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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
23.大空洞
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19.アダマンタイト

 鉄の匂いがした。


 ホワイトドラゴンの一本角は、元来ついている鼻よりも強い嗅覚を持っている。その嗅覚が血液の匂いを感じ取った。

 それはかつて感じ取ったビーディアムの匂いであった。


 ホワイトドラゴンの足が速く動く。最初に見えたのはヴァルキリーの頭。

 その頭は目や鼻、口などの穴という穴から血が垂れ流れていた。


 完全に死んでいる。もう助かることができない。


 ”世話焼き”として、かたき討ちしなければなるまい。死した仲間の世話だって焼かなければ意味がない。


 ホワイトドラゴンの背に乗っていた。ロイヤルガードが兜を手に当てて、前を睨みつけた。


 ”アダマンタイト”は”世話焼き”最硬といわれる戦力だ。その実態は、物理耐久トップクラスの魔物であるロイヤルガードと、魔術耐久トップクラスの魔物であるホワイトドラゴンがそれぞれ5体ずついる部隊だ。


 兜の隙間からアイコンタクトする。


 遠距離から魔力による狙撃される。ロイヤルガードが楯で弾こうとする。

 ガンと矢が楯を貫いた。


『む』


 ドラゴンライダーの2人が森の中に入っていく。

 2人が向かった先にいるのは、アレンとアストロ、そしてシキだ。


「来た」


 シキが向かってくる2人を目視で確認する。


 アストロがシキの背中を押す。世界最高クラスのキリングマシーンが起動した。


 スッと音を立てずに下り、木の影を伝いドラゴンライダーに近づく。ロイヤルガードもホワイトドラゴンも気付いていない。


 木の枝から落ちながら、ロイヤルガードの首を斬り落とした。下にいたホワイトドラゴンはまだ気付いていない。

 斬られた頭を利用して馬の方にナイフを向ける。一頭のホワイトドラゴンの首を切った。


 もう一頭のホワイトドラゴンがようやく異変に気付いた。


『な!』


「フ」


 ホワイトドラゴンが目を丸くする中、シキのナイフが振るわれ、白竜の首が飛んだ。





 コストイラが聞こえないように、静かに息を吐く。

 相手のロイヤルガードは物理耐久が硬い。一撃で倒すのはほとんど無理だ。まずは落馬させる方が先だ。でなければ3体に囲まれてタコ殴りだろう。


 向かいの叢に隠れるアシドにアイコンタクトを送る。


 コストイラとアシドが同時に叢を飛び出す。


 低い位置を刃が通過する。ホワイトドラゴンの足が片側切られる。骨を折るまでに至らなかったが、神経を傷つけることに成功した。


 ホワイトドラゴンの体が沈む。急に沈んだことで、慣性の法則が働き、上に乗っていたロイヤルガード達が地面に投げ出される。


 1体のロイヤルガードの上から大剣が振り下ろされる。切ることができなかったが、潰すことに成功した。


 2体のロイヤルガードが急いで立ち上がる。足元のモーニングスターを拾い上げようとしたところ、真上から踵落としが落ちてきた。

 両手を地面について、一気に上半身を上げる。


 コストイラが刀を振るう。精密性がかなり優れており、鎧の隙間に的確に刃を入れた。


 アシドも正確に槍を突き出し、グリッと捻った。


 かなり遅れてホワイトドラゴンが抵抗する。もう足を動かすことができな唸った体を持ち上げ、ブレスを放った。


 コストイラは刀を斜めに当て、ブレスを逸らした。その隙にアシドが槍を振るい、ホワイトドラゴンの首を叩く。


 そして、ホワイトドラゴンをすべて倒した時、森の奥から光が漏れてきた。

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