閑話その6 諏訪大社事件(その4)
色々あって遅いです。すいません。
豆腐メンタル維持のため感想欄一旦閉じます。ご容赦ください
「ならん!」
信長の怒声が諏訪大社に鳴り響いた。
信忠は小さく首を横に振り、松姫は小さく項垂れた。
家康と忠勝は推移を見守っている。
「父上、私と松が改めて婚姻を結べば甲斐の民も織田家に対して信頼を取り戻してくれる。また、武田と血縁関係のあった北条もより我らに信頼を寄せて今後の東国支配にも安定をもたらすと考えます」
家康は話を聞きながら、理に適ってると思い小さく頷いていた。
しかし、信長は違った。いや酒に呑まれたのか感情のままの行動だった。
「本来なら、武田の血を根絶やしにしてその上で返す刀で西国を一気に潰す予定だった。それなのに甲斐でまごまごしおって、それもこれもお前の仕置の甘さからじゃ。どうしても夫婦なりたいなら、あの世でなればいい」
と言うやおもむろに刀掛けから刀を掴み、松姫や信忠に向かって斬りかかった。
死を覚悟して目を瞑る松姫。しかし一向に松姫の身には何も起きなかった。ゆっくりと目を開けるとそこには婚約者の父が倒れていた。
信長は酔っていた。刀の方向が松姫の方でなく、家康の方に向かっていた。信忠は松姫を守ろうと刀で防ごうとし実際信長の剣筋を止めることができた。
一方、家康が斬られると感じた忠勝、家康を守るように信長と家康のあいだに体を入れた。
半蔵が家康を守ろうと短刀を信長の利き手の手首に投げ刺し、松姫を守ろうとした日向もまた信長の首筋に短刀を投げて刺さっていた。
そして崩れかかった信長が刀を落とした瞬間、信忠の刀は父親を鋭く切っていた。
誰が見ても信長が助かる可能性は万に一もないことは明らかだった。
「ち、、父上」
「馬鹿だったな・・・俺は」
「何故・・・」
「我が酒に呑まれたのが運の尽きよ・・・人生五十年こんなもんだ」
信長は弱った力で手を動かし家康を呼んだ
「良き部下を持ったな」
「し、しかし・・・」
「過ぎたことは止む無し。全て不問とする。信忠をよろしく頼む」
「はっ」
再び信忠を呼んだ。
「のぶただ、、まつとたっしゃ、、にな、、、」
「父上」
「お義父さま」
松姫も涙ながらに叫んだ。
「信忠あとは頼んだ、、、ここが我のほんのうじだったか、、、」
信長は事切れた。
信忠や家康らは急ぎ話をして諏訪大社に火を放った。
信長が誤って失火して火に巻かれたという事にした。
そして、穴山梅雪が警備が疎かにしてるから消火が間に合わず信長が亡くなったとして切腹を命じられた。
これが佐助から伝えられた真実であった。
しかし、佐助も『我の本能寺』というのはどういう意味なんでしょうねと言って頭を捻っていた。信勝もそうだなと頷きつつ心の中は動揺していた。
信長もまた転生者であったという事実を知った。
信長もまた転生者であったというのは当初から決めていました。
ここからさらに派生して閑話追加は予定してないです。ただ、信長の突出した物事の考え方というのは未来人であったと言われとも頷けてしまうのです。




