表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Grand Fatasy  作者: しんしん
4/12

第4話 確信



「ここは始まりの街(トゥーンタウン)よ。といってもここは街の外れの大草原だけどね、もしかして迷子なの…?」


 聞き覚えのある街の名前だった。

 しかし、その名前を聞いただけでは、まだここが日本である可能性を拭えないので質問を重ねることにした。

 --だってそんな名前の遊園地?みたいなのありそうじゃん。


「えーと、何県の何処ですか?」


 すると彼女は呆れたような表情で俺に言った。


「ケン?剣なら街に売ってるよ?--何処って…さっきも言ったじゃない?ここは始まりの街(トゥーンタウン)。初級冒険者ギルドが集まり帝国の中でも商業が発達している街よ。私はその街に向かうためこの草原を通っていたら襲われてる君を見つけたの。」


 ……あらあら。日本語がペラペラなのに県という区分を知らない。


(……うん。ここ日本じゃないな。)


 現在地が日本ではないことがほぼ確定した瞬間だった。そして俺は興味本位でまたまた質問を重ねてしまった。

この質問がまさか、ここが日本でないことを完全に確定させ、この場所が自分の住んでいた世界ではないことまで確定づけることになるとは…いまの俺にはわかるはずもなく…


「その帝国ってのは何ですか?」


 ……そう問いかけてしまった。


「えっ…。そんなこともわからないの?帝国の名前は、アストミア。東の大陸で最も領土が広く、最も文明が発達している国よ。……けれど最近、真六大魔王が復活して帝国崩壊の危機に陥っているの。私は帝国の命によりこの街の守護を任されたの。」


 彼女の言葉は少し寂しげでそれでいて力強かった。


 ………ん?あれ?その帝国の名前も、その真六大魔王とかいうやつも…。とてもよく聞いたことある名前ですよ…。


(……イヤイヤ、流石にあり得ないだろ。まさかな…うん。これは夢だな。多分気絶してからまだ目が覚めてないんだろう。妙にリアルな夢だったけどそろそろ眼を覚ますか…多分病院で可愛い妹が俺のことを心配そうに見ている頃だろう。)


 自分の中で精一杯の言い訳をしながら俺は自分の頬をつねった。


「イテッ。」


(……はい。夢ではありませんでした。ちゃんと痛かったです。--妹よ、すまない…お兄ちゃんすごいところに来ちゃったかも。)

 金髪の少女が、心配そうにこちらを見ていたが今はそれどころではなかった。


 


まるでゲームのキャラクターのような彼女の容姿、凶暴な獣、聞き覚えのある街の名前や帝国の名前、そして真六大魔王の復活。

 そうこの世界は、俺がやり続けていた『Grand Fantasy』そのものだったのだから。


(真六大魔王の復活?明日終わるアプデの内容そのものじゃないか…)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ