シルフ?
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そこはナーグル村
突然、村人が消えていく事態に悩まされていた。
「くそ!あいつらが・・・ヴァルキリア軍が魔物を完全に殲滅してくれていれば!」
「いうな!」
老人が叫ぶ。
「しょうがねぇだろ。どうにかしてこの危機を乗り越えなけりゃこの村は無くなっちまう」
若い男衆はそうだ!とその意見を支持する。
「こうなりゃこの村は独立するのが一番いいぜ!
もう、あいつらには頼らねぇ!」
「馬鹿者!」
再び老人叫ぶ。
「この国のように、ヴァルキリアから遠いところにはほとんど兵が残されておらんのだ。仕方なかろう。
それに、あいつらがいなければ、私たちは戦うこともできないのだ。」
ゲートの出現はランダム。
もし、有能なものが消されてしまえば未来はないという理由で王都に有能な兵士は集められてしまったのだ。
実際は王都の元国王や、首相を守るためなのだが・・・。
残った一般兵も含め、領主が直々に村の防衛に取り組まなければならない事態となった。
そして、ゲートや、その時の残りの魔物が村に来た場合、ヴァルキリア軍に応援を要請しなければならないのだが・・。
「だからってよぉ!あいつら税金だっていって畑のもん馬鹿みてぇに持って来やがったぞ!」
ヴァルキリア軍は軍の備蓄にするといい、前回近くのゲートに対処した際、畑のものや、食料庫のものを持っていってしまったのだ。
「俺たちはこれからどうすんだよ、あ?
もう俺らには森のものか、川のものをとって春まで生き延びるしかねぇんだぞ!」
「それなのに・・・」
彼らが怯えているのは森や、川に食料を探しにいった村人が戻ってこないのだ。
「オークを見たというやつもいる。
村人が消えるのはそのせいだろう。」
「ふざけんな!!」
若者のリーダー的な存在である一人が声を荒げる!
「村長!俺の嫁は森に行ったっきり戻ってこねぇ!
どうでもいいってのか!」
村長と呼ばれた壮年の男は首を振る。
「そうは言ってない。だが、現実的に我々でオーク達に勝つのは・・・」
「あ?うるせぇ!もうかなりの数が連れ去られてんだぞ?てめぇの娘と、嫁も連れ去られたんだろ!」
村長の胸ぐらを掴む男。
「会議はここまでだ。
食料は隣村に頼んでみよう。」
「は?無理に決まってんじゃねぇか!!」
大騒ぎになる中で、村長は逃げるように、家に帰るのだった。
「それにしてもなんなんだろうな?この気配は?」
森の中には微かな魔力が時々感知できた。
「そうですね。基本的に魔物が人間界に居座ることはありませんから大丈夫だとは思うのですが。」
「なんでだ?」
シルフに尋ねる。
「魔物は殲滅。基本的な勝利の条件です。
もし、仮に一体でも残してしまえば大変なことになりますよ?」
俺のインナーを破り、シルフが身体を拭くための布を準備する。(シルフが自分の下着を使うと言って、脱ごうとしたので全力で止めて、俺がインナーを破り、もう使うしかないからと、強引に押し切ったのだ。)
「殲滅できなかったら?」
シルフから布を受け取り、水魔法の魔法陣を描いてウォーターボールを弱い威力でぶつけて布を濡らす。
「そうですね。もし、一体でも、例えば第一魔界の場合、オークが人間界に止まったら、人間を使って生殖活動を行い、自分の群れを作ります。」
「人間を使って?」
「はい。オークやゴブリンは人間を使って生殖活動を行うことができますから。
そして、群れはどんどん大きくなり、やがて近隣の村々から人間を奪い、さらに群れを広げ、食物を食べあさり、生態系を破壊します。」
「うえ。まじか。」
「はい。うえーですよね。そして、彼らは共食いを始めます。」
「共食い?なんで?」
「彼らの王を決めるためです。
やがて、王となったものは進化し、オークからハイオークに進化します。
最悪の場合、レッドハイオークなどの亜種にも進化して、第二魔界の魔物達をも圧倒する力を手に入れます。」
「へぇ。」
「そうなると、倒すのも一苦労ですよ。
今の私なら生殖活動される側になってしまいますね」
シュルッ
「うわって、シルフ、脱ぐときは言ってよ!」
「ん?何故ですか?」
後ろを向きたい欲に耐えながら前の木を向き続ける。
「そりゃ、ダメなんだよ!
早く体拭いて!」
シルフに布を渡す。
「はい・・・?わかりまし・・・た?」
不思議そうに布を受け取るシルフ。
そして後ろからさすさすと布の擦れる音が聞こえる。
・・・・見たい。
「シルフさん。まだダメ?」
??
返事が聞こえない。
「シルフさんや?あれ?」
やっぱり返事をしない。
「シルフさんや。後ろ向いちゃうよ!」
1分間、じっくり木とにらめっこをしたのち。
「もう振り向くからな!」
「あれ?」
そこにはシルフの姿はなく、俺のインナーだけが残っていた。




