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薬草集めと現状把握Ⅲ



「僕がやれる事?ん〜……とりあえず、スキルはこんなだよ〜」



ヴェルミーリョに催促されたフィンが、集めていた薬草を取り出しスキルを発動させる。

するとみるみる手から薬草が溢れ出してくるではないか。



「なるほどなぁー【手で触れたものを増やすスキル】か、なかなかやん」



「ちょっと前までは僕のスキルも色々制約あったんだけどね〜」」



「へぇーなんかあったんスか?」



「色々あって故郷で大事に育ててたパワーアップアイテムみたいな果物食べちゃって。

そんでスキルが強化されたり全属性魔法使えるようになって、ついでに歳取らなくなった……」



歳をとらなくなったと言うくだりでがっくりとしたフィンに、質問をしたグリムが気まずい表情になる。


それに対して「ああ、気にしないで」フォローを入れつつフィンは話を続けた。



「そうゆう訳で、前までは生き物に使えない、増やす対象の大きさや増やせる量に限りがある。

って感じだったんだけど、若干変わってるぽいんだよね。

まぁ今までの使い方ができない訳じゃないしむしろ増やす量とか回数は増えたからいいか〜って思ってる〜」



「……無機物ならなんでも増やせるん?」



しばらく考え込んでいたヴェルミーリョがフィンに訪ねる。



「うん?ええと、今までの増やそうと思って触ったもので増やせなかったものはなかった、かな〜」



無機物は何でも、と言ったフィンにグリムも喰い気味に質問する。



「じゃあ本もスキルで?」



「増やせるね〜」



「ほならあとは……あ、増やしたものは後で消えたりするんか?」



「あぁ〜考えたこと無かった!

でも後で消えるとか、そうゆうのは今まで無かったかな〜」



質問してきた二人が一瞬沈黙する、

そしてガバッ立ち上がったかと思えば、力いっぱい吠えた。



「はーー???そんならもう最強やんけ!!

この異世界チョッロ!勝ったな!!ww」



「本当ッスわ!!俺の問題も完全解決じゃないスかー!!」



質問攻めしていた二人の豹変ぶりにフィンはたじたじとする。


それに、自分がやれる事もまだまだ説明しきれてない。

どっちかというとフィンは努力して覚えてきた魔法方面の技術をひけらかし、すごいと言ってもらいたいのだ。


もっと話を聞いてもらわねば。

そう、僕の話を聞け!!



「えと、他にもやれる事あるよ?

増やす、って範囲が物自体を大きくするのにも適用されて……スケールをデカくするとか……」



「ええねん!そんなんええねん!!つーかやりたい事めっちゃ出てくるわー!!

そのスキルとワイのスキルで天下とったるわー!!ww」



ヴェルミーリョはことごとく話を聞いてくれない。



「ぜ、全属性魔法の他にも……所謂魔力の流れが見える……所謂邪気眼みたいのもあるんだけど……」



「ついに俺もたくさんの本を手にする時が来たんスね……!」



グリムに至っては取り付く島もない。


自分の話が主軸のはずなのに。


いつの間にかその軸からはじかれたエルフの少女は顔しかめ、


「も〜〜〜〜!!!!」と、地団駄を踏むのだった。



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