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3話「異世界に転生して、いきなり戦闘になったんだが!?」

暇つぶしなので、気軽に読んでね!



「――いだろうがぁー!! ……って、ここ何処だ?」



 あの無駄におっぱいのデカイ女神に抗議の声を上げている途中で、不思議な感覚に襲われたかと思った矢先、気が付いたら俺は森の中にいた。森というより、どちらかといえば林に近い感じの森なのだが、森か林かという定義はどうでもいいので必要な事に思考を巡らす。



「ここが例の異世界か……それにしてもあの野郎、こっちの話も聞かずにいきなり飛ばしやがって、だからあいつはダメなんだ」



 これ以上、あの女神について悪態をついていても何も始まらないため、周辺の様子を窺っていると突如草陰から何かか飛び出して来た。



「ギッ、ギギィー」


「なんだこいつ? いやにファンシーなやつだな」



 突如現れたのは、緑色の皮膚を持った身長七十センチほどの体躯の生物だった。ただ、その生き物の持つ雰囲気と見た目がどこぞの都道府県のご当地キャラみたくデフォルメされており、生き物というよりもマスコットキャラクターの様相を呈していた。



「おおそうだ、こういう時のこれだよな……【鑑定】」



 せっかくあの女神から授かったのだからと思い、俺は四つの能力の一つである【鑑定】を使う。そして、表示された情報は以下の通りだ。



【名前】:なし


【種族】:レッサーゴブリン


【年齢】:1歳


【性別】:男


【職業】:なし


《ステータス》

レベル1


HP 50


MP 0


攻撃力 10

 

防御力 5


素早さ 12


精神力 5


かしこさ 3


幸運 0



【スキル】:なし



「えぇー、これがゴブリンだと!? ……どう見てもま〇もっこりだろ!」



 俺が知っているゴブリンと明らかに違う見た目のため思わず叫んでしまった。それも仕方のないことで、先ほど俺も口にした通り見た目が完全にマスコットなのだ。



「ギギギー」


「お? なんだ、やろうってのか?」


「ギギィー」


「いいだろう、俺の経験値()となれ」



 異世界に飛ばされて開始三分で初戦闘へと突入する。もう少し、導入部をに厚みを持たせて欲しいものだよ……。ああ、そう言えばこれリアルでしたね……忘れてた。



 そんなことを考えていると、いきなりゴブリンが俺に向かって突進してきた。突進といっても、それほど大したスピードではないため、横に移動することでそれを回避する。



「さて、次はこっちの番だな。と言っても、武器がないから素手の攻撃しかできないが……なっ」


「グビッ」



 ゴブリンの攻撃を躱し、突進の勢いを殺している奴の顔目掛け拳を突き出す。助走の付いた俺の拳がゴブリンの顔にクリーンヒットし、蛙の潰れたような何とも言えない声を出しながら吹き飛ばされる。痛みを堪えながらも何とか立ち上がろうとする様は、見ていてこうなんか……。



「ギ、ギィ……」


「け、健気だな……見た目がファンシーなだけになんだか俺の方が悪者みたいに感じてしまう」



 だがしかし、世の中とは無情な物なのだ。弱肉強食なのだ。それに、先に襲ってきたのはゴブリンのほうからだったし、これはれっきとした“正当防衛”だ。うん、間違いない!



 とまあ、誰に向かって言い訳しているのか自分でもわからなくなってしまったので、無駄な思考に回す労力を目の前の敵を倒すことに切り替えることにした。



「じゃあな、せめて苦しまずに逝ってくれ!!」


「ピギャーア」



 俺は覚悟を決めグロッキー状態となっていたゴブリンに蹴りをお見舞いする。体の小さなゴブリンは俺の蹴りを受け茂みのさらに奥へと飛ばされていった。



「……あ、しまった。あれだけ飛んでったら剥ぎ取りできないじゃん」



 通常倒したモンスターの死体から、お金になりそうな部位を剥ぎ取るために解体作業をする必要があるのだが、さきほど俺が放った蹴りでゴブリンはどこかに飛ばされてしまったようで、どこにいったか皆目見当が付かなかった。



『【レッサーゴブリン】を倒した。2ポイントの経験値を獲得した。アイテム【レッサーゴブリンの牙】を手に入れた』


「うおっ、いきなりなんだ!?」



 解体し損ねてしまったことにがっかりしていたその時、突如メッセージウインドウが表示される。どうやら、先ほどの攻撃でゴブリンがお亡くなりになっていたようで、その結果が告知されたようだ。……というか、メッセージウインドウとかこの世界ってまるでゲームみたいだな。まあ、分かり易いといえば分かり易いけど、これは……。



「“死に戻り”があると勘違いするレベルでゲーム然としてるな……これは注意が必要だな」



 仮にこの世界がゲーム世界であれば、俺が言ったように死んでも特定の場所からやり直しができる所謂“死に戻り”と呼ばれるシステムが導入されていることだろう。だが、あの女神は“第二の人生”という言葉を使用していた。そのことから、このゲーム然とした世界はあくまでもゲームの世界に似ている異世界であって間違っても仮初の世界ではないということになる。



「とにかく、現状まだ情報が足りてないから何とも言えんな。とりあえず、街に向かいがてらモンスター狩りと洒落込みますかね」



 そう呟くと、俺は森を抜けるためにゴブリンが飛び出して来た方向とは逆の方向に歩を進めるのであった。

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