19 幽霊(?)退治・中
よし、敵前逃ぼ...じゃなくて戦略的撤退だ!
ゲームのギミックを解くために1番大切なのは観察と聞き込みだ。観察の方が簡単にできるから先にやっちゃおう。ただ、暗かったから何かしら照明道具を持ってかないと。
というわけで屋敷から1番近い道具屋にやってきた。ここで聞き込みも一緒にするつもりだ。
「いらっしゃいませ~!何かお探しですか?」
「はい、手に持てる照明器具が欲しくて。」
「ではこちらの4品になりますね~。」
提案してきたのは安い方から順に松明、蛍の光、ランタン、光属性の魔石がはまった懐中電灯のようなもの―――魔道具があった。蛍の光って...これ照明扱いなのか。どうやら虫かごの中に蛍を入れたようなものらしい。水中用にホタルイカの光もあった。
松明はシンプルに太めの棒に油がしみ込んだ布が巻き付けられたもので、お値段は100ゴルド。自分に触れても燃えてしまうのが問題らしい。
蛍の光はネタアイテムっぽいけど結構優秀で安全に長時間光を確保できる。お値段は300ゴルド。松明に比べて暗いのに目をつぶればとても優秀だ。
ランタンはしっかりとした照明で長時間光を保ってくれる。腰などに紐を巻き付ければ両手を自由にできる。お値段は1000ゴルドとちょっとお高め。
光属性付きの魔道具は光の強弱まで調節可能で長持ちする。光属性の魔石を付け替えればいくらでも使えるらしい。お値段は5000ゴルドとかなり高い。
しかし、俺にはこのカジノで儲けた大金があるのだ!なので、魔道具を購入。
「スケルトンの弱点って何ですか?」
「スケルトンは光属性に弱いって話よ。後、骨は硬いけど衝撃には弱いから切るより叩き割る方がいいらしいわよ。」
「ありがとうございます。そうだ!あのお屋敷を俺買ったんですけどなんか噂とか知りませんか?」
「あのお屋敷?ああ、あの貴族様が住んでたとこね。幽霊が出るって噂は知ってるだろうしな...あ、あの噂があったね。」
「あの噂?」
「昔あの屋敷に住んでた貴族様の奥さんが階段から転げ落ちて亡くなったのよ。その後、その奥さんが幽霊になって屋敷の中を歩き回ってるっていう話ね。でもその昔住んでた貴族様というのが誰なのかもわからないし、そもそもその噂がただの噂って可能性もあるから何とも言えないわね。」
へぇ、そんな噂があるのか。まぁ実際のところはわかんないけど気になるなぁ。ってまずはスケルトンの一掃が先だったな。
「ありがとうございました。」
「気をつけなさいよ。あのお屋敷は危険だからね。本当に。」
親切な人だったな。