表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/93

【エルフ転生編】エルフのフィンと森で狩りⅡ

「む」


「?どうしたんです?」


「そろそろ罠に使う餌が無くなりそうで〜」


既に罠を設置した場所を6ケ所ほど周り、3匹ほどのファーラビットを成果として上げている。

今日の収穫は上々だ。


「ちょうどいいし、それじゃあ能力、使うね。」


フィンは餌に使っていた野いちごを手に取りネルの前に差し出す。すると――

「えっ」


ネルは驚愕した。

手のひらの野いちごが――増えていくのだ。

2、3個しかなかった野いちごが10個20個とみるみる増えていく。



「これが僕の能力、手で触ったものを増やす、だよ」



手で触れたものを増やす能力、それがフィンが転生して手に入れた能力であった。


生き物は増やせない、増やす対象の大きさや増やせる量にも限りがあるが生活する上では限りなく有用な能力である。


慢性的に贅沢な食事ができないエルフの里で、フィンが魅力的な体作りを実現出来ているのはこの能力のお陰である。


狩りの収穫が生態系を壊さないよう配慮しているように見せ、且つ家族や周りのエルフにもバレないよう能力を使い多くの獲物や山菜を持ち帰る、大人も顔負けの収穫量を安定して叩き出しているのだ。


仮にも村長の娘というポジションなので親への孝行という意味合いで余剰の食料は皆で分け、

家に帰ってから自分で食べる分をこっそり増やし備蓄しているといった塩梅だ。


その実績のせいで密かにライバル視しているアグラディアからは目の敵にされており、

本人はよかれと思ってやっているエルフたちへの食料の供給を、

成果が乏しい日のアグラディアにもするせいで余計に怒らせ悪循環を産んでいる。


ちなみに他の人には能力の事は秘密にしている。

村の人達の閉鎖的な人間性、もといエルフ性もそうだが、ある約束の為いずれは村を出ようと考えている。


つまりフィンにとって村に依存されるかもしれない可能性は排除しておきたいのだ。



ネルに能力を教えたのは

単純に容姿と性格が気に入ったのと、ひとまず一年という縛りでしか付き合いが無いだろうという打算的な理由もあった。


「能力……初めて見ました」


「えっそうなの?なんか、初めてが地味なので申し訳ない……」


「そんなこと無いですよ!すごい能力です!!」


「あはは、ありがと。まぁ色々制限はあるんだけど便利な能力だよ。

ひとまず、罠で捕まえた獲物を大物が通りやすい道で解体した後、能力で増やして放置する、血の匂いと餌の多さで大物を釣る作戦でいこう」


「はい!」


かくして、大物取りが始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ