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短編集 冬花火

あなた依存症

作者: 春風 月葉

 孤独を癒してくれたのは、いつもあなたの温もりでした。

 乾きを潤してくれたのは、いつもあなたの涙でした。

 優しさを教えてくれたのは、いつもあなたの言葉でした。

 今の私はあなたのおかげでできています。

 だからお願いです。

 受け取ってください。

 私の心臓を。

 ああ、どうしてあなたは拒むのでしょう。

 あなたにたくさんの気持ちをもらいました。

 今度は私がその恩を返す番なのに…。

 あなたがいない世界に私の居場所なんてないというのに、あなたは私を置いて逝きました。

 お医者様は心臓の病だとおっしゃいました。

 そんなことは私も知っていました。

 知っていたのに何もできませんでした。

 悲しみを残したのは、あなたの優しさでした。

 優しさの代償は、心の乾きでした。

 そして私は今、一人孤独でした。

 今の私もあなたのおかげでできています。

 だからお願いです。

 私に居場所を。

 ああ、どうしてあなたはいないのでしょう。

 あなたにたくさんの気持ちをもらいました。

 全てはあなたがいたからなのに…。

 あなたがいない世界に私の居場所はどこにもないから、私はあなたを追って逝きました。

 お医者様は心の病だとおっしゃるでしょう。

 そんなことは私が一番知っています。

 知っているから私は逝くのです。

 あなたのくれた命を捨てた私をあなたは拒みますか?

 きっと私はあの世でも、一人孤独でいるしょう。

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