準備
明日も投稿します。
戦闘シーンがちょっと足りないかなと。
実は主人公の本の名前で迷ってるんですよね。
いい名前ないかなー
「では・・・・魔物狩りに行きますか」
「あの・・・魔物?」
「ん?魔物・・・いないの?」
「いや、あの、失礼ながら、そう簡単に亜人や、魔物を狩ることは難しいかと。」
「あ、いや、なんとかなるとおもう。昨日思いついたんだよね。」
「その方法とは?」
「うん、後で書庫にきてくれ」
シルフが食糧庫で皿を洗っているので、先に書庫にはいる。
そういえば・・・・俺がここに来てもう何日か経っている。
今日は式典の日の仕事も無断で休んだことになり、おそらく戻れば良くて戦地へ。悪ければ処刑の可能性がある。
どうも厄介払いをしようとしている風を感じたから、今までボロを出さずにやって来たが・・・。
もうもどれないな。
魔界からやってくる魔物との戦闘で、国は疲弊し、人間界が一つにまとまったとはいえ、利権争いは絶えない。
今はヴァルキリアが手綱を握っているがいつまで持つものか。
戻ったって得はない。
召喚した異世界の人間をなんの理由もなく放り出すのは流石に民衆が許さないだろうと思っていた。
しかし、最初の頃は注目を浴びたが、今や、俺がいなくなっても民衆は気づかない。
シルフに昨日のように抱き着く。
既にリンクが確立されているので前回のように服は脱いでいない。しかし、しっかりと抱擁する必要があるのだ。
頭の中に書庫の本の情報が流れ込む。
複写はせずに、閲覧のみで、目的の本のみを選別していく。
読む必要はない。
屍のように倒れこむ俺を見て、シルフが、叫ぶ。
「・ああ。ありがとう。」
ふらふらと立ち上がる。
「あの・・・大丈夫でございますか?」
「ああ。ちょっとやばいかも」
そのまま意識を失った。
「あれ?おれは寝てたのか」
「はい。お身体はもう?」
「ばっちりだよ。お腹すいたな」
立ち上がり、食料庫に向かう。
ここにはキッチンも併設して置いてある。
ガスも水道もないが、魔法で足りるそうだ。
「ん?」
気がつくとシルフがおれをじっと見つめている。
「どうした?」
「ご主人様・・・ですよね?」
「は?」
「いえ、歩き方や、身のこなしはそうすぐに変わるものではございません。
それが1日で・・・気のせいでしょうか?」
「いや。そうしたんだよ。」
おれは戦闘関係の書物をすべて閲覧で振り分け、それのみ複写し、更に記憶に定着させるため選り分けたものに閲覧を繰り返したのだ。
おれの頭には世界中の戦闘に関する情報が詰まっている。
特に。
「ロイ・フットの《武芸の基本》っていう本があったんだけど、あれが特に良かったな。あれを閲覧してから他の情報の意味が理解できたよ。」
「ああ。300年前くらいに栄華を築いた王国の騎士ですね。彼の書いたこの本は現在でも騎士育成の手本となっているのです。」
「へぇ。それでね。すべての情報を再現しながら、書庫の中をぐるぐる歩き回ったりしてたわけ。流石に戦闘訓練まではできなかったけど。あ、そうだ。武器庫に行って武器選びに行かなきゃ」
「いや、ご主人様の筋力では難しいかと。」
「あー大丈夫。一応対策は取ってある。」
「ご主人様の体格ですと、んーーーーーーーーこれはいかがでしょう?」
「これは?」
「先程のロイ・フットは最後、またご主人様に焼かれてここで死にました。」
「え?マジで?」
「その時に持っていた剣で、名をグラムと。」
「グラムか。何か特殊な点はあるのか?」
「昔、これで過去の英雄が龍を殺したそうです。まぁ、魔法が発展した今では倒せる人間もいますが、剣だけで倒したとなると、相当な斬れ味、丈夫さが必要だったのでしょう。現在でも、再現不可能な斬れ味と頑丈さを併せ持ちます。ただ・・・」
「ただ?」
「こういった類の剣は魔鋼を使っていることが多いのですが、重いのです。
普通の武器の何倍も。それゆえ、このようなものを使えるのは本当に限られた人間のみなのです」
「大丈夫。」
本を開き、魔法書にあった魔法陣の一つを丁寧書く。
ベリッとやぶき、グラムの持ち手に巻く。
「魔方陣発動」
魔法陣が発動し、プラスチック並みの質量へと変化する。
「成る程、そのページに魔力を貯めて、魔法陣を保たせているのですね。質量軽減ですか。
これで何日ほど持つのですか?」
「ずっとくっつけておけば1日は。」
「成る程、これなら大丈夫ですね。しかし、ご主人様はまだ戦闘経験が少ない。本で情報を蓄えたとはいえ、アウトプットの練習が必要でしょう。僭越ながら私が訓練いたしましょう。」
「お、おう。」
俺たちは龍と初めてあった部屋に来ていた。
鎧に、武器庫にあった、《死神の衣》 と、魔綱製の手甲 脚甲、魔法具である羽ペンをベルトにはめたケースに入れて装着した。
「ここが一番戦いやすいか」
「ええ。・・・・・では参ります」
ブワッ
シルフの周りの雰囲気が変わる。
「やばい!」
きぃぃん
「いい反射神経ですね」
追撃による追撃。
記憶した剣技から最適解を選びならが攻撃を裁く。
驚くほどに俺はシルフの攻撃に対応できていた。
昨日までの自分では考えられないほどの速さで剣を振るうことができている。
しかし、俺の考えをよそにシルフは笑っていた。
「どうしたんだ?」
「なるほど。 魔法ありきの戦闘はまだ早いと思っていましたが、剣もなかなかの速さで振るわれています。
私の攻撃もいなされてますし」
「ああ。一応、閲覧はしてあるからな。記憶したようなものだ
「ただ、これが本当の戦闘だと思ってしまわれたら困りますねぇ。
・・・・私がその自信をへし折ってご覧に入れますわ?」
「ええ?」