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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
23.大空洞
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16.天界の使徒

「我々の目的は禍王神を殺すこと! それをするためには、魔眼を持つ者も殺す!!」


 急にスイッチが入ったように、リーダー格の女が叫んだ。


 私怨だ。ここでエインヘリアルを殺しました、なんて告白したら、ブチギレだろう。むしろ血管が切れすぎて、出血多量で死んでくれないだろうか。


「ばれてるし、真正面にいるんだから、がっつり魔眼使ってやろうぜ」


「え、あ、はい」


『グ?』


 アークエンジェル達が一瞬膝が崩れた。


「よっしゃあ!」


 コストイラが前に出る。咄嗟にアークエンジェルの兵がトライデントを突き出した。コストイラは刀を振るい、穂先を叩き落とす。そのまま懐へ入り込み、兵の頬を肩のかち上げで上げさせる。そして、力任せに刀を振るい、首を切った。


 アークエンジェル。上半身を鎧で固め、下半身は布で隠す天使。光属性。武器はなぜかトライデントが多い。稀に男がいるが、9割5分は女だ。女の肉は柔らかめなので食べやすいかと思ったが、こいつ等の肉は硬めだ。


 本当に何でも食べるな。


 モゴリと女達の背が盛り上がった。そこから翼が生えてくる。綺麗な純白の羽を動かし、空へと退避した。


 空は人の辿り着けない領域。そのはずだった。


 空へと逃げ仰せ、安堵すらする4人に影が差す。


 そんなはずがない。だってここは空だ。羽も持たぬ種族が迫って来られる場所ではないはずだ。


 なのに、なぜ、影ができる?


 リーダー格の女の隣にいた兵が、声を出せないままに切り刻まれた。顔も首も体も刻まれており、翼は真っ赤に染まっている。その背に乗っているのは、銀髪の悪魔。絶命した兵が下に落ちていく。それを足場にして次の兵に飛び移る。


『クッ!』


 兵の1人がトライデントを突き出す。シキはナイフを巧みに使い、トライデントを利用して距離を詰めた。

 振るわれるナイフに対して、兵がトライデントを横にして防御する。


 キンとナイフが当たった瞬間、斬撃が伝播して、兵の両腕を切り刻んだ。兵の両腕に力が入らなくなる。しかし、シキは空中で追撃することができなくなった。


『プルシュム、行け!』


『ヤー!』


 プルシュムと呼ばれた、両腕が血だらけの女が飛び立った。


 アレンとアストロはそれを許すはずがなく、矢や魔術で撃ち落とそうとする。しかし、それを他の天使達が阻止してきた。


 リーダー格の女がトライデントを掲げると、光が放たれた。純白の翼が淡い光を纏い、大きく羽ばたいた。そのままかなりの速度で突っ込んできた。真正面にレイドが立ち塞がる。透き通るような白銀の楯がきらきらと光を反射する。

 ガキンと穂先が楯にぶつかる。火花が散るが、それ以上押し込めない。


 2人の兵が追従して突きをしてくる。2人は光を纏っていない。


 レイドの横をコストイラとシキが抜ける。そのまま兵を1体ずつ担当する。


 コストイラは刀を振るい、トライデントの穂先を切り落とす。そして、スライディングをして体の下に潜り込んで首を落とした。


 シキはトライデントごとナイフで切り刻んだ。何の抵抗もなく、何の憂いもない。


 リーダー格の女が目を見開き、力が緩んだ。レイドが楯を密着させたまま、タックルをする。そして、楯で殴り飛ばした。

 リーダー格の女が体を回転させて、周りを威嚇する。


 シキがトライデントに合わせて然の魔剣を振るう。穂先が簡単に切り落とされる。


 女の顔が歪むとともに、第二刃が現れる。刀が振り下ろされ、リーダー格の女は歯で受け止めようとする。


 嚙む力は振る力を凌駕できず、刃は歯で滑り、口が斬られた。そして、神経まで斬った。

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