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16話 それでは、さっそく一階のボスを殺しにいこう。


 16話 それでは、さっそく一階のボスを殺しにいこう。


赤原「もう、全員、俺らのチームに入って一丸になった方がいいんじゃね? 全員で一致団結して、金の力で世界を変えようぜ」


 と、大金チームのリーダーポジションについた赤原が、勧誘をはじめるが、


板瀬「俺の家、アホほど金持ってっから、金には興味ねぇ。つぅか、お前らの願いが叶ったら、『金持ち』の価値が下がりそうでイヤだ。金持ちの幸福は、貧困という下地があって、はじめて成り立つ。というわけで、お前らのチームに入る気はねぇ」


 と、ガラの悪い板瀬がそう言って、


 その横で、岡葉が、心の中で、


岡葉(ボクも、金には興味がないんだよなぁ……ボクの才能と実力があれば、自力でいくらでも稼げるし……なんでも願いが叶うっていうなら、金じゃなく……世界一の美女とかの方がいいかな……こんな事を言ったら、ひんしゅくを買うこと間違いなしだから、絶対に言わないけど)


 と、つぶやいてから、続けて、


岡葉(というか、さっきのアダムって人……めちゃくちゃ美人だったな……あの人、もしかして、世界一の美人なんじゃない? ……神様の側仕えだって話だけど……もし、ボクが神様に勝ったら、ボクに従ってくれたりしないかな……もし、そうなったら、あの豊満なおっぱいを、この手でもみしだいて……ふふ……おっと、ヤバい、ヤバい、勃ってきちゃった)


 岡葉という少年は、『性根が腐っている板瀬』と違って、悪い人間ではないのだが、

 かなりの好色で、良い女には目がない。

 高スペックで、ムッツリで、仕切り屋体質のオシャレオカッパ、それが岡葉常。


 ――もし、アダムにバレたら『一瞬で殺されるであろうクソ以下の妄想』を頭の中で繰り広げている岡葉の向こうで、

 トウシは、


「だいたいの状況は掴めたな」


 そう言いながら、岡葉たちに背を向けて歩き出す。

 その背中に黙ってついていくジュリア。


 そんな二人の様子に気付いた岡葉が、


「君達は、二人で行動するの?」


 そう声をかけてきた。

 トウシが、


「ああ。群れるのは趣味やない。ワシらは二人でええ」

「あたしはこっちに用があるだけ。この23ぶさおと一緒に行動なんてしない」

「誰が23男やねん、しばいたろか、ほんま」


 などと言い合いながら、二人は、岡葉たちから距離をとっていく。

 喧騒から外れ、少しだけ静かになった世界で二人だけの時間を過ごすトウシとジュリア。


 ――ある程度、歩いた取れたところで、



「さて、ほな、とりあえず、この階のボスを殺しにいこか」



 と、トウシがボソっとそう言ったのに対し、ジュリアが、


「いきなり? 確かに、あんたの龍は、ぶっちぎりで強いけど、この階のボスがそれ以上っていう可能性だってあるのよ。親玉中の親玉である『あの神様』は、どうやら、1000%を超えているみたいだし」


「神様はラスボスやからハンパなく強いだけってパターンやと思うで。9999階あるダンジョンの1階で、神様と同じくらいのバケモノが出るわけない。もし、一階のボスからすでに神様級やったら、そんなゲーム、誰もクリアできへん」

「誰もクリアできないゲームっていう可能性はゼロじゃない」

「まあのう……けど、これは、そういう『サイの河原』的なゲームやないと思うで」

「どうしてそう思うの?」

「んー……なんとなくやな」

「なんとなく……はっ、アホの答えね」

「確かに、そこに関しては反論できへん。……けど、あの神様は、絶対にクリアできん不条理なゲームとかは創らん気がする」

「だから、どうしてそう思うの?」

「せやから、理由はないって……もしかしたら、『そう思いたい』ってだけなんかもしれん。そこの根底・基盤がなかったら、ワシら全員、『最初から詰んどる』って事になるからな」

「……」

「そういう『根っこの部分を確認する』って意味でも、ボスがどんなもんか見学に行こうと思う。で、ヤバそうやったら逃げかえる。――さすがに、逃げるぐらいは出来るやろ」



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