表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
25.四柱一体
442/683

2.ウィザードリィストラグル

 消えた男の話でが正しければ、アレン達には時間がない。アレンには落ち込んでいる暇はない。ただし、近道はない。直線では殺されてしまう。遠回りをしつつ、最短最速で山頂を目指す。


「そういうことだな」


「山に登りすぎて山の名人になれそうね」


「山はそんなに甘くないぞ」


 アレンが今回の目標と条件の確認をすると、コストイラが頷く。アストロが遠い目をしながら発言すると、レイドが真剣に答えた。最近は冗句を言えるようになったと思ったが、山に関してはかなり本気らしい。


「えぇ~っと、急ぎましょう」


「特にお前がな」


 言い返されたアレンが肩を落としながら、歩き始めた。


 2分ほど歩くと、4人のパーティと出会った。相手パーティの顔はだいぶ焦っている。時間制限があることを知っているのだろう。


「くっ!? 邪魔をするな!」


 邪魔をしているつまりは一切ない。相手が焦りから勘違いしているのだろう。

 弁明しようとすると、錯乱した相手が魔術を放ってきた。コストイラが刀を抜いて、魔術を往なした。


 この時点でコストイラ達は敵認定した。アストロは指を構えて魔術を放った。パーティの前列にいた2人が炎を浴びた。


「うわぁ!?」


「ぬぅえ!?」


 腕をぶんぶんと振るいながら倒れた。地面をゴロゴロと転がり、炎を消す。


「くっ!?」


 報復しようと、相手が腕を構える。始めたのはお前達だろう? と思いながら刀を振るうと、魔術師達の指が簡単に切れた。


 コストイラは奇妙な感覚を得た。このパーティは魔術師しかしないのか?


 コストイラが不思議に思ったとしても、アストロは納得した。この4人はグランセマイユの真似をしているのだ。そう考えると、この4人は残念な実力しかない。グランセマイユの10分の1もないだろう。


 アストロの魔力が残りの2人に当たる。魔術師達ががくりと首を折った。


「生かすのは慈悲よ。すぐ死ぬかもしれないけど」


 エンドローゼが慈悲の心で回復魔法をかけてあげた。


「私達は行きましょう。死ぬのはごめんだわ」


「そうだな」


 コストイラは4人組から視線を切って歩き出す。エンドローゼとアレンは名残惜しそうに見つめるが、連れて行った結果自分達も死んでしまっては元も子もない。諦めて追従する。


「今後はもっとああいう奴が出てくる可能性がいないのか。今まで以上の警戒が必要になったな。くっそ。このままだと心が廃れる一方だぜ」


「貴方、自分がまだ正常だと思っていたの?」


 コストイラの悪態に、アストロが目を丸くする。その反応にコストイラが目を丸くした。


 いつもの会話をしながら、いつも以上の早歩きをする。アレンの体力は尽きかけている。


「アレン、乗る?」


 シキが自分の背を指して提案する。一刻も早く受け入れたい気持ちがあったが、アレンにも少ないがプライドがある。アレンはその提案を断った。


「どこかで一旦、のんびりと休暇したいものですね。今は絶対無理ですけど」


 アレンがこんな願いを口にしたからだろうか。正反対の出来事が起こった。自然にできた天井のある道を通っていると、目の前にはグレートドラゴンが現れた。

 左右の幅は50㎝、上に至っては20㎝あるかないかだ。


「隙間は、通れそうにないですね。真正面、いけそうですか?」


「いける、と言っておこうかな」


「ん」


 アレンの言葉に、コストイラとシキが前に出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ