檻の中で
今日は全身筋肉痛です。
普段動かない帰宅部はすぐに筋肉痛になるんですよね。
たまには運動した方がいいみたいです
「ん?」
目を覚ますとシルフは鉄格子のある洞窟に閉じ込められていた。
周りには女が数人。
皆、裸である。
『なぜ、こんな姿で。こんなところに?
確か・・私は体を拭いていていて、急に眠くなって。
・・・・何者かに捕らえられたのね。
おそらくなんらかの魔法。
女性を操る魔法を使う魔物か人に捕らえられたと考えていいでしょう。
面倒なことになったわね。』
隣にいる裸の女性に声をかける。
「ちょっとよろしいかしら?
貴方はどうしてここに?」
ぼーーーとどこを見ているかわからない虚ろな目をした女性。
よく見ると周りの女性はみんな虚ろな目をして、まるで感情がないようだった。
「これはなんらかの魔法ね。
ごめんね。解かせてもらうわ。」
シルフは無詠唱で魔方陣を使わずに魔法が使えるのだ。
女性に手を当て、その上に自分の手を当てる。
「催眠 解」
紫の光が迸り、女性の腕を伝わり、体へと浸透していく。
「・・・・え?ここ?どこ?」
女が周りを見渡す。
「喋らないで!!」
小声で女が叫びそうになったのを制止する。
「なんで貴方裸なの?ここどこ?」
女が小声で怒ったようにいう。
「私もわからないの。貴方ならわかると思ったんだけど」
女は首をかしげる。
「私はただ森に果実を探しに入っただけで・・・?」
「やっぱり何かしらの催眠にかけられていたのね。
名前は?」
「アンよ」
「アン。ここを抜け出そうと思うのだけど、協力してくれる?」
シルフは逃げ道を探るために辺りを調べ始める。
「するわ!みんなも連れていく!」
「それは・・厳しいわね。
ここの人はみんな知り合い?」
「いえ、10人くらいよ。でも、他の子達も多分近くの村の女の子だったと思うわ!」
「・・・取り敢えず私たちだけでも逃げて、あとで助けに来ましょう。
私たちだけでは無理よ。」
毒により、体が弱っており、また、解毒を定期的にかけなければならず、魔力も乏しい今ではこの子一人が限界であった。
「嫌よ!連れていくわ!」
「だめよ。すぐにまた助けにくるわ!」
なかなか説得に応じないアンだったが、1週間以内に助けに戻ると誓い、やっと大人しくなった。
「わかったわよ。絶対よ?」
「はいはい。・・・何かくるわ!」
素早く床に魔法陣を描き、アンをに触らせる。
「何よ?」
「騒がないで!
レダクルス」
魔法陣が光り、二人が透明になる。
「貴方魔術師なの?」
「・・・そんなところよ。
黙って隠れてなさい。
私じゃあんたを守れないわ」
コツ コツ コツ
コツ コツ コツ
ギィー
一匹のオークが入ってくる。
「ドゥーム」
オークが本を持ち、呪文を唱えると女達が次々と立ち上がり、檻を出ていった。
そのままオークは部屋を出て行った。
「何よ、あれ?リリーもユンも勝手に部屋を出て行ったわ?」
「恐らく、あれは魔法書ね。
《催眠》の魔法書だと思うわ。」
「魔法書って。しかもあれ、魔物だったわよね?
この前ヴァルキリアの人たちが討伐して行ったのに。」
シルフは頭を抱える。
「まさか・・・軍隊が殲滅せずに帰ったの?」
「いや、殲滅したと聞いているわ?」
しかし、ゲートが開いた時の魔力は感じない。
おそらく、何体か見逃していたのだろう。
そして、オークは人間を使って繁殖し、オーク達はどこかで魔法書を手に入れたのだろう。
そして、メイジの能力のあったあのオークがあれを使って女達を集めているということだ。
「・・・ということはハイオークが誕生している可能性があるわね。
面倒なことになったわ。
でも私は魔力をあまり感じなかった。
オークがいたならこんなものではないはず。
どういうことなのかしら?」
「ここの森は昔から魔力を隠すと聞いたことがあるわ。
だから、昔はダークエルフが住んでいたとか。」
「そうなの?
初めて知ったわ」
かつて、森の利権を争い、度々争ったものだったが・・・。
「お姉さんってエルフでしょ?
初めて見たわ!」
「・・・そうね。」
この話をするのが煩わしくなり、魔法を解いて立ち上がる。
「さぁ、いくわよ。
ここを抜け出すわ!」
檻の鍵を閉めずにオークメイジが出て行ったので、帰ってくる前に出ようと思ったのだ。
「わかったわ!」
二人はこっそりと檻を開けて、部屋から出ていくのであった。




