表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の夫は鼻先零ミリ  作者: 鴉野 兄貴
彼の瞳の先には
2/48

最悪の敵?

連続投稿 二回目

 世の中には迷惑なヒトというのはいくらでもいる。

そういう人とはニコニコ笑いながら折り合いをつけて生きていくしかない。

私はそう思っていたし、これからもそうだろう。


 もっとも『笑うことすら出来ない』身体になるとは夢にも思わなかったが。

もちろん、私とて子持ちである程度歳の行ったオバサンだ。

親しい人が亡くなったり、不随になったりする光景は何度も見たし、小娘のように恋に恋することもない。筈だ。ないんだって。


「夢子。メシにするけど」うるさい。話しかけないでよ。

「おお。怖い怖い」彼はそう呟くと勝手に何処からか薪を取り出し、野営の準備を始めた。


四十近くになって夫の鼻先零ミリで密着する日々をすごすなんて夢にも思わなかった。

先ほども述べたとおり、私の身体は小さな眼鏡。

ついでに補足するとオレンジ色のサングラスになっている。


 はぁ。

といいたいけどため息だって出ないのよね。この身体。いい加減慣れたけど。

「ねぇ。大空」「ん? 夢子」「夜なんだからサングラスは外しなさいよ」「ん~? 愛する夢子と一秒だって離れたくないね」……。


 これだ。この莫迦男。

くそ。こんなことならブラック企業に就職届けださせて『旦那元気で留守が良い』を貫くべきだった。

そうしておけば今の状況にはならなかったはずだ。少なくとも私は眼鏡にはなっていない。


 とはいえ。

「ああっ?! 大空と離れて暮らすなんて耐えられないッ 」「人の心を読むなッ?! 」

……一番の厄介者は。夫だと思う。


 夢あふれる大空の元、

私たちは魔王の首を求めて歩く。


 私は旧姓。白川夢子。

勇者の瞳を守り、力を与える『真実の眼鏡』とは私のことである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ