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神界のティエラ  作者: 大志目マサオ
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2 主任研究者発狂計画

読んでいただけたら幸いですm(_ _)m

 「――ねぇ……エド、ちゃんと戻るからもう降ろしてくれない?」

「この間はそう言って、降りた瞬間に走って逃げたな」


 魔操作技士エーテルコントローラー班長エドワード・エインハースは主任研究者(チーフリサーチャー)ティエラ・ディ・ヨングスの習性を熟知していた。


「逃げないから! 放して! 放してよもう!」

「無理だ。せめて第3試験棟に着くまでは降ろさん」


 ティエラは戻る気にはなっていた。しかし降ろして欲しいのには別の理由があった。


「絶対見えてんのよ! 誰かに見られたらどうすんのよ!」

「……お前のスカートの中なんぞ誰も見やしない、安心しろ」

 

 エドワードは平均的な男性よりもだいぶ上背がある。よって肩の位置も高い、高いということは、高いということだ。


「あんたそれちょっとどういう意味よ!」

「暴れるな。大声を出すな」


 誰にとって幸いか、2人は結局誰にもすれ違うことなく中央棟メインホールの喫茶スペースから第3試験棟前まで辿り着いた。


「仕方がない、ここまで来れば大丈夫だろう。降ろしてやる」

「あ・り・が・と・う・!」 

「ああ、これでケムと遊んでやれる目処がついた」

「ふざけんじゃないわよ! 私のスカートの中が誰かに見られるより犬の方が大事だっての!?」


 エドワードは考えるまでもないと言わんばかりに答えた。


「ケムは可愛い、がお前は可愛気がまったくない、比べるまでもないだろう、違うか?」

「あんたいつか覚えてなさいよ! 誰があんたのボスか思い知らせてやるわ!」


 エドワードは心底呆れながら答えた。


「なら仕事を終わらせてくれ、それがボスの務めだ」

「ぃやああああああ! 腹立つぅぅうううう!」


 【DE】主任研究者(チーフリサーチャー)ティエラ・ディ・ヨングスは第3試験棟出入口付近にて発狂した。



✡✡✡✡✡✡



 ――魔操作技士エーテルコントローラーとは何か、それは魔制御基盤エーテルコントロールシステムを操る者のことである。


 魔制御基盤エーテルコントロールシステムは過去の技術であるPersonalパーソナルComputerコンピューター所謂(いわゆる)パソコンを改良し、魔回路エーテルインターフェースを通して大型魔粒子核エーテルリアクタービッグコアが供給対象に流す魔粒子(エーテル)量の調整、魔粒子(エーテル)臨界点到達時の暴走抑制等、その動作に関わるシステム全般の制御と多岐に渡る。


 また魔制御基盤エーテルコントロールシステムは通称エテコン、またはECSイーシーエス)と呼ばれ、民間でも使用が認められている規格(サイズ)魔粒子核エーテルリアクターコア制御用(タイプ)もあり、また近年では廃れてきた完全没入型(フルダイブ)RPG等にもその技術が応用され、新たな体験型ゲームとして流行している(テラフォーミングの進んだ火星の1角を直接舞台とし、生身のアバターやロボットで遊ぶ等、またゲームの為に飼育された魔獣モンスターが登場する)。


 【IMRO】で主に導入されている魔制御基盤(エテコン)は軍用精密魔法機械最大手バーラー社製魔制御基盤(エテコン)で、魔硝子(エーテルグラス)製の32インチ画面が高さ98cmの台座に搭載されたモデルで、使用者は立ったまま使用する(自前で椅子を用意している者もいる)。

 操作自体は台座の上に魔硝子(エーテルグラス)製の球体が成人の平均的な肩幅程度の間隔で埋め込まれており、この球体に直接手を置いて操作する。

 これは知識と経験が物を言う装置であり、魔操作士エーテルコントローラーはエリート中のエリートでなければなることが出来ない職業でもある。

正論が人を狂わせることもあるんですね。

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