまったらそれは教授の責任だし・・・それに、魔導に関してちゃんと理解できているのって結構少ないんだよね。僕の教え子とか僕の助手とかは分かっているの思うけど、それ以外の人は・・まあ、僕よりも知識的な物は少ないだろうし。だけど「、それはしょうがないと思っている。だって、魔導をここまで発展させた一番の原因は僕だろうし、それに・・・魔法界では結構真新しい分野だから、間違って覚えてしまう人も多い。


 だから、僕がここであ違った事を言うと一生間違ったままとかありえるのだ。まあ、そんなわけで、質問に回答するのは大変だから論文を読めば分かる事とかは、僕が教えるのではなくて良さそうな論文を紹介している。


 そんなわけで、真面に回答しない人と思われいるのだが・・・今回の質問は論文を紹介する程度の物ではなさそうだ。


「何かな?エルナさん」


 この人は僕の授業で分からない所が合ったら毎回質問をしてくる人だ。・・・説明をするのは大変だから自分で調べてほしい・・・。


「先ほど言っていた第一内魔力と第四内魔力を結合した時第三内魔力が破壊されると聞きましたが、第四内魔力の性質は「安定」だったはずです。それがなぜ第一魔力と結合しただけで第三内魔力を破壊する事となるのでしょうか?」

「ん~。これはそうだね。・・・いったん整理して見ようか。確かに第四内魔力は「安定」の性質があるとは言ったけど、もう一つ効果自体は弱いけど内包している性質があるよね。多分手元にある「第四内魔力の実体」と言う論文にも書いてあると思うぁら後で読んで欲しいけど、第四内魔力には「破壊」の性質を兼ね備えている。

 それは普段は安定の性質によってまったくと言って良い程昨日をしていないけど、とあるとき・・例えば風邪を引いたときとかそうだね。その時は体が、その風邪の原因をやっつけようと動いているんだけど、その時第四内魔力の安定の性質は沈下しているんだ。


 それに関しては色々理由があるけど、一番の理由として風邪の時に体を安定させると風邪の原因をやっつけれないからと言われている。だから、体の機能と言うか、体が風邪に対抗するとき第四内魔力は「安定」ではなく「破壊」の方が性質が強くなる。だけど、この時の破壊は第三魔力が変質するほど強い物ではない。


 では話は戻るが、このような現象が第一内魔力と第四内魔力を結合した時にも見られるのだ。第一内魔力を第四内魔力に結合した時、第四内魔力の「安定」の効果が沈下し「破壊」の性質が活性化する。


 そして、先ほど言った風邪の礼だと、その「破壊」の性質は何ら効果を発揮できていない。正確には、効果自体が弱すぎて体を破壊するにまで言っていないのだ。だけど、そんな中でも風邪の原因を壊す事はしているみたいだが・・・まあ、そんな訳で影響力が少なく、第三内魔力の変化の性質には反応していなかったのだ。


 だが、第一内魔力と結合した時は反応が違う。皆が知っている通り、第一内魔力の性質は「全て」。全ての性質を兼ね備えて、その全ての性質が平等の効果量だからそれぞれで反発しており、全ての性質を兼ね備えているにもかかわらず、何の性質の効果もない。そんな第一内魔力なわけだが結合するときは万能な魔力だ。その結合した魔力の性質自体の効果が増えるのだから。


 だが、第四内魔力に結合した時は、別の反応が見られた。

 それは「安定」の性質が沈下し、「破壊」の性質が活性化したのだ。・・・この現象により、第一内魔力と結合せいで「破壊」の性質の効果が増える。すると、その第一内魔力により強化された「破壊」の性質が第三内魔力の「変化」に影響を及ぼし、結果として第三魔力が破壊される。


 ・・分かったかな?」

「はい。ありがとうございました。」


 僕はまるで赤子に説明をするかのように、その質問に答えた。だって、難しい言葉を使うとまた分からないとか言われて、説明する事が増えるのだから。・・・それにしても、精神的に疲れる。


 同じ研究者なら、「第一内魔力との結合時に第四内魔力の「安定」の沈下が起こり、本来なら反応を見せることが無い第三内魔力に変化が見られる」とかで終わっていたはずなんだ。それを、ここまで分かりやすく説明をした僕をほめたたえてほしい。


 ほんとに疲れた。


「すみません。もう一つ質問があります。」


 ・・・


 僕はその言葉に思わず黙ってしまった。だって、さっきあそこまで説明して疲れてたのにまた質問をしてくるんだよ!!疲れるでしょ!


「何かな?」

「第四内魔力の「安定」がなぜ沈下してしまうのですか?」

「・・・論文の第四内魔力の実体に詳しく書かれているから見てみるといいよ。」


 僕は流石に疲れたので、全てを過去の自分が書いた論文に任せて説明を放棄する事にした。まあ、この事に関しては僕が説明をしなくても良い事だから、別に良いよね。それに、「安定」の沈下現象がなんで起こるかは前提知識さえあれば簡単に分かるから。



【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。


投稿時間 7時&17時で毎日投稿です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ