3つの願いと3つの能力(2)
「おはよう、鷲野君!無事に神の能力を貰えたみたいだね」
家を出たら、玄関先に福夢さんがいた。今朝は朝から心臓が疲れる。
「いい子だね、あのわんちゃん。コノハっていうんだね」
「・・聞いたのか」
「まあね、普通だよ」
「福夢さんは、あの話信じてるの?」
「みくでいいよー。呼びにくいでしょ?私も夏くんって呼ぶからさ」
「え、あぁ、まあいいけど。で、どうなの?」
「ん~?正直私はしっくりきたよ!」
「そうなのか?」
「うん、だってどう考えてもおかしいって思うことが多いから。それに、直接”コエ”が聴こえるようになると尚更ね」
「俺はまだしっくりこないんだよな」
「ふふ、それが普通だよ。そうそう!今日夜の10時に迎えに行くね!」
「え?どこに何しに?」
「ホルス様から聞いてない?初任務だよ~!私たちは学校も一緒だし、近所だからタッグ組んで二人で聖務をすることになってるの」
初耳だよ・・・
ってか・・
「ホルス様って?」
「え?神の声の神様の名だよ。唯一神ホルス。この世界で唯一の神様だよ」
「知らなかった。エジプト神話ででてくる、名前程度の知識しかないや」
「ふふ、まぁこの世界は悪魔の世界だから本当の真実なんて私でさえ、全部分かっていないんだもの。普通の人なんて尚更知るわけないよ」
「それもそうだな」
「じゃあ、今日10時に!」
「はいよー」
なんだかんだで話していたら学校に着いてしまった。クラスの・・いや学校のマドンナと登校している姿なんて見られたら・・
「な~~~~~~つ~~~~~~~!!!!」
げ
「福夢さんと登校なんてどうなってんだよーーーー!!!!」
案の定雄太に問い詰められるはめになったのは言うまでもない。