12 カジノの前に
さぁカジノに行こう!と意気込んでいたらあいつに呼び止められた。
「行こうとするのはいいけどその前に準備が必要でしょ。」
「え?準備って何?」
「まず、手に入れた素材の整理でしょ。」
「整理って言ってもどうすんのよ。」
「冒険者ギルドで買い取ってくれるんじゃないの?」
冒険者ギルドは北側にあるから反対側だな。
「え?買い取り?はいはいわかりましたよ。」
すごい不機嫌そうな人が対応してくれた。
「じゃあ全部で3280ゴルドですね。」
普通に対応してくれた。なんというかちゃんと仕事はしてくれる人だったな。
「よーしカジノに行くぞ!」
「いや、ちょっと待てよ。」
「なんだよ、まだ何かあるのかよ。」
「カジノに行くなら大量のお金の処理方法を決めておかなきゃいけないだろ。」
「何で勝つこと前提なの?」
「じゃあ今までほかのゲームで行ったカジノの中でVIP会員、またはそれに近いものにならなかったのはいくつ?」
「20ないぐらい。」
「17だよ。じゃあその中でそういうものが存在しないのは?」
「10?」
「7だよ。なんで覚えてないの?」
「いや逆になんで覚えてるの?」
「いやお前の相方としてそれぐらいしなきゃいけないでしょ。10ヶ所のカジノでVIPをとっていない理由は?」
「出禁が6ヶ所。そのうち稼ぎすぎたのが4ヶ所で後の2ヶ所はチートをプレイヤーから疑われた。残り4ヶ所は倒産。」
「逆にその記録を今まで取っててカジノで結果出さないと思える?」
「うぐっ。」
「しかも公平性が取れてないのも大量にあったよ?ありえないほど滑るスロットとか当たり前のようにディーラーがいかさましてくるのとか。それをいかさまなしで普通に勝ってるの見てたら負ける方が想像できないわ。負けたら負けたで隠しイベントでぼろ稼ぎするし。」
まぁこれいつもの会話なんだけどね。
恒例の会話を終わらせたところでやっとカジノに行けるはず。だよね?
「いや、結局稼いだお金の利用方法が決まってない。」
「あ、忘れてた。いつもみたいに家でも買えば?」
「家っていってもお前が稼ぐ量じゃこの街の一番大きい家3軒は買えると思うぞ?」
「う~んクランハウスなら?」
「あ、それなら全部使えるかな?」
「ていうかクランハウスってクランメンバー全員がお金出し合って買うものだし1人の、それも1日の収入で買えるとかやばいでしょ。」
「それよりクランハウス買うためにはクラン作んないとでしょ。」
「クランって2人しかメンバーいなくても作れるの?」
「作れるんじゃね?まぁ稼いでから考えても間に合うんじゃない?」
「なら考える必要ないじゃん。」
まぁやっとカジノにいけるぞ!