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【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
20.シン・ジゴク
373/683

17.紅く染まる河岸

 地面が赤々と光っている。溶岩のせいだろうか。ラーヴァゴーレムのせいで道がなくなった。

 ドロドロと下流に向かって溶岩が流れている。上流の方に歩き、渡れる場所を探すことにした。


 3分も歩くと、新たに魔物が出現した。3つの首を持つ番犬トライヘッドだ。出てくるなり急に襲い掛かってきた。コストイラが刀を一振りして対処する。一瞬で頭3つが跳ぶ。

 しかし、トライヘッドは1頭だけではなかった。岩の上から何頭ものトライヘッドが下りてくる。

 コストイラは次々で刀を振るい、トライヘッドを切っていく。しかし、頭が1個減ったところで、炎の番人は止まらない。


「うお!!」


 トライヘッドの鋭い牙に、刀を嚙ませて押しとめる。動きの止まったコストイラに一斉に襲い掛かる。そこをアストロがスナイプする。水の魔力なので効果は抜群だ。

 シキが跳び上がったトライヘッドを足場にもう一度跳び上がる。そしていつの間にかいたワイバーンを背面飛びした。

 スゥーとワイバーンが三枚おろしにされ、墜落してくる。着地点にいたトライヘッドを纏めて踏みつけ、ナイフで切り裂いた。


 負けてられないとばかりに、コストイラが奮起する。毎度のように燃え盛っていて、火種がなくなったり、完全燃焼したりしないのだろうか?


 アストロも参戦する。レベルの差を知ってから、積極的に参加するようになった。ちなみに現在のレベル差は8だ。陸上は任せておけば何とかなるので、空中を狙うことにした。


 押して押して、押し続け、ようやく番犬の群れを突破した。


 コストイラが少し頭を下げ、頭を振る。パタタと魔物の血液が垂れてきた。

 現在のコストイラは真っ赤だ。いつも赤い髪に暖色系の服に身を包んでいるが、今はもっと赤い。


「この血を洗い流したい」


 前髪から血をポタポタ落としながら、チラリと河を見る。

 その河は入れる河か分からない。水に入った瞬間、残念、魔物の縄張りでした、などとなるのはごめんだ。

 コストイラは戦うのも首を突っ込むのも好きだが、水中が苦手だ。普段通りのパフォーマンスができないところの話ではない。パフォーマンスそのものができないのだ。

 つまり、コストイラにとって水中は、戦えない場所の代表格なのだ。


 コストイラが水を見て嫌そうな顔をしていると、どこでも戦えてしまう万能型キリングマシーンシキが河に近づいた。シキもコストイラ同様に返り血を浴びている。銀の輝きを放っていた髪は、今や血でくすんでいる。

 そこで、シキが止まった。水中から何やら音が聞こえている。超絶ハイスペック人間シキは、その鋭い五感を活用して、水中にいるものを割り出そうとする。

 ズルズルと何かを引きずるような音。太く丸太のような印象を受ける見た目。


 成る程。どうやら水中にいるのは蛇らしい。

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