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Vtuber二、囚ワレマシタ。  作者: フェイクピエロ
3/5

無作為に選ばれた無ノ人-01

-用語解説--

・誓約専用個人管理ナンバー

→その名前の通り、個人が契約を結ぶときに使用するナンバーである。

これは、世界共通であり、契約に際してはこの、個人ナンバーを使用して契約をする。

国民、一人一人に固有のナンバーば割り振られている。

他人(たにん)という、人間である、彼らからしたら、

 それは、息をするように、食事をとるように、自然に発言された言葉だったのかもしれない。移り変わらない連続する日常と、価値があると信じ込まれている紙を手に入れるために、隷属的な集団組織に属さなければならない。

 そんな、幻想(げんそう)を、描く(えがく)ことすら許されない世界によって、精神を侵されていた佐藤 優月 (さとう ゆつき) という、主人公らしからぬ人間が、『レンタルVtuber』というサービスのβテスターに選ばれたのは果たして、偶然だったのか、それとも、必然だったのか......


 それは本人にとっては、いつもと変わらない朝だった。そう、いつもと変わらない、とても退屈で憂鬱な朝になる予定の朝だった。


「もう、朝か……後、5分だけ……眠ろう~Zzz」

 そういって、彼は、フワフワモフモフな可愛らしいイラストの描かれた抱き枕を抱き寄せて、足を絡め、頭を乗せる。

 夢の世界へと再度、旅を開始しようと彼はしたのだが……夢の世界へと行くことはなかった。


 では、どうなったのか。

 それは、ともても奇妙?不可解?いや、現実的な現象であり、

 言葉で、というよりも文字で説明することは難しいようで、意外に簡単だったりする表現現象……そう、ありたいていに言えば、彼の視界はブラックアウトした。


 突然、意識を失ったと思ったら、

 なんか、一面が青空のように錯覚するような場所にいた。

「……ここは何処?」

「あ、やっと、起きたんですね。てっきり、死んでいるのかと思いましたよ~」

「……!!」

 後ろから、突然、声をかけられ、肩がビクン!!と反応する佐藤 優月 (さとう ゆつき)

「おや、驚かせてしまいましたか。これは、すみません。なにぶん、今日が、初仕事なもので」

 そういって、彼女は白のワンピースを少し分厚くしたかのような服を揺らす。

 あと、どういう原理かは、分からないが彼女の周りには白いルービックキューブのようなものが浮いている。

「あ、そうなんですか……」

 無難な返事を返してしまい、微妙な空気が流れる。

「……」

「……あ、」

 微妙な空気に耐えられなくなり、

 こちらから話を振ろうとするが、

 彼女はそれを遮るように、こんなことを言ってきた。

「そういえば、自己紹介をして居ませんでしたね!!」

「あ、はい」

「それでは、自己紹介を致しますね。私の名前はアウネ。株式会社『HDU-E』の社長的なことをやっています」

「……」

「今回、貴方をこの場にご招待したのは、私たちが現状、進めている新たなサービスのβテスターに選ばれたためです」

「……なぜ、僕なんかが?」

「それは、ありたいてい的に申しますと運ですね。私たちは、被……βテスターとして、100名の人を無作為に選出しており、そこにこちら側の意図は入っておりません」

「そう、なんですか」

「はい」

「あの、つまり、僕は、そのβテスターというのに選ばれたという認識でいいのでしょうか?」

「そうです」

「ちなみにどんな内容なんですか?」

 そう言うと、ワンピースのポッケからA4サイズがの紙とペンを取り出すアウネ。

「内容に関しましては、こちらの契約書にサインをしていただけなければお話しすることは出来ません」

「内容を知りたければ記載しろということですか」

「そうなりますね」

 怪しい。そんなふうに思っていると

「怪しいと、おおもいですね」

 ばれてる?

「当然だと思います。普通こんな訳の分からない空間に連れてこられて、急に社長ですなんて言われても信用することなんかできないでしょう。ですが、安心してください、あなたに不利益はございません」

 本当にそうだろうか?

「それでは、言い方を変えましょう。あなたはこのβテストに参加したいですか?それともしたくないですか?どちらですか?」

「それは……」

「リスクを取れなければあなはこれから先も、リスクを取らない、平凡的で、周りが望む自分になってしまいますよ」

 ぐぅ、痛いことをついてくるなこの社長は

「仕方ありません、今回は特別ですよ。少しだけ待遇についてお話しましょうか、この契約をしていただければあなたの衣食住を保証しましょう。困っているのでしょう?」

 何故それを知っている。それに、この言い方だと僕の貯金がもう少しで尽きることを知っているみたいじゃないか。

「これが最後です、どちらを選んでもらっても構いません。いま、この場で私に殺されるか、それとも、契約書にサインをして、生き残るかどっちがいいですか?」

 彼女がそういうと、彼女の周りを浮遊していた。白いルービックキューブが形を変化させ始め、縦長の細い針のようなものに変化する。変化したルービックキューブからは、シュ~~ン!!という金切り音が聞こえ、あの針が高速回転していることが聴いて取れる。

 ルービックキューブが僕の周りを囲むように詰めてくる。

「本気ですか?」

「……」

 ヒュッ!!という音が聴こえたかと思うと、右足から鈍い痛みが感じられた。

「……う、うぁああああああああああああああああああああ!!」

 自分の太ももに直径4cmほどの小さな穴が開いていた。

 自分の太ももの惨状を見た瞬間に、鈍い痛みだったものが鋭い痛みに変わる。

「契約、してくれますか?」

 そういって、笑顔でのたうち回っている僕に契約書を見せてくるアウネ。

「まったく、うるさいですね」

 アウネが指を鳴らすと、右太ももに開いていた穴が塞がる。

 先程まで、大量に流れだしていた血液すらもきれいに消え去る。

 まるで、最初からそんなことが起こっていなかったかのように。

「それで~どうするんですか~?契約します?それとも~死にます?速く、決断してくれないと~今度は~男の子として大事な部分に風穴があいちゃいますよ~佐藤 優月 (さとう ゆつき)さん」

 3つのルービックキューブが佐藤 優月 (さとう ゆつき)の大事な部分に向かってゆっくりと、高周波の音を立てながら近づいていく。そんな中、佐藤 優月 (さとう ゆつき)は恐怖のあまり、身体がすくみ、動けないでいた。

「……わかった。契約する」

「ありがとうございます。それでは、誓約専用個人管理ナンバーを教えてください」

 あの……首元にずっとルービックキューブ近づけるのやめてもらえませんかね?

 もう、恐怖を刻まれたのでやめてほしんですが……そんなことを思いながらアウネに、自分の誓約専用個人管理ナンバーを教える。

「……だ」

「はい、確かに。契約が成立しました」

 カチャりと、音をたてて手錠のようなものを右手につけられた。

 笑顔で。

「それでは、内容につきまして、説明さ

 せていただきます」

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