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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
5.無縁塚
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8.深き水の底から

 暫く歩いていると、行き止まりに着いた。これ以上進める道はないが、最奥には大蛇の洞窟同様水溜まりがあった。


「どうしますか?もう少し戦ってから戻りますか?それとももう戻りますか?」


「まぁ、新しい武器を試すのは出来たからもう帰ってもいいってことか」


「じゃあ、帰りましょう」


 アストロの意見は通りやすい。高圧的だからかもしれない。意見ができるのは長い間一緒にいるコストイラかアシドだろう。アレンにはまだできない芸当だ。アストロの意見が通らない時は論点がズレていたり、今回のように魔物が乱入してきたりした時だろう。


 ザバリと水溜まりから人魚が出てくる。今度は青い鱗を待った人魚だ。表でアシドを水中に引き摺り込んだ種類とは違う。武器さえ手にしている。ここも違うところだ。ハンマーのような武器だが、叩く部分が貝のようになっている。


 人魚は出てきた段階ですでに構えていた。否。それどころか振りかぶり終わっており、もう後は振るだけの状態だった。


『フン』


 ディープネレイドの槌攻撃をレイドが楯で防ぐ。ゴキィィンと金属同士がぶつかり合う音が響き渡る。コストイラが居合でもって首を狩ろうとするが、ディープネレイドは一瞬で水に潜り躱していく。


「ちっ、水の中じゃ深追いは出来ねェな」


 刀の攻撃を外し、コストイラは不機嫌になっている。刀の背でたんたんと肩を叩く。一通り刀で叩くとコストイラは刀を収める。


 ザバリとディープネレイドが再び現れる。そして貝の槌が振るわれる。再びレイドが楯でもって防ぐ。しかし、先程と違うのはコストイラの反応速度。


 再度繰り出される居合は的確に首を捕らえ、そしてディープネレイドは壁に叩きつけられる。首が固く斬ることができなかった。斬り損ねたことにコストイラは舌打ちをする。ディープネレイドが水の中に落ちていく。


 しかし、アシドがそれを許さない。槍で腹を貫き磔にする。腹の肉は首と違い鱗で覆われておらず、簡単に刃が通った。


『アアアアアアアア!!』


「ナイス!」


 コストイラはアシドに感謝し、叫びを上げ続けるディープネレイドに止めを刺す。


「…………一撃でいけると思ったんだけどな」


「鱗があるの気付かなかったんか」


「気付かなかった」


 コストイラは刀を収めながら嘆息する。かなり拗ねているようだ。明日は休みにして、リフレッシュしてもらおう。まぁ、僕もリフレッシュしたいしね。

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