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ふたりの恋  作者: ゆり
24/26

〔閑話〕ゆめの続き

ep.23のちょっとした続きです。最初にちょっと大人なことをしているので、苦手な方はご注意ください。

「聡子……」


 軽くキスすると、くすぐったそうに身をよじった。そのまま組み敷いて、唇を重ねた。俺たちの動きに合わせて、シーツがさらさらと形を変えた。


「……ん……」


 ゆったり舌をからめ、キスに没頭していく。聡子から甘い吐息が漏れた。


「聡子……」


「なんです……?」


「今回は、ほんとありがとな。お礼にどこか旅行でもって思ってるけど」


「……いいです、そんなの。元気になってくれただけで十分です……ん……」


 優しくキスする。


「でもさ……世話になったしやっぱ……ん……何かお礼したいじゃん……」


 聡子の唇を味わいながら会話を続ける。やっぱり自分の部屋は落ち着く。


 そして白状すると、旅行もいいけど、こうして俺の部屋で一日中ずっと聡子といちゃいちゃしていたかった。


 首筋に甘えるようにちゅっちゅっとする。叩かれないところをみると、先に進んでOKみたいだ。



 やった!



 そう思うと一気に想いが溢れてきて(そして禁欲の反動が襲ってきて)、聡子の洋服をぐいぐいと脱がした。あらわになったマシュマロのような胸にしゃぶりつく。


「……あのっ……ちょっと焦りすぎでは……んっ……」


 聡子の乳首をちゅぱちゅぱ音をたてて吸うと、快楽が走ったのか、切なげに目を閉じた。

ゆったり前戯にふける余裕もなく、聡子の秘部に手を入れる。


「……お前も濡れてんじゃん……。ははっ、1ヶ月ぶりだもんな……」


「言わないでください……」


 真っ赤になった聡子を見ると、少し冷静さを取り戻せた。濡れた指で、クリトリスを撫で上げると甘い声が聞こえた。恥ずかしそうに目を閉じ、耐えられないとばかりに下唇を噛んでいた。


 指を入れると吸いついてくるようで、そのままゆっくり動かす。


「あっ……ダメ……」


「ん?何で?」


 そのまままたクリトリスを触ってやれば聡子から甘い吐息が漏れた。


「お前、クリ派だもんな」


「……何言ってるんですかってちょっと何してるんですか」


 ごそごそと下に移動していると、聡子から待ったがかかる。


「え?舐めたくて。いつもやってんじゃん」


「き、きずは!?大丈夫なんですか??もし何かあったら病院行くの恥ずかし過ぎますよ!!」


「あはは〜確かに〜」


 聡子の敏感なところをれろっと舐め上げる。びくっとして、少し黙ってくれた。

秘部はとろとろに潤っている。クリトリスを丁寧に舐めていると聡子がやがてびくびくしてきた。


「あっ……やっ……だめっ……」


 俺の手をきゅっと握ってきて


「あぁ!」


 一際大きくビクッとして、やがて落ち着いた。はぁはぁと息は荒く、そして涙目になっている。


「怪我人に……こんなことしてもらうなんて……すみません……」


 聡子が羞恥のせいか真っ赤になりながら言った。

 とても、愛しい。


「……いーんだよ。お前がいいこと、全部してやりてぇよ」


 再び秘部へ顔を埋めようとしたら、全力でストップがかかった。


「ままま待ってください……!!もう十分……その……よかったですので……」


「そう?そうは思えねぇけど……」


 指で軽く触れると聡子がびくっとした。


「……大丈夫ですから……あの……何もしなくても……触れ合ったりするだけで私は満足ですので……」


「…………!」


 俺が驚いた顔をすると、聡子がしまった、というような表情をした。


「ふーん?それってさ、恋人同士みたいじゃね?」


「……あ、いえ……私は一般論を言ったまでで……」


「だよな、俺たちにはあてはまらねぇな。ってわけで続きするぞ」


「ストップストップ!!」


 聡子が必死で止める。


「……傷にさわりますから……。こっちに来てください」


 聡子がそう言いながら両手を広げたので、俺はつい条件反射的に飛び込んでしまった。

犬のように聡子にとらえられ、口と手をウェットティッシュでふかれた。表情は真剣そのものだ。

そのままぽふっと押し倒した。


「…………………………」


 無言で抱きしめ合う。時折思い出したようにキスした。いつものような淡々とした雰囲気はなく、本当に、恋人同士と錯覚してしまいそうだった。これはきっと、聡子の気まぐれ。


「傷、痛くないですか?」


 聡子が心配そうに言った。


「大丈夫だよ。てかガキじゃねーんだから、加減くらいするって」


「……それをしなさそうなのがあなたというかなんというか」


「このやろう」


 聡子の柔らかな胸の辺りをちゅうううと吸って、跡をつけた。ずっと、消えなければいい。


「あっ、こら」


 調子に乗って、もう一つつけた。雪の上に血がポタポタと落ちたようだった。


「俺にもつけて」


「はい?」


「ちゅううううって吸えばいいから。ね、お願い」


「…………………………」


 それは、唐突な思いつきだった。俺の体に、彼女の証を刻んでほしいという突発的な衝動に駆られた。ごろんと横になれば、聡子が「もう……」と言いながら、そっと俺の胸に唇をはわした。


「……ついた?」


「ん?あれ?思ったよりもつかないです……」


「ははっ、もうちょっと強く吸わないと」


「こうですか?……あぁ、さっきよりは濃くなりました。もう一回……」


 生来の真面目さが顔を出し、俺の体にちゅっちゅっと練習していく聡子。その様子がとてもおかしくて、つい笑ってしまう。


「あなた色白だからあとが目立ちますね」


「男みたいなこと言うなって」


 あっはっは、と笑うと傷が少し傷んだ。






 ひとしきり『練習』が終わると、また抱きしめ合って、ごろごろした。


「聡子」


「なんです?」


「なんでもねぇ。呼んだだけ」


「はぁ……」


「あ、腹減ったろ。なんか頼もーぜ。何がいい?」


 スマホをとりに行こうと、よっこいせとゆっくり起き上がる。ベッドの淵に腰掛けたところで、聡子がそっと背中に寄ってきた。

 ちゅうううう、とし、


「言い忘れていました。退院、おめでとうございます」


と言った。


「…………………………!…………………………!!」


 あ、背中にもつくんですね、と呑気に言う聡子をぎゅっと抱きしめる。


「?」


「……お前、このやろ……」


「??」


「このやろう…………」


 不意打ちに、緩んだ口元が戻らない。

 

 柔らかな陽差しが部屋中に差し込んでいる。腕の中には愛しい人。


 時よ、どうかこのまま止まってください。



「どうしたんですか??」


「ーーーーなんでもねぇ」


「????」



 これが、恋というものだろうか。はじめての感情に、俺は少々驚いていた。






ーーーーそして翌日、病院での消毒で上着を脱いだ際、聡子がつけた跡がまだ残っており。

「若いっていいわね~」とからかわれたことは黙っておこうと思う。

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