25話 次の展開。
25話 次の展開。
バロールとの闘いを経て、
トウシは、
(あの猿顔を通して、神がハンパなくヤバいってことはよく分かった)
この世界の広さを理解した。
『絶対に☆Xが当たる裏技』という圧倒的なチートを持ってしても、そう簡単には届かない存在。
(あのバロールとかいう猿顔……本当に強かった。……正直、あのまま闘っとったら、普通に負けとったやろな……)
タイムアップがきてくれて、実は心底からホっとしていた。
トウシは、ソンキーの手ほどきを受けたことで、『武の基礎』を理解したが、
『基礎の神髄』に触れただけで完全な達人になれるほど、闘いの世界は甘くない。
『この道の神髄』は、無数に在る。
だからこそ、『極めていった神髄』の数が器になる。
(今のワシやと、神どころか、バロールにも勝てん……けど、ワシは強くなれる。さらなる最適解を求めて、レア強化アイテムを回収しまくって、その中で、武を磨いて……そんで、必ず、神を倒し、生き残ったる)
決意を新たにしたトウシ。
そこで、
チーンと音がして、エレベーターが開いた。
辿り着いた場所は6階。
6階は、それまでのフロアとは違い、
どこか、スタジアムのような造りになっていた。
エレベーターを出ると、そこは、無数の席がずらっと並ぶ観客席で、
目の前には、野球のグラウンドよりも広いステージが広がっている。
と、ちょうどそのタイミングで、
三人のMDデバイスがブルブルっと震えた。
手にとって、確認してみると、
何やら、『お知らせ』が届いていて、
その内容は、
『これより、6階、闘技場フロアにて、イベントを開始します』




