表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガチャで絶対にSSRが当たる裏技が、異世界デスゲームでも使えると知った俺は……  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

125/144

123話 慟哭。


 123話 慟哭。


「主上様の強さを前にすれば、私などゴミ以下。何をしようと、どうしようと、かすりキズ一つつけるコトすら出来ない。それが私の神だ。全てを超越した神の王。ありとあらゆる全ての頂点に立つ、この上なく尊い命の王」


「……」


「その事実と、身に起こっている現実を踏まえた上で……さあ、もう一度、ほざけるものなら、ほざいてみせろ。貴様は、誰を討つつもりなんだ?」


「……」


「ちなみに言っておこうか。私と貴様の闘いが始まる前に、主上様は私にこう仰った。タナカトウシ以外、全員、殺していいと」


「……」


「私は、主の命に従い、貴様以外の全てを殺す。正確に言おう。今から十秒後に、あの女を殺す。アカツキジュリア。貴様とただならぬ関係にあるあの女を殺す。貴様の目の前で、頭蓋骨と脳味噌を砕いて殺す」



「ジュリアには……触るな……殺すぞぉ……」



「まだ吠える事はできるようだな。しかし、それだけか? 私を倒さなければ、あの女は死ぬぞ? 残りは5秒。もし、立ち上がって、まだ私に挑むという意志を示すのであれば、残り時間は延長してやる」


 その言葉を受けて、トウシは、


「……ぐぅ……うぅ……」


 フラつきながら、

 よろけながら、

 どうにかその場で立ち上がった。


 拳を握り、

 かすむ目を見開いて、


「延長時間は……どのくらい……?」


 かすれた声で尋ねる。

 アダムの言葉が嘘かどうかと考える余裕すらない。

 ただ必死に立っているだけ。


 涙にぬれた声。

 痛々しい、弱者の悲鳴。


 その姿を見たアダムは、


「……強いな……」


 ボソっと、そう言ってから、


「貴様は強い。ヒーロー足りうる器。……しかし、何も守れない。力を持たないから。心がいくら強かろうと、実力がなければ、何も守れない。それがこの世界の真理だ」


「……」


「延長時間は倍の10秒。すでに経過した。というわけで、今からあの女を殺す」


「っ……やめ――」


「貴様の言葉は、もう、私には届かない。己の弱さを恨め」


 そう言って、アダムは、トウシに背を向けて、ジュリアの方へと歩いていく。


 その背中を見つめているトウシ。

 『アダムが、ジュリアを殺そうとしている』という事実を再認識すると、

 トウシの足に力がこもった。


 本当なら、もうとっくの昔に動けなくなっているはずなのに、

 足が重たくて、視界が歪んでいて、

 全身に激痛が走っていて、

 立っているのもやっとの状態なのに、


 ――それでも、


「お前の! 相手は! ワシやああああああ!!」


 飛びだした。

 オーラを爆発させて、それを推進力にして、

 何の計算もない突撃!


 全てを賭した一撃も、


「ただわめいて暴れるだけでは何も成せない」


 優雅に流されるだけで終わった。

 フワリと、緩やかに、

 ダメージすら負わせてもらえずに、

 ただ、流された。


 つまりは、結局のところ、傷一つつけられなかったというお話。


 ――アダムは強すぎる。


「こ、こんなの……」


 ついに、我慢できなくなったようで、

 トウシが、


「こんなのおかしいだろぉおおおお!」


 天を仰いで叫ぶ。


「俺は間違いなく天才だ! ガチャは裏技で鬼引きしまくった! なにより、俺は、究極超神ソンキーの手ほどきをうけたんだぞ! あれだけ強い神様から武を学んだんだ! 才能があって、裏技も使って、神の贔屓も受けたのに!! なのに、なんで! なんで、こんな! こんなのゲームとして成立してねぇ! 不条理なんてもんじゃねぇ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ