タナトスの罰
君たちは愚かだねぇ。
なぜかって?
なら教えてあげるよ。
君たちは彼の心を知ろうとはしなかったのさ。
彼の非を詰り、狭窄な視点で、愚かしい判断をしてしまったのさ。
そう――事実では、してはいないことを、したと決めつけたのさ。
それは傲慢と同一だよ?
君たちは理解していないようだけどね。
だけども、君たちの傲慢によって傷ついた彼の心は、グラスをハンマーで砕かれてしまっているのと同じになってしまったんだよ。
自分たちに非は無いって?
君たちは気づいていないのかな。
それこそが――有害な傲慢であることを。
誰も罪からは逃れられないのさ。
罪から逃れるなんて、愚かしいほど甘過ぎる白昼夢だよねぇ……。
ボクは誰かって?
なら、君たちに教えてあげるよ。
ボクの名はタナトス。
君たちのような、有害な傲慢者にとっての死神さ。
誰もボクからは逃れられないんだよ。
生命が始まってしまえば、必ず生じるのは、死という終わりなんだからねぇ……。
さぁ……抗っても無駄だと言うことが理解できたかな?
じゃあ、行こうか。
君たちが罰を受ける場所へね。
それじゃあね。バイバイ。
end
何事も度が過ぎてしまえば、害にしかもたらさないものです。
そんな経験から生まれました。