表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済み】メグルユメ  作者: sugar
18.最果ての孤島
329/683

5.暗闇の洞窟

 普段の洞穴はそれなりに明るさを保っている。それは洞穴に溜まった魔素が吸収され、作られた魔石やその粉が光を放っているのだ。


 しかし、この洞穴、それがない。魔石やその粉が洞穴内にない。


「暗っ」


 コストイラが感想を言った。アレン達もそう思う。いくら目を凝らしても何も見えない。


「ま、でも行くしかないか」


 光速の勢いで諦めたコストイラが洞窟内を歩いていく。アレン達はびくびくしながら洞窟内を進む。


「シッ」


 コストイラが腕を横にして進行を止める。すぐ後ろを歩いていたアストロがコストイラの背中に頭をぶつける。その後も玉突き事故を起こす。


「何?」


「魔物だ」


 アストロが魔物が寄ってこないように着けていなかった火を着けようとしてやっぱり止められる。


「分かるまで火はつけない方がいい。どんなのか分からんからな」


『フワッ!?』


 コストイラの小声に反応したのか、他の何かに反応したのか、魔物が声を出してこちらに走ってきた。これは感覚でも分かっていないアレン達でもわかる。こっちに走ってきている。キンとコストイラが鯉口から刃を解き放つ。刀が何かを弾いた。その瞬間に火花が散り、一瞬だけ敵の姿が見えた。


 オーウェンだ。もしかしてアレンがオーウェン出て来いと思ったからか?


 シキも参戦した。再び暗闇に包まれたが、コストイラとシキとオーウェンが動けている。


 アシドはまだ、その領域に踏み込めていない。奥歯を噛む。


 シキが何かランタンを持って帰ってきた。


「え、ランタン?」


「レイスがいた」


 アレン達が何も感知していないレイスがいたようだ。


「ん」


 シキがアレンにランタンを渡してくる。思わず受け取ってしまったが、ランタン持つ役目はアレンなのだろうか?


「じゃ、先に進もうぜ」


 アレンがランタンを持つことに対して誰にも突っ込まれない。仕方ないが、持っておくことにしよう。


 ランタンで照らされる範囲は結構狭く、コストイラの前方まで照らせていない。暗闇の中での戦闘ができるコストイラとシキが前に出て戦う。


「というかコストイラ、慣れすぎじゃない?」


「アイケルスに会いに行くなら、もっと慣れねェとな」


 未だにアイケルスが何者なのか分からない。しかし、暗闇が出てくるたびにアイケルスの名前が出てくる。こうなってくるとやはり気になってくる。今聞いても応えてくれないだろうか。


「あの、アイケルスさんって何者なんですか?」


「闇の精霊でオレの幼少期を育ててくれた方だ。今どこにいるのか分かんねェ」


 今までコストイラから出てきた情報のまとめでしかない。


「それ知っていることなんだけど」


「これがオレの知っている情報の総てだぜ」


「お前何も知らないじゃないか」


「しゃあねぇだろ。アイケルスはなぜかオレの母さんが連れてきたんだ。出自も年齢も何も知らねェよ」


 ゲシとふくらはぎの裏を蹴られた。何でという顔がウザいのでもう一度蹴られた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ