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第22話 嵐の前の静けさ

政宗を中心として、今後の方針が幾度となく評議された。

結果、田村家(愛姫実家)・最上家(義姫実家)と盟友関係を強化し、当面の敵として畠山・相馬と対峙することが決まった。

田村家とは共通の敵となる畠山がいるので共闘体制を強化すれば良い。問題は最上家である。これまで最上家とは対上杉工作で一致団結してた。しかし、政宗は上杉と戦うことを良しとはしなかった。


「御館の乱で衰えたとはいえ、上杉の強さは本物です。新発田氏への援助を止めて上杉と和平の道を模索する。それと同時に最上を動かし三国同盟をするように誘導し、最上は出羽、伊達は陸奥そして上杉は憂い無く信州・甲斐へ進出を図るのが宜しいかと」

信勝の提言に政宗も乗ったからだ。


「しかし、そう最上や上杉が頷くか」

「最上には伊達が会津などを抑え南陸奥の領有を安定させた頃に米沢を渡せば、話に乗ってくるかと」

「伊達のふるさとの地を最上に渡すか・・・家中の説得はそれがしの仕事だな」

「若様恐れ入りますが、宜しくお願い致します」


「して、上杉へは」

「吾輩が書を認め、甲斐の領有を認める旨を持っていけば動くかと思います」

「関東管領はどうする」

「そこまでの余裕は今の上杉家にはございますまい」


最上そして上杉への対策について政宗らは協議を重ねていた。


「しかし、その前に竺丸や信勝の初陣が必要だな」

「はっ」


信勝はその日が来たかと思った。

『史実の信勝は天目山の戦いが初陣で、そして討ち死にしている。俺は、生き残りこの武田の血を後世に残さなければならないのだから』心の中で熱い炎を燃やしながら。


政宗は輝宗と協議するが、恐らく相馬攻めが初陣になるだろうと話した。



竺丸の教育は虎哉住職により学を学び、成実が主に武を教えた。

「竺丸はまずは走って体力を付けろ、信勝は訓練するぞ」


訓練といっても、一対一で刀で切り結ぶことは滅多に無い。

信勝も成実も部隊を率いて戦う場面が多くなる。部隊運用の訓練である。

屋内で訓練をするなら将棋が最適だが、日中なら部隊に棒などを持たせて作戦をぶつけ合う方が良い。


この訓練では2人の性格の違いが如実に出る。

成実は電光石火で決着をつけようと奇襲作戦が多く、信勝は罠と策を用いてじっくりと相手を削ろうとする。反対の考えなので、両名とも刺激になっていた。


「成実、信勝ようやっとるの」

「政宗様」

「して対戦の結果はどうだ」


「今日は電光石火の策が成功し、信勝殿の部隊に勝ちましたが、これまでの戦いを通してですと五分と言ってよいかと」

成実の言葉に信勝も頷いた。


「なるほど、この訓練に今度はわしと小十郎の部隊も参加させてみるか」

「はっ、その際は信勝殿と組み、殿に一泡吹かしてみせましょうぞ」

「成実ぬかしおって」


3人がひと笑いしたあと、政宗は信勝に伝えた。

「そういえば、以前話にした種子島がやっと堺から届いたぞ」

「これで伊達の奥州制覇への第一歩になりますの」

「うむ。奴が亡くなったから、国が乱れ戦がまた増えると堺のやつらは予想してるようで、結構足元を見た値段をふっかけて来たぞ」

「でしょうね。信長が死ぬとは堺の奴らも思っても見なかったでしょうから」


そう信長は亡くなったのだ。

ご無沙汰です。

戦国時代を考えると、信長ってチート的存在なんですよね。この真相は次話で(月内投稿予定)

※次話投稿が遅れに遅れ申し訳ありませんでした。

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