07 図書館探検①
図書館に向かう道では何も事件が起きなかった。小説の主人公でもあるまいし、何かある方がおかしいけどな。
図書館の司書さんは、80代ぐらいのおじいちゃんだった。
「ふぉふぉふぉ、図書館をご利用かの?利用する際にはカードが必要です。カードの発行には100ゴルドが必要です。」
なんかいきなり話し方が変わったよ。
「あの、なんで話し方が変わったんですか?」
「この話し方が素なんじゃよ。ただ、仕事となると話し方が自然と変わるんじゃ。"すいっち"とやらが入るんじゃろうな。」
「とりあえずカードの発行をお願いします。」
「100ゴルド丁度ですね。はい、発行できました。なくさないように気を付けてくださいね。あ、欲しい本があった場合は隣にある本屋で購入してください。」
「ちなみにほかの街の図書館でもこのカードを使えますか?」
「はい、もちろんです。」
2人ともカードの発行ができたので中に入る。
THE・図書館のような本がびしっと並んだ棚が2階まで見えている。本棚に近づいてみるとゲームらしいUIが出てきた。
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魔法大全・初級編
フィアストの歴史
エターナル秘話
エターナル王国の地図
職業とスキルの関係について
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まずはフィアストの歴史から見ていこう。
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フィアストは昔、何もない荒野でした。周りには火山やジャングル、草原が広がっていましたがそこだけ不思議なぐらい何もありませんでした。そこにサーマル帝国から追い出された貴族の青年がやってきました。その頃、この場所はどこの国にも属していない空白区域でした。そこから北に行ったところには大きな渓谷がありました。この渓谷が気になり、中へ入っていったその青年はそこである魔物に出会いました。ドラゴンです。そのドラゴンは白龍でその青年を気に入りました。このドラゴンは3000年ぶりに人に出会えてとても嬉しかったのです。この青年はドラゴンと聖約を結び、エターナル王国の初代国王となりこのフィアストに王城を建てました。王都ではありませんがこのフィアストはエターナル王国にとってとても大切な地なのです。
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なんかこのドラゴン、後々大切になる気がするな。