表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
23.大空洞
415/683

4.汚泥の魔剣

 地上には水辺があり、それが染み出しているため、地下には泥があるのだろう。その泥が今、波打っている。

 震動を生み出しながら、剣が抜けていく。ひとりでに、だ。


 発光しているのは、おそらく魔力が具現化しているためだ。しかも、それをオーラとして纏っており、それで動いているように見える。


「これ、ヤバくね?」


 コストイラが焦っている。これまで戦っていた相手は、普段見たことあるような動物からかけ離れていたが、それでも生物だった。


 しかし、目の前にいる剣は、どう考えても非生物だ。死という概念がどこにあるのかなど知らない。どうすれば倒れるかも分からない。


「アレン。魔眼使っていいぞ」


「ですが、それだと敵に」


「もう見つかっているから変わんねェよ」


 納得したアレンが、久しぶりに魔眼を発動する。魔眼の効果により、次々とステータスが表示されていく。確認した名前を、ガレットの書で引く。


 アレンの魔眼にはデメリットがある。敵を怒らせてしまうのだ。


 念動力によって抜けた大剣の切っ先がアレンに向く。もう殺す気満々だ。


 アレンの前にレイドの前に立つ。絶対に守り通すという意志がビシバシと感じ取れる。同時に動いたのはコストイラとシキだ。


 何か技を放とうとする魔物の切っ先を叩く。コストイラの手に残る感触は、金属のそれだが、叩けたのは剣ではなくオーラだ。アンホーリーテラーと同じく、オーラにも当たり判定があるタイプだ。


 ソウルカリバー。青銅製の剣。光属性。青銅製の巨大な剣に魂のようなものが入り込んだ魔物。なぜこのようなものが存在しているのか、不思議でならない。剣であるため、可食部分はなく、食べる気にはならない。実際錆びた銅の味しかしない。魔力で動く自動人形(オートマタ)のようで、魔力を使い果たさせるまで耐えるか、傷をつけて漏らしてやればいい。


 なぜ倒し方が味の次なのだろうか。しかし、書いてあるのは助かった。伝えようと顔を上げると、シキがソウルカリバーの剣身を切ったところだった。

 剣身が2つに分かれた。その傷口からオレンジと黒の混じった煙が噴き出てきた。シキは浴びないように離脱する。


 アレンが顔を上げたことに気付いたコストイラが、一気に距離を詰めてくる。


「倒し方が分かったか?」


「……あれで倒せます」


「ふぇ?」


「魔力を使い果たせば勝てます。吸収するスピードより、放出するスピードの方が速ければいいです」


 コストイラが肩を落とした。何だ、強敵じゃないのか。そこでコストイラは思いとどまる。オレだったらどう倒せる?


 シキがソウルカリバーを、魔剣で切り刻んだ。ゴトゴトとソウルカリバーだったものが地面に落ちていく。もう動かない。


 シキはナイフに付いた汚れを拭い取って、鞘にしまった。





 魔素の流れを読むと、そのまままっすぐ進めばよさそうだ。

 しかし、絶対この先に何かある。


 なぜかって?だって、暑いんですもの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ