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【エルフ転生編】エルフのフィンとチェンジリングⅤ

――次の日、早朝。


「ほう、お前が今年の子替えの儀式(チェンジリング)の子か」


子供たちも含め、狩りや木の実の採取を行こうという時に、僕とネルに傲慢そうな顔つきの、体躯の良い男性が絡んでくる。


「ネルルースです、ダークエルフの里から来ました、どうぞよろしくお願いいたします。」


ネルが丁寧に受け答えする。


「フン、まぁそんなことはどうでもいいんだ。それより、昨日は妹が世話になったらしいなァ。」


不敵な笑みを作った男性の後ろで、これまた同じような表情でこちらを見ている影――アグラリエルの姿があった。


「ええと……この方は……」


「あぁ、うしろのあれの兄貴だよ、成人してるから学び舎には居なかったって感じ」


「雑な紹介やめてくださるかしら?!」


「ごめん、雑にしか覚えてなくて……人の名前を覚えるのが苦手でさ~」


「その割にはネルさんの名前はすぐ覚えたんですのね?!」


「細かいこと気にしてると胸でかくならないと思うんだよね」


「それは今関係ないでしょう?!」



ゴホン、と男が咳払いをし、僕とアグラリエルのやり取りを黙らせる。



「フィンドゥリル、流石は村長の娘だな。威厳というか、随分と余裕があるな?」


「あ~……そういう嫌味言っちゃう~?」


「?」


ネルが不可解な顔をこちらに向ける。

後々面倒そうだし説明しといたほうがいいかなぁ


「あ~っとね、うちはなんてか、主に長老達の推薦で村長になったんだよね、

 だから他の村長候補の中でも特に有力株だったアグラリエルん家がやたらと突っかかって来るの」


フィンが小声で耳打ちするとネルはなるほど、と納得したように頷いた。


「フッ、アグラディア兄さま、フィンが小生意気なのはいつもの事ですわ。

 フィン、ネルルースさん?今日は昨日のお礼をしに来ましたのよ!」


「う~ん今そういうの流れたって感じしない?」


「全然しませんわ!!往生際が悪いですわよフィン!」


「ダメか~~」



ゴホン、と再びアグラリエルの兄、アグラディアが咳払いをする。

話を進めるぞ、と言う事だろうか。

断ち切りたい、この流れ。


「そういうわけだ。次は狩りで勝負をしてもらおうか。

 まぁ、村一の弓の名手である俺に勝てる見込みがないなら今すぐ辞退してもらっても構わんが?」


「そうですわ!兄様の腕前に潔く負けを認めなさい!!」



う~ん、めんどくさい。究極にめんどくさいなぁ……



「ネル~、どうする~?」


一応当事者でもあるネルに判断を仰いで見る。するとネルは真面目な顔つきで


「私自身がこういったことで不利益を被るだけなら全然平気です――」


――でも、とこちらに向き直って。


「なにもせずに負けを認めてフィンちゃんまで嫌な気持ちになるなら、私は戦います!」



あ~~~やっぱこの子いい子すぎる~~~~!!!

ネルis天使。健気さにやられる!


「じゃあやる~~~!!」


ネルの言葉にほだされたフィンがだらしないく惚けた顔で返答する。

こうして、二度目の戦いの火蓋が切って落とされた!

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