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タナトスの語り

 君は気付こうとしないねぇ

自分が正しいと思い込んでいる

君は確かに正しいのかもしれない

でもねぇ、度の過ぎた正しさってさ、愚かなことだってこと知ってるかい?


君の言った言葉が

相手にどう思われてるか

考えたことあるかい?


君は考えたことはないよね

行動から分かるよ


今の君の状況はね

咲きかけの黒い蕾なんだよ


きっかけがあれば

すぐにでも満開に咲くような

どす黒い花さ


この花はさ、変わっているんだ

植物の成長状態で名称が違うのさ

種の名前は煩い

芽の名前は不快

葉の名前は憎しみ

茎の名前は敵意

蕾の名前は憎悪


最後に、花の名前は殺意


これで分かっただろう?

君は彼から憎悪を受けていたのさ


でもね、彼は蕾の状態を保とうとしたのさ

一度、咲かせてしまえば

抑えることは不可能だと

本能で知っているからね


だけどね、彼の抑制も限界が来たんだ

とても危ういところだったのさ


なに?君には関係ないって?

彼が勝手に君を憎んでいるだけだって?


笑わせないでおくれよ


だって君が種を蒔いたんだよ?

そのツケが返ってきたに等しいんだけどね


始めはからかいのつもりだったのかもしれない

でもね、やり方が間違っていたのさ


自分の過ちに気付こうとしない君は

無自覚的に彼の精神を追い詰めたのさ


彼の精神を苦痛に苛ませたのさ

死んだ方がマシだとおもうほどに


ああ、そこは安心していいよ

僕が間一髪で助けたからね

彼は今、生きてるよ

眠り続けているけど

生命に別状は無いね

僕が保証するよ


さて、話を戻すけれど

彼を死ぬほどまでに追い詰めた君には

地獄に行ってもらうとするよ

深いところで、未来永劫に罰を受けてくるといいよ


嫌かい?でもね、もうすでに決まっていることなのさ

逃げられないよ

だってもう、君の肉体は火葬しちゃったからね


今頃は、灰になっているんじゃないかな


あはは、僕が誰かって?


僕はね死神なのさ

君のような愚かな人間に

死をもたらす神様さ


さぁ、おしゃべりはお終いだ

迎えもついたことだし、地獄へ行ってらっしゃい


それじゃあ、また地獄で会おうね

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