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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
26.『黄昏の箱庭』
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15.天使の光芒

 ”天への階”。”天界の使徒”という団体の一員。天へと至るために組織された斥候部隊。

 天へと至るための道を探し、邪魔者を排除する者達。

 そのため、この者達は明確に敵を判別し、すべてを消し去る。


 メントモール他男衆は近くの街に住んでいる放置対象だ。どこに行こうがどうでもいい。去るならさっさと去れ。


 勇者達は駆除対象だ。真っ先に殺すべきだ。特にエンドローゼとコストイラ、そしてアストロ。この三人は最優先駆除対象だ。エンドローゼには魔王との繋がりがある。コストイラは世界の均衡を作る者との繋がりがある。アストロは帝国を滅ぼした大罪人の魔女の弟子である。


 放置しておくのは危険だ。殺すべき。


『ハァ!』


 アークエンジェルがコストイラに剣を振るう。ジャーミーはわざと鍔迫り合いをさせ、コストイラをその場に縫い留めた。

 その隙にエインセル達五名が通り抜ける。コストイラは反応しない。


 ジャーミーは焦ると思っていた。しかし、その反応の一切にそれを見出すことができなかった。なぜだ? むしろ彼女の方が焦る。


 エインセルが剣を絞る。しかし、アストロが冷静に魔力を放ち、のけぞらせる。アシドが槍を振るうながら、アストロの前に出た。

 剣の間合いは槍の間合いよりも短い。そのため、エインセルん攻撃間合いよりも遠い距離から攻撃できる。

 なかなか攻撃させてもらえず、エインセル達が苛立ち始める。そこでエインセルは強硬手段に出た。魔術を連発して、無理矢理道をこじ開けようというのだ。

 だが、その道を通ったのは、エインセル達ではなくシキだった。


『エッ!?』


『ナッ!?』


 唐突に出てきたシキに対して、驚いて剣を振るってしまう。咄嗟にとる行動はいかなる達人であっても単調になりがちだ。

 シキは簡単に剣を躱してみせ、易々とナイフで切り刻んでみせた。いまだ立ち上る土煙の中をシキが走る。


 目の中に砂が入るのを嫌い、眼を閉じたまま走る。

 エインセルは煙の中で視界が通らない。剣を中途半端に構えたまま、キョロキョロとしている。その無防備な状態のエインセル三人の首元を刈り取る。

 薄茶色の土煙の中に赤色が足されていく。


 土煙の中に百五十二㎝のシルエットが立っていた。





 体のところどころをに切り傷を創りながら、ジャーミーは肩で息を切らしていた。コストイラは本気を出していない。先に行かせないために縫い留められていたのはこちら側?


 逃げたい。しかし、”天への階”として、逃げるのはプライドが許せない。


 死ぬと分かっていながらジャーミーは剣を振るう。


 剣から死の覚悟が伝わってくる。コストイラは手加減をするのは失礼だと判断した。


 自棄になった剣に、精錬された刀を合わせる。炎を纏っていない時点でガチガチの本気ではないかもしれないが、その攻撃は本気(マジ)だった。

 刃と刃が合わさった瞬間、そこで止まらなかった。剣の中に刀が入っていく。


 カキン。軽い音がしたかと思うと、剣が切れた。


 あ、死ねる。


 そう思った途端に、刃が顔に斜めで入っていった。

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