表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガチャで絶対にSSRが当たる裏技が、異世界デスゲームでも使えると知った俺は……  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/144

137話 お前がナンバーワンだ。


 137話 お前がナンバーワンだ。


「……美しくない。歪みしか感じない。こういうのは、好きじゃないな、やはり……」


 冷たいいんを含むその言葉を受けて、

 センエースは鼻で笑い、


「だろうな、お前はそういうヤツだ。『闘い』という枠の中で、自分の強さを相手に押しつけて、その結果として、相手より上回っているか否か、そこにしか興味を抱かないバカ野郎」


「戦闘が始まるまでならともかく……戦闘が始まっているにも関わらず、『どうすれば相手に勝てるか』と考え行動するのはノイズだ。対峙して、ぶつかって、どっちが強いか弱いかをハッキリさせる。その純粋さこそが美しい」


「その意見を否定はしない。そういう『突き詰めた覚悟だからこそ出せる強さ』もあるだろうから。しかし、現実問題、今のお前の方が、これまでのお前よりも、圧倒的に強い」


「……そのようだ。認めたくないが」


「ソンキー、お前は強い。この世で、唯一、俺とやりあう事ができる究極の闘神。かつて、俺はお前に憧れた。お前を超える事だけを夢見て邁進した日々の全てを、俺は今でも鮮明に覚えている」


「俺も覚えているよ、センエース。初めて会った頃のお前はゴミだった。俺の足下にも及ばない小神だった。いまだに信じられない。あのしょうもないカスが……ここまでの強さを得たという事実」


「ソンキー。俺は、お前に憧れた。だから俺はここまでこられた。俺はすでに最強。誰よりも強い神の王。だが、ここでとどまりはしない。俺は、もっと、もっと、先に行く。そのための踏み台がお前だ」


 センエースを包むオーラの量が増した。

 神の限界を遥かに超えた圧倒的な力でソンキーを押していく。


 舞い散る閃光は止まらない。

 ただ美しく煌めく。


 ――センエースは言う。


「ソンキー、俺は強くなったぞ。強くなって、強くなって、強くなって、そして、強くなったんだ。もう二度と、俺がお前に負ける事はない! たとえ、タナカトウシという究極の可能性と合体したとしても、お前じゃ、俺には勝てない! それが世界の真理だ!」


「ならば、真理を殺そう。そのために俺は、『俺だけの美しさ』を捨てた」


 ソンキーとセンエースは、互いに飛んだ。

 飛翔する極限の神々。

 幽玄を飾りながら、軽やかに、はじけ合う。


 弧を描いた残像が、

 電流と火花を咲かせて、

 キラキラと歌う。


 認知できない空間のどこかで、凶悪なエネルギーをぶつけあう。

 残像の終焉。

 世界のメモリが焼き切れて果てる。

 認知が立場を見失って、気付けば、空間のあちこちがツギハギだらけ。

 炸裂し、弾けて、拡散する。


 『歪んだ神話』と『ズレた芸術』が重なり合い、

 極彩色の幻想が螺旋の中で溶けあう。


 止まらない。

 次元が悲鳴をあげている。


「強くなったな、ソンキー。……本当に強い! お前をそこまで引き上げたトウシには、心の底から感嘆する!!」


 本音だった。

 本気で思う。


 伝わったのだ。

 言葉にしていないところで。

 深く、互いの奥へと潜っていく。



「ああ、すげぇなぁ……ほんとうに、すげぇよ、トウシ……今までの永い神生の中で、さんざんっぱら、多種多様な無数の天才を見てきたが……間違いなく、お前がナンバーワンだ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ