24 エリアボス・上
突如として始まったエリアボス戦。とりあえず情報通のあいつに聞いてみることにした。
「ここのエリアボスってどんな感じなの?」
「今まで遭遇した例も少ないし、1割も削れずにやられたっていう報告しかないね。」
「ちなみに名前と特徴は?」
「名前はメガスライムでLvが10。物理耐性と溶解、分裂を持ってるらしい。もっとも分裂を見たことがある人はいないけどね。」
「じゃあここで倒せたら?」
「初討伐ってことになるんじゃないかな?」
「よし、初討伐報酬がめっちゃ気になるから倒すぞ!」
「理由はそこなのね。ていうか倒さないと死ぬよ。」
「これ絶対倒す必要があるじゃん。」
メガスライムが何か液体を打ち出してきた。
「あっぶな!」
「それが溶解液でそれに触れると武器とかが溶けるよ。」
「早くいってくれ!」
とりあえずメガスライムを斬ってみた。クリティカルヒットになったがHPバーは減ったか減ってないか分からないぐらいしか減ってない。
「クリティカルでもこのぐらいか。」
「いやいや、クリティカルなんで出せるの!」
「え?クリティカルは〔LUC〕参照でしょ。」
「まじか。じゃあなんで俺もクリティカルが出やすいんだ?」
「〔DEX〕も関係あるんじゃない?」
「器用でも運が良くてもクリティカルが出るってことか。」
ちなみに俺たちは溶解液が飛び交う中でこんな会話をしている。
「ところであのスライムの弱点はどこなんよ?」
「見るからに怪しいあのビー玉みたいな核じゃないの?」
「じゃ、お前の出番だな。いい感じで打ち抜いてくれよ。」
「いわれなくても!」
俺もスラッシュでがんばって核に向かって攻撃をしているが全然届かない。厚すぎだろこのスライムの肉!いやゼリーか?
あ、そうだ。ロールダイスを使おうじゃないか。えーと適当に5個選んでと。
「ロールダイス!」
出目はえー1、1、1、1、1か。え!?まさかのゾロ目だった。
《〔STR〕+20 1分間》
よし、今の状況にぴったりだ。あ、ちょっと当たってる気がする。
「スラッシュ!」
何よりもスラッシュが飛距離が伸びたことによって核に攻撃が当たるようになった。
「結構順調だね。」
実際俺たちが与えたダメージでメガスライムのHPはもう少しで半分を切りそうだった。
「でもこういうのって大体半分切ると攻撃パターンが変わるじゃん。」
メガスライムの攻撃は基本的に溶解液を飛ばす攻撃と体当たり、ジャンプして落ちてくる攻撃しかなかった。
「お、半分切った!」
ものすごい光に包まれたメガスライムは光がなくなったときには2体になっていた。
「これが分裂か!」