1 ~捕縛拘糸~
初めての小説です。自己満足な内容や曖昧な設定になってしまってますが、ご了承いただきたいです。
すいません。
どことなく、普通ではない雰囲気が漂う町の外れ。
そこの武器庫が、ある反政府組織に制圧されてしまったらしい。
その馬鹿どもを倒すのが今回の依頼だ。
なかなかに手強い奴が多いらしいので、早めに中に入って先手を取った方が楽に終わるだろう。
「さぁ~て、今回は報酬がいいからなぁ。頑張っぞ~!」
まずは、武器庫の窓からばれない程度に中を覗いて入るタイミングを見定めるか。
武器庫の屋根に鉤付きのロープを引っかけのぼる。もちろん、物音をなるべく立てないようにして。
窓のあるところで止まり中を覗く。
「うっわっ…。なかなかな数の武器があるな……。人の数は、…10、11…って、少ねぇなおい…」
少ない人数で制圧できたってことは、よっぽどこいつらが強かったか、警備がよっぽど甘かったな…。手強いことは聞いていたので前者なんだろう。
さて、中に入るか…。…………ッ!?
「無用心すぎんだろ…」
見事に窓の鍵はかかっていなかった。真面目に馬鹿どもの集まりなんじゃねぇか?
まぁ、こっちにとってはとても都合がいいのでそのまま利用させてもらう。
人が近づいて来ていないことを確認し、地面におりる。
初めから人を倒しにいくのもいいが、まずはこの武器庫の中に仕掛けておく。
人目を忍び武器庫中を移動する。
準備はできた。本題に移るか。銃に弾はしっかりいれてある。ナイフも腰に下げてある。……よし。
近くにあった箱を蹴り飛ばし音を大きく響かせた。
「なんだッ!?そこにいるのは誰だッ!!」
その音に驚いた馬鹿どもがこちらに向かってきた。
「さぁ、制裁の開始だ!!」
銃口を向け、駆ける。馬鹿の一人が撃ってきたが、加速し、避ける。避けたついでに二人ほどに銃弾を撃ち込む。
「ぐぁッ!!」
「ッ………!?」
よし。命中した。そのまま勢いを利用して、壁を駆ける。
「なんなんだこいつ!!」
「とりあえず、撃て!撃てッ!!」
適当に撃たれた銃弾の雨を壁を蹴り上げ、体をひねり全て躱す。躱したさいに、反撃しているのは言うまでもないだろう。
「ガハッ…!!」
「ぐっ!」
「痛ッ…!!」
あと、6人か…。強いと思っていたが、そうでもなかったな。
「お前ら、もっと武器をもってこい。蜂の巣にしてやれ」
「分かりました!」
「ボスッ!!早くやってくださいよ!」
ウワォ、露骨なモブキャラ台詞。部下らしき奴が呼んだのは、体格の良い顔に傷がある男だった。
「てめぇ、一体どこの『団』の奴だ?」
「教える必要があるとでも?」
「はんっ。いつまでそんな風に減らず口を叩けるかな?」
一瞬で正面に立たれた。正直に言って、油断していたので驚いた。
「チッ……」
とりあえず銃を撃ち、間合いを取った。が、間合いを取った後ろに男の部下が銃を構えて立っていた。
「くっ……」
撃たれる前に、こっちから撃ち倒す。部下に気を取られているうちに、男がナイフを突き出しながら迫っていた。
怯ませるためにトリガーを引いた。が、
「なぁッ!?」 ガチッガチッ
いくらトリガーを引いても銃弾が撃ち出されない。
「おいおい。弾切れかぁ?」
男が笑いながらさらに迫ってくる。仕方なく銃を放り投げ、ナイフを腰の シースから取り出す。
金属同士が打ち付け合わされ、火花が散り、嫌な金属音が鳴った。
「随分焦ってんじゃねぇかよ。減らず口はどこいったんだ?」
「さぁな…」
単純な力勝負では勝てない、そう思った時だった。一瞬、自分の力が抜けてしまった。
そのことを見逃さなかった男は、俺のナイフを弾いた。ナイフが空を舞う。
「今だ!撃てッ!!」
「ちくしょ……」
すべて言い終わる前に、一斉に銃音が鳴った。
「やったか?」
男と部下は、俺が死んだか確かめるため目を凝らした。
「…捕縛拘糸 『静流』」
という俺の声と目の前の光景に、その場にいた奴らは目を見張った。
俺を穴だらけにするはずだった銃弾が、すべて空中で止まっていた。
「あ、あっぶねぇ……。事前にある程度拘糸張っておいて正解だったわ。この戦闘中に張ってた拘糸じゃ足りなかったな…」
「拘糸使い!?使い手は何年か前に途絶えたはず!」
「実際に使っている奴が目の前にいんだから途絶えてねぇってことだろ?」
「チッ!銃が使えねぇならナイフを使うまでだ!…って、アぁ!?」
動き出そうとした馬鹿どもは、そのまま固まっていた。
「銃弾止める時に、お前らのことも捕縛しといたんだよ」
よーく、目を凝らせば俺の周りに極細の糸が見えるはずだ。
「この野郎…。……だが、これは捕縛拘糸だろ?止まらせることしかできないはずだ。なら、意味がないんじゃねぇのか?」
「何故そう思う?」
「術者が動いたら拘糸は解けるらしいからな。攻撃して殺すか気絶させるかしないとダメだろう?」
そう言って俺を動揺させようとしているのだろうか?
「安心しろ。俺のこれはオリジナルだからな。お望み通り攻撃してやるよ!」
両方の手で拘糸を操っていく。その言葉を聞いた馬鹿どもは顔を青くさせた。
「ま、待て!冗談だ!」
自分から言ったくせになんと情けないんだろうか。真面目に馬鹿か、と突っ込みたくなる。
「知るかッ!!」
俺は依頼を終わらせるために、両手を広げた。
「捕縛攻糸 『千刀』!!」
刀を模した千の糸の束が、男たちに降り注いだ。
どうだったでしょうか。これから少しずつ連載させていきたいと思っています。
改善点など、意見をいただければ幸いです。