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現世【うつしよ】の鎮魂歌  作者: 奈良ひさぎ
Chapter7.Ketterasereiburg 編(覚醒)

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#50 冥府機密省・処理肆課

 こつ、こつ、と靴の音が響く。

 ここは病院の最上階、重職にある者のための病室がある階だ。普段ここを通る人は少なく、静かな病院の中でもさらに静か。

 途中のある病室を過ぎると、静かにそこの扉が開いた。振り向いて確認することはしなかったが、おおかた誰が来たのか、と顔を出しているのだろう。警察省の長官でレイナの友人であるという、クルーヴ・エミドラウンという女だ。


 だが今回の目的は彼女ではない。殺風景な廊下を進みきった突き当たりに、その病室はある。


 静かに敬いの気持ちを込め、4度ノックをするが、返事はない。それは分かっているので、構わずドアを開ける。




『......お前か』

「久しぶりね、父さん」

『なぜ一人なんだ。どうせまた情報を絞り取りに来たんだろう』

「人聞きが悪い。あくまで任意の事情聴取を行っているだけだわ」

『どこが任意だ。エレベーターを占領し、延命装置に縛りあげておいて。死にかけの年寄りには、もう少し気を配ってほしいものだ』


「あら?忘れたのかしら、父さんが警察省入省の時に省側に提出した書類で、”自分またはその周囲の死神、人間が著しく不利益を被らない限りにおいて、任意の事情聴取には応じる”ことにサインしたうえ、省を辞めた後にもその旨が有効となる、ということにも同意した......ということを、私たちはすでに把握してるのよ?」


『......全く、油断も隙もない』

「おかげさまで」



 およそ、父と娘の会話とは思えない。



『そもそもお前の陰謀で俺がレインシュタイン家を勘当された時から、到底信用のおけない奴だ、とは思っていたが』

「また陰謀とか言う。あれは私が事件をなるべく穏便に済ませる方向に向かわせた結果よ」

『向かわせたその最善の方向が実の父の勘当とは、この世にはとんだ皮肉もあるものだな』


「でも結果的にはレインシュタイン家が途絶えることはなかった。父さんだって家の存続とか、レインシュタイン、という名前が残り続けることを願っていたじゃない。私に家督が譲られていたから、まだ穏便に済んだのよ」


 あの日、よそよそしい格好をしてやってきた時には、やはりか、と思っていたのだ。


 陰謀を好み、自分に似ずわずかな抜け目さえもない娘が、いつか自分を陥れると。



* * *



 グロリア・フローリエ・レインシュタイン。


 ギミック・インフェルナス―――前名、ジェームズ・ギミック・レインシュタインの娘であり、今では冥府革命集団のリーダー、”閣下”として知られるフェルマーを長男に、冥界最大の頭脳と称され、母に同じく機密省に所属するレイナを長女に、期待の若手医者として重宝され、今は現世で医者をしているロルを次男に持つ。



 所属は冥府機密省・処理肆課。外部の者にとって謎でしかない機密省の中でこと追跡、尾行、素行調査、取り調べ、尋問に対し容赦がなく、最も性質(タチ)が悪いと揶揄される処理課。悪魔関連・反逆を取り扱う伍課に比べればまだ穏やかだが、死神禁忌を扱う肆課も四冥神命令程度であれば握り潰せる程度の権力を持つ。処理壱課と弐課が警察省への再編を快諾したのも、彼らが同じ処理課として仕事をするのに堪えかねたからだ、と噂する者までいるほどだ。



『......しれっと話をはぐらかすな。本当の目的は何だ』

「本当の目的.........」


 グロリアは首をかしげて見せた。どう見てもわざとらしいものだった。


「......父さんを助けに来た、というところかしら」

『ふざけるな』

「ふざける?いいえ、私はいつでも本気よ」

『お前の言葉はとても信じられん。笑顔であればあるほどだ』

「ならこれも、私の言葉だから信用ならないと、切り捨てられる?もしも父さんが死神信仰をさせた、その証拠が見つからない場合、適当な理由をつけて......」



て・ん・せ・い。



 グロリアの口は確かに、そう動いた。


『...............!!!???』


 ギミックの思考を文字に起こして表すディスプレイ上でも、動揺は十分に伝わった。


『転、生、......?あの転生で、間違い、ないんだな?』

「ええ、まあまず、父さんの思う転生措置で間違いないわ」

『それこそ.........死神禁忌、ではないのか』

「一般的な認識としては、そうね。......父さんは、”トッケン”......なんていうのを、知っているかしら」

『何だ、それは』

「機密省・特殊研究課。とても外部に漏らせないような、怪しい研究をやっている所よ」

『......それは今、ここで話していい内容なのか』

「何も対策しないで、そんなことを言うと思う?入ってくる時に、盗聴器の効果を打ち消す機械(バグ)くらい貼り付けているわ」

『......抜け目のない』



 転生。


 それは死神禁忌を犯したものの多くの末路であるという、自身のみにとどまらない苦痛。


 通常は死神に「前世」も「後世」もない。記憶はその人ただ1人のものであり、”本”を残すことによって、その記憶を死後に伝えることが出来る。


 だが「転生」は、その記憶をランダムに飛ばし、自分と入れ替わりに生まれてくるどこかの子どもにその記憶を植え付け、”前世の”記憶として残す。


 そもそも引き継がれるものとしてはあまりに悪影響が大きいから”本”にして保存するのであって、それを子どもの記憶に埋め込むと、その子どもの人格の破壊、性格の崩壊につながると言われている。実際、その影響だと言われる子は今までにもいくらかおり、いずれも自身の内側から自分が崩壊していくことに耐えられず、早くに亡くなることが多い。

ちなみにこの意味での「転生」は、冥界に迷い込んだ現世の人間を送り返すものとはまた別である。


 そのおぞましい計画の存在はペルセフォネの治世の初期には認知され、禁止されたが、いまだ決定的な証拠や実施者は分かっておらず、禁止した効果はまだ十分出ているとは言えなかった。





『機密省がやっていたのか......』

「機密省はみんながみんな、私やレイナのような、善の心で動いているひとばかりではない。そういうことよ」

『レイナはそれでいい。だがお前は違う。お前が善の心なら、例の集団も善になる』


 ギミックはそう吐き捨てた。もとい、心から強く思い、発した。


「あら、そんなことを言う?さすがの私もそこまでひどいことをやっているとは思わないんだけど」

『その転生の計画に加担しようとしているなら、お前も同類だ』

「じゃあ、そのまま転生に巻き込まれるのでいいのね?......ああ、そう、今大殿は大変よ?どうやらウラナから秘匿通信を受信したみたいで、ちらっと聞いた限りじゃ、”西の国”に捕まったみたい」


 ちなみにこの時、この内容はまだミュールには伝えられていない。


『.........レイナとウラナが?』

「あんなに秘匿信号が速く打てるのはレイナしかいないし、ヘッドホンはウラナの分しか向こうにはないから、そういうことよ」

『......それは、脅しか?レイナたちを助けられる策はあるからもし、自分に従わなければ、レイナたちがどうなってもいいのかという、脅しか?』


「なるほど、そうとったのね。違うわ、対策自体は簡単で、ウラナにガーネットを送るだけ。大殿はそうするだろうし、秘匿通信にも恐らくそのことが盛り込まれているわ。ふと思い出したから、話しただけよ。どうせあの時のレイナの顔からして、もう本当に、私に対する信用はなくなったみたいだし、父さんが十分かわいがってくれたから、もういいんじゃないのかな、って思うの」


『ふざけるな!!レイナの親は俺じゃない、お前だ!処理肆課行きになっておよそ良心というものを失ったお前でも、親の愛情を一身に受けられなかった子どもがどういう末路をたどるかぐらいは分かるはずだ!一旦親になったからにはその務めを放棄するな!!俺もこの死ぬ間際に、お前が愚かだったと、記憶に刻みたくないんだ!それを、分かってくれ!』


 声が出せないながらもギミックは怒りの形相でグロリアをにらみ、ディスプレイに表示していた。本当に叫んでいるとさえ思えた。

 しかしグロリアは不敵な笑みを浮かべ、


「そうね、そうかもしれないわ......」


と言い残し、またコツ、コツと靴音を響かせ、病室を後にしていった。



* * *



「......さて、これで父さんの態度は、どう変わるでしょうね......」


 病院を出て仕事場に戻る途中、そうグロリアは思っていたが、ふと自分に連絡が来ていることに気づいた。


「どうしたのかしら?私は今、休憩中なのだけれど」

「戻っては......なり、ません......!!」

「.........何があったの?」

「我々は、今......襲撃をっ.........!」


 レーザー砲の撃たれるような音がし、後輩の声が途絶えた。


 すぐにガチャ、と音がする。拾い上げる音だろうか。


「何だァ?仲間どもがいそいそ仕事やってるってのに、お前は宜しく休憩中かァ?いいご身分だァ」

「わざわざ機密省の、それも危ないってところに乗り込んでくるなんて、いい度胸ね?名前を教えていただこうかしら」

「冥府革命集団最高幹部・セントラピスラズリ」

「嘘は言わなくたっていいのよ?機密省を敵に回しちゃったんだから、身元くらいすぐバレるわ」

「ほォ」


 ブスリ。

 物を貫く音がして、物が倒れる音がした。


「さァて、どうやら信じてもらえねェみたいだからちょっくら3人ほど殺したが、いったいどうやったら信じてもらえるかねェ」

「.........!!」


 本気だ。相手は、セントラピスラズリは本気で、処理肆課を壊滅させようとしている。


「まァ別にィ?肆課だけ吹っ飛ぶように爆弾置いて、とっととズラかればよかったンだけどよ、数匹ネズミどもが参課の方角へ逃げようとしたもンで、仕方なくここで逃げねェよう見張ってンだよ。そしたら死に際の思考回路ってぶっ飛んでるよなァ!次から次へとその辺の棒持って殴りかかりに来やがる。全部ザクザクミンチになって終わりだってのに、滑稽で仕方ねェな、なァクソ女よォ!!」


「姐さんを......姐さんまでを侮辱するなああああっっ!!」


「やめて!!思い、とどまっ.........」


 またレーザー砲のような音がした。グロリアの引き止めの叫びも虚しく。


「......会話中に殺しにかかってきてもらっちゃァ困るよなァ。いい加減ドスドス突き刺すのも飽きたもンで、ちょっと趣向を変えて網作って、引っ掛けてミンチにしたんだがどうだァ?音の変化は楽しんでもらえたかァ?」

「......何が、目的?」

「あ?」

「そんなに人を次から次へと殺しに殺して......何の恨みがあって、そんなことを!!」


「目的ばっか求めてちゃァつまンねえぜ?あれか、復讐とか怨恨とか、大量殺人にお似合いな理由でも並べときゃ、それで満足かァ?」


「ふざけないで!処理肆課相手にそんなことしておいて、......ただで済むと、」


「やンのか?まァこっちとしては全く構わねェがなァ。どうせここにいンのは他人の生き様平気でぶっ壊しておいて、いざ自分の番になりゃ急にビビっちゃって、無様に命乞いとかしちまうゴミどもだけだ。その気になりゃ適当に木っ端微塵にしてやることもできるからなァ」


 ああそうだ、とセントラピスラズリは続けた。


「”トッケン”をなぜ襲わねェのか、気になるよなァ。気になって仕方ねェよなァ?安心しろ、憐れにもここで死んだこいつらの死砂を手土産に、そっちにもお邪魔するつもりでいるからなァ。”トッケン”が転生の当事者なら、そっちが目的なのは当然だろォ?ったく、まさかそいつらとグルってる処理肆課が、こんなに雑魚とクズの宝庫だとは思わなかったなァ。正直ガッカリだ。......さァ、そろそろ殺しすぎるとお前も嘆き悲しむだろォから、ここは後にしておくかァ」



「みんな............!!」


 実の父にあれだけ冷酷で飄々とした態度をしていたグロリアも、さすがに電波越しとは言え同僚たちが何十人も殺されるのを目の当たりにすれば、その激しい動揺は隠せない。


「......”からくり仕掛けの仮想空間”(ノスタルジック・メカニクス)!」


 クローバー一家が先祖代々能力を持たない(シナノは例外だが)一方で、レインシュタイン家は能力を持つ、あるいは持てる人が多い。レイナの母であるグロリアもその一人。よほど最新鋭の精密機械でない限り、その能力で機械を遠隔操作することができる。もちろんあまりにも大きい機械は扱えないなど、欠点はあるが、いざという時のためにある、機密省の防衛システムなら遠隔操作できる。


「時間稼ぎを......!」


 うまくいっていれば処理課全体に警報が鳴り響き、通路の非常扉が次々閉ざされているはずだ。すぐに突破されることなど分かっている。非常扉というがそんなに頻繁に非常事態が起こることは想定されていない。たぶん、


「どーしたァ?小賢しいマネしやがって。お前だってこンなちゃちィの、すぐぶっ壊しちまうことぐらい分かるだろォ?」


 やはりそうだった。


「<<Circuit>>」


 またレーザー砲の音だ。同僚を一発で何人も殺した、あの音だ。


「おおっとすまねェな。どうやらアラートシステムそのものも、ぶっ壊しちまったみてェだ。警報が鳴らなくなっちまった」

「嘘っ.........!」

「まあそっちの方が、安全だと思ったネズミどもはのこのこ居場所に戻って、やられるのを待ってくれて助かるがなァ」



「やめろ!」



 グロリアの通信機越しに、違う声が聞こえた。




* * *



「.........あ?」


 セントラピスラズリの目の前に突然、人影が現れた。


「”転生”の計画をやっている、許しがたいことだ、じゃあ殺す......そんな思考でいいはずがないだろ!」

「......ったく、うっせェぞクソガキ。ちまちまちまちま邪魔ばっかしやがって。さっさと退け。......まァ大人しくこんなところで最期を迎えたい、ってンなら話は別だがなァ」


 少し沈黙が訪れた。


「ほォ、引かねえのか。何だ死にてェのか?いいぜ、このラピスラズリに刃向かえばどンな死に様晒すか、......身をもって味わえ!!<<Eins>>」


 レーザー砲の音が響く。まっすぐに標的に向かい刀の軌道が飛ぶ。


「”............”!!」


 そのツインテール、紫の髪をした少女が口を開け、何かを叫んだ。そして右足をまっすぐに上げ、飛んでくる軌道に照準を合わせた。


『React』


 その文字が刻まれた魔方陣が足と軌道の接するところに現れ、途端、碧く輝くその軌道にひびが入り、砕け散った。


「.........!?」


 さすがに反撃されることは予想外だった。

「<<Zwei>>!!」

 今度は2次関数、放物線状に軌道が飛ぶ。

「くっ......!」

 少女はセントラピスラズリの方を睨みつけ、地面を踏み鳴らした。


『React』


 あっと言う間に地面に亀裂が広がり、今いる階層が崩れようとする。


「おいおい......それはさすがにマズいンじゃねェの?」


 崩れる建物の中で戦うほど不利なことはない。そう判断し、外に飛び出る。


「あーあー。あれじゃもう”トッケン”は潰しには行けねェなァ。しかもあのガキ......直線受け止めておいて曲線は避けやがった......”歪みに支配されし道”(オルタナティブ・ストレート)かァ.........?」


 それなら若干厄介だ。いくら自在に関数の形をした軌道を飛ばせるとはいえ、無限ではない。


「まァ、十分牽制にはなったか」


 セントラピスラズリは、機密省の一階層が潰れたその混乱に乗じて、姿をくらませていった。



* * *



「みんな!!」


 グロリアが機密省に近づいた頃には、機密省の建物は土煙を上げ、少しずつ野次が集まりつつあるところだった。その間をかき分け、処理肆課の階へ向かった。

ーーーそれは、凄惨そのものだった。

 パソコンや書類、デスクとあらゆるものが砂を被っていた。もちろん天井が崩れて落ちてきたものなどではない。セントラピスラズリの圧倒的な力の前に屈していった同僚の砂、死神が死んだ時に死体代わりに残す、死砂である。


「そん、な、.........!」


 グロリアに、気持ち悪い、という感情は起こらなかった。代わりに頭と心を占めたのは、ただただ、悲しみ。いつもいる場所に、いつもいるはずの仲間の姿が見当たらないことを、なぜか分かっているはずなのに、不思議に思う気持ち。

 もちろんまだ、砂になっていない人もいた。だがもう遅い、病院に運んでやっても、救えないのは明らかだった。


「これは.........!」


 グロリアの後ろに、男が立っていた。


「【ツララ】......ですか」

「その通りだ。状況の説明を求める」


 機密省特殊研究課は特に機密度が高い。自分の本名は基本的に伏せ、同僚でさえそれが分からないようにし、コードネームで呼ばせる。その特殊研究課の一人が、やってきていたのだ。


「......なるほど。冥府革命集団の最高幹部に......」

「なぜ処理肆課が、こんな目に......」

「それは明らかだ。機密省の処理課と言えば、他人から恨みを買うようなことをしていると、分かっているところだからな」

「......セントラピスラズリは、”転生”を扱う処理肆課と、特殊研究課を潰す、と......」

「はっ、一人でかい?馬鹿にしないでもらいたいね。いくら処理肆課をここまで壊滅に追い込んだ奴でも、強力な能力持ち揃いのウチには敵うはずがなかろう。もしそいつに会ったら言っておいてくれ。やめておけ、ケガするぞ、とな。さて、と」


 【ツララ】は不意にしゃがみ、砂をかき集め始めた。


「な、......何するんですか!」

「ん?何するんですかって、そりゃ、供養してやるんだろう?だけどこんなに散らばってちゃ、どれが誰のかなんて分かりゃしない。じゃあもうまとめて、供養すればいいだろう。君は、そのつもりじゃなかったのか?」

「私は......!」


 今まで、一緒に苦労を共にした仲間なのだ。死神禁忌を犯した者の身辺調査や拘束は、そう簡単なことではない。......肆課のメンツの身内を除いて。


「あなたは私たちがどれだけ苦労を、してきたか......」


「そんなこと分かってどうすると言うんだ?そもそも我々の”転生”の研究を支援し、協力すると申し出てきたのは処理肆課の方だ。その最高幹部とやらに”転生”に関わっていると疑われ、ここまで壊滅状態に追い込まれたのも、処理肆課の負い目だろう」


「.........。」


 これだ。


 特殊研究課の連中は、名前が公になっていないことをいいことに、身勝手な言動やふるまいも許されると思い込んでいる者が多い。今のグロリアには、【ツララ】がその一人であると、そう強く感じた。


「とにかく、だ。この状態では処理肆課も動くに動けないはずだ。これから先どうやっていくのか、まずそれを考えた方がよさそうだぞ」


 【ツララ】は近くに散っていた砂を瓶に集め終えると、それをグロリアの隣に置いて、去っていった。

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