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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
3.魔法の森
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18.迷宮の碧い主

 グリーンジャイアントはレッドジャイアントとほぼ同じ見た目をしており、背の高さも似ている。しかし、攻撃方法が違う。遠距離を主に攻撃の方法としている。生まれたのはレッドジャイアントと同じ時。気付いた時には迷宮内に存在しており、それを受け入れている自分がいた。


 レッドジャイアントと違い、本能に抗おうとすることはなかった。ただ本能に従い部屋に入ってくるものを本気で襲い、駆除していた。


「今度は青緑色か」


「さっきのは赤だったわね」


「赤が炎属性なのは分かる。でも、青緑って何?」


「然だろ」


 コストイラは色から属性を判断する。


 グリーンジャイアントは部屋に入り込む存在を感じ取り、顔を跳ね上げる。真っ先に赤い髪をした刀を持った青年が目に入った。


『ゴオオオォッ』


 雄叫びを上げたグリーンジャイアントは口から泥が発せられる。


「地かよ!?」


 赤い青年の後ろから茶色い青年が飛び出してくる。レイドは楯を斜めに構え、泥を往なしていく。しかし、泥は楯を飛び越え、コストイラは泥を被った。泥が出てくるといつもこれだ。


 コストイラは怒りも込め、刀を振り上げる。


「オイショッ!!」


 グリーンジャイアントは右腕で刀を防ぐと、左腕で叩き飛ばす。アシドとシキはコストイラに眼もくれず、武器を構えてグリーンジャイアントに近付く。グリーンジャイアントは両腕を振り回し近付けさせない。アシドは自身の速度に自信があり、絶対に近付いてやるとプライドがかかっていた。


 アシドを蒼いオーラが纏っていく。シキからは凛として澄やかな香りがたち始めた。








 グリーンジャイアントは負けることなど考えていない。勝つことも考えていない。ただ、役目を全うすることのみに重点を置き動いていた。ゆえに、攻撃されても怯まない。関係なく攻撃し続ける。


 アレンもアストロも味方に攻撃が当たることを恐れ、攻撃に参加できない。


 唐突にグリーンジャイアントが光に包まれる。


『ゴォオオオオオオオオオオッッッ!!!』


 光を纏ったグリーンジャイアントが突進してくる。


 レイドが楯でもって壁となる。




 大爆発が起きた。




 爆風に煽られ、アレン達は壁に激突する。


 煙が晴れ始め、全てが見え始める。倒れているレイドからは煙が上がっており、楯は砕けていた。


「レッゲハゲホッゲホッ!!」


 レイドの名を呼ぼうとしたが、煙を吸ってしまっていたのか咳き込んでしまった。


 立ったまま煙を立てるグリーンジャイアントは外殻が剥がれており、弱点のように風魔鉄とそこに繋がる経路が露出する。


『ゴォオオオオオ』


 グリーンジャイアントは腕を振り上げる。


 しかし、顔面が小爆発を起こす。アストロの魔術が顔面に当たり、よろめく。健脚を誇るアシドの速度によって、間を縮めると上を向くグリーンジャイアントの顔を叩く。倒れるグリーンジャイアントの生命線に当たる経路を断ち切る。


『オオォォォォ――――…………』


 体が崩れていく。


 砂の上に風魔鉄が置かれていた。


「よし、これで2つ目」


 アレンは嬉しそうにカバンにしまった。


 6人はそんなアレンから目を逸らした。

『あぁ、フォン様。なぜこのような所に』

『あなたに会いに来たのよ』

『そ、そんな。お菓子大会に負けた私にフォン様がなぜ』

『フン!』

『痛!そ、そうですよね。私は負けたのですもんね』

『そんなことどうでもいい。私はね。1位のお菓子にも興味はあるわ。でもね。私はあなたのお菓子が食べたいのよ、チリミア』

『あ、ああ、フォン様。私の名前まで』

『私の為にお菓子を作りなさい。悔しいなら、作りながら精進しなさい』

『ふぁ、ふぁい』

『な、なんだこれ』

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