病みへ落ちる
今回は、
主人公の過去話が少し入ってきます。
ek
う
か
逃
げ
jk
い
で
夢であると感じた。
それは、夢であると。
暗闇の中で彷徨っていたら、たどり着いたと言った方が感覚的には近いかもしれない。
どこか、夢であると自覚できているのに現実だと考えてしまうような感覚。
まだ、大学を半年で中途退学をして、アルバイトをしていたあの時の夢。
またか、と感じつつも夢はコマ送りのビデオのように再生されていく。
「......て」
月に8万円から12万円貰えるかぐらいのアルバイトをしながら生活をしていた、日々が走馬灯のように、流れていく。
生きる意味なんてないと感じながら、死んでみようかな?なんてことを考えていたあの頃が、映し出されていく。
希望が無いと知りながら、毎日、新しいことに挑戦するぞ!!と心を奮い立たせて、実践できなくて、他人の目線が、意見が気になって、生きていたあの時が呼び起こされる。
「...きて」
どこか、どこか、遠くから声が聞こえる。
何故だろう?
僕を必要としてくれる他人がいるんだろうか?
ーまた、自分を否定するのか?
もう一人の話しかけてくる。
......
ーお前を呼んでいるんだぞ
......
ーなあ、少しは他人を信じてみろよ
無理やり手首をつかまれる感覚が全身を駆け巡った。
光の見える方向へと無理やり、僕の意識は連れていかれた。
「起きて!!おにいちゃん!!」
「……」
意識が覚醒すると、可愛らしい声が聴こえた。
最近、どこかで聞いたことがある声だった。
「あ!!起きた!!起きたなら返事ぐらいしてよ、おにいちゃん!!」
赤と黒を基調とした、ゴスロリ風の服を着ていて、そして、特徴的な八重歯が生えている少女がそこにはいた。
おおよそ、人間とは思えないような蝙蝠の翼を生やした少女が......
これは、夢ですね。
そう思い、僕は、瞼を閉じる。
「もう、なんでもう一回寝るのぉ~!!起きて!!」
「グァ!!」
首元に鋭い痛みが走る。
生暖かい感覚が首筋を伝る。
首筋に指先を持っていくと、ぺちゃりと水っぽい感覚が指先を支配する。
「血?」
赤く、鉄の味がする液体。
あ あ
な な
た た
は は
、 、
や や
さ さ
し し
い く
人 な
で い
す 人
か で
? す
か
?