サトコ少女
有る夏の暑い日、生物観察が大好きなサトコ少女は
生き物の中で特に好きなクワガタを求めて今日も森へ昆虫採集に来ていた。
(サトコ)
『あっ!アレは……』
ブナの木の上の方に見えるクワガタムシを捕まえる為に木に登った所で
木から落ちてそのまま気を失ってしまいました……
目を覚ますと、さとこはさっきまでいた森とは違う
見知らぬ地に立っていました。
(サトコ)
『此処は?……』
何処だか分からない場所に困惑していると、
何者かに頭から地面に叩き付けられ、地面に這いつくばるサトコ。
(???)
『貴方!死にたいの?』
見知らぬ女の子に、いきなり地面に押さえ付けられながら困惑していると
上空を飛ぶ、巨大な羽の生えたドラゴンのような生物の影が
サトコを飲み込むように通り過ぎる。
(???)
『どうにかやり過ごせたようね……』
『それにしても貴方!こんな危険な場所で……』
女の子にずっと顔を地面に押さえ付けられて、サトコは気を失い
見知らぬ天井を眺めながら再び目を覚ます。
(???)
『目が覚めた?』
『私はルカ君の名前は?』
先程の赤髪で褐色肌の女の子に声を掛けられ、
サトコは自分の名前と現在に至るまでを話す。
(ルカ)
『サトコ?って言うの……日本がどう言う国かは分からないけど』
『それにしたってドラゴンが飛ぶような』
『あんな場所でフラフラしてるなんて君死にたいの?』
そう言えばルカに押さえ付けられて動揺していたが
改めて上空をドラゴンが飛び回っていた事を思い出して慌てふためくと
ルカに笑われてしまった。
(ルカ)
『変な子』
『見た所十歳くらいか』
『なら、十分に大人だね』
確かにサトコは普段から自分はもう大人だと両親や先生達に言っていたが
見るからに十代後半の少し年上のお姉さんに真面目に言われて少し疑問に思う。
不思議に思ってルカに尋ねて見ると、この国では九才までが子供で
十歳になれば成人して多くの者達は冒険者として
ギルドの仕事に就く物だと言う。
(ルカ)
『もっとも最初の内は薬草摘みや大人しい草食動物を狩って』
『その日暮らしの生計を建てるので精一杯だけどね』
『服装もかなり変わってるけど』
『もしかしてかなり遠くの国から来て親とはぐれたとか?』
ルカ曰くそれならドラゴンに気付かなかったり、
成人年齢に付いて無知だった事にも説明が付くと言われたが、
さっきまで日本の森の中でクワガタ探しをしていて、
国外へ出た記憶は無い上にルカに聞いても日本と言う国を聞いた事も無く、
何より外国にしては言葉が通じて居る。
(ルカ)
『試しにステータスオープンって言ってみて?』
『そうすれば自分のステータス画面が映し出される筈だから』
ルカに言われるがまま、やってみると本当に自分の数値を表した
ステータス画面が現れ驚いた。
名前や年齢に住所の他に
攻撃力/防御力/魔法/特殊/回避率それぞれに数値が振られていて、
他に身長と体重がアルファベットや型で書かれている。
(ルカ)
『ステータスの数値は並みだね』
『特性は観測者か』
特性は個人毎に持つ特殊な能力の事で観測者の場合は
動植物等を観察して記録する力が人より優れていると言う。
(ルカ)
『ギルドの仕事にも』
『モンスターの生態をレポートに纏めて提出する仕事が有るから』
『明日私と一緒に冒険者登録をしにギルドへ行かない?』




