30 フィアストに帰還!
エタってなんかいないったらいない!
とりあえず、あいつとは合流できた。ただ、リャンドゥはまだ俺たちしか異界の旅人がいない。だから
「あんちゃん、異界の旅人なのかい?」
「あれが異界の旅人か。」
「この街に異界の旅人が来たらしいよ。」
そう。街のほとんどの人が俺たちの一挙手一投足に注目している。正直めっちゃ恥ずかしい。
なので、早く帰りたい!でも、どうやって帰るんだろう?
「教えて神社せんせ~い!どうやったら帰れるんですか!」
「なんだよそれ。神社先生って語呂悪すぎだし誰かも全然わからんじゃん。」
「じゃあ清水先生?」
「それはリアルネームバレにつながるからやめろ。」
「まぁそれはいいとしてどうすればいいんですか?めっちゃ恥ずかしいんだけど。」
「その気持ちがあるんだったらその呼び方をやめなさい。」
「は~い、せんせ~い!」
「だから...もういいや。とにかく街の真ん中にある噴水広場で自分のクランハウスか自分の行ったことのある街の噴水広場にワープできるよ。」
「よし、行こう!」
あ、その前にアレ食べよう。
「おじさーん、それください!」
「おう、これか?」
「それですそれ!それなんですか?」
「これは肉カベジ炒めだ。1皿500ゴルドだが食べるか?」
「はい!」
「お前行くんじゃないのかよ。」
「いやだっておいしそうだったから。」
「ところでおっちゃん、それ1皿500ゴルドは少し高すぎないか?」
「それは俺も分かってるんだがな。カベジがフィアストから運び込まれてなくてだいぶ高くなっちまっててな。どうやらメガスライムとやらに街道が塞がれて通れなくなってるらしいんだ。」
「あ、そのスライム俺たちが倒したんでもうそろそろ普通に戻りますよ。ところで、なんで冒険者とかに協力を要請しなかったんですか?俺たちよりも強いからさくっと倒せるはずなのに。」
「今は王都の方でも何か異常事態が起きてるらしくてな。そっちの方にほとんどの冒険者が流れちまってるんだ。残りの冒険者たちもあのスライムの溶解液とやらを嫌ってな。武器は冒険者の命だからな。」
「ありがとうございました!おいしかったです!」
「おう、ありがとよ。」
「いやいや、こちらこそ!」
美味しかったな。ゲームとは思えないほどのリアルさだ。
「これを見るに俺たちが動かないと村とか街が知らないところでなくなってる可能性ないか?」
「このゲームなら普通にありそう。何ならもう潰れててもおかしくないんだよな。」
「とりあえず、フィアストに戻るか。」
「そうだな。」
噴水広場からワープ!
「ありがとう、リャンドゥ!一生忘れないよ!」
「いや、一生の別れみたいに言わなくてもすぐ戻ってくるだろ。」