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聞き込みを終えた二人は木製の扉を開け外に出た。
外はすっかり黄昏色に染まっていた。
仕事でなければ、バー出るにはまだ少し早い時間だ。
「繋がりましたね。」
香椎は運転席に座り、シートベルトを締めた。
「ああ。屋久敷ローズが十鳴の元恋人。しかも、一時期は弟子としても
十鳴邸で住み込んでたってか。」
佐々木は助手席に座り、煙草へ火を付けた。
「住み込み時期と練習小屋が建てられた時期が重なれば、ほぼ決まりですね。」
佐々木は何も返さず、煙草をくわえたまま車の天井見つめていた。
「次はどちらへ?」
「関東技術科学大学だ。」
「かしこまりました。でもその前に。」
「ん?」
天井から香椎に目を移すと、いつもの無表情の顔を佐々木へ向けていた。
「シートベルトを。佐々木警部殿。」




