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この世界が異世界?



流石の俺だって”異世界”シリーズは知っている。漫画もアニメも結構主流になってきたし、実際俺も結構好きだ。

だからこそ、だ。こんないつもと同じ日常なわけがない。

異世界ってのは、なんちゃら協会とかに召喚されたり、不慮の事故で死んだと思ったら転生してたり、そういうのを異世界っていうんだよ!



いや、でも、まさかな・・実は今朝の事故で



「・・俺、死んだ?」


「あっはははははは!いや、生きてるよ!大丈夫!あははは、あーもうおかしい!」


一気に顔が熱くなった。


「とりあえず、『ステータス!オープン』とかやってみたら?・・ぷっ、あはっ、はぁ~おかし~!!」


「・・やらねーよ」


いや、内心やろうと思ったけどな。


「この世界が異世界ってのは本当だよ。ただ、それをみんな忘れてる」


「じゃあ、それはもう現実じゃん」


「ふふ、確かにそうかもね。”それ”があたり前な世界ではそれは現実だね。でもさ、それって鷲野くんが想像した異世界でもそうなんじゃない?そっちで住んでいる人には魔法や魔獣は当たり前で現実なんだから」


「そういわれたら、たしかにそうなんだけどさ」


「ここは世界の中でも最も酷く悲しい世界。あなたの中から聞こえる声がきっと導いて教えてくれる」


「俺の中・・?」


「そうだよ。朝聴こえてた声はあなたの中から聴こえた声だよ。自分とは違う、でも確かに自分の中に響く確かな声。私はそれを神の声と呼んでいる」


「神の声、、か、、」


「そして神の声を聴くものたちは”繋がっている”の。テレパシーみたいなそんな絆だよ。だから鷲野くんが声を聴いたとき私たちは”繋がった”」


「よくわからないけど、とりあえず言いたいことはわかった。でもまだ信じられねー。朝以来その声を聞いたわけでもねーし、勘違いってこともあるだろ」


「う~ん。まぁ、急に言われてもね。嬉しくて急かしすぎちゃったかな?これ、私の番号だから、なんかあったら連絡して!」


そういって福夢さんは携帯番号の書いた紙を俺に渡して去っていった。




家に帰ってからも”いつも通り”でその声が聞こえることはなかった。



ただその日、ものすごく嫌な夢をみた。

静かに原っぱで寝っ転がって空を眺めていたら、急に羽の生えた悪魔がやってきて俺の腹をその槍で突き刺した。俺はもだえ苦しみながら、同じように苦しんでいる仲間たちの悲鳴を聞いていた。『絶対許さない・・』憎悪の念を持ったまま俺は息絶えた。



朝起きたら、ものすごくいやな気分だった。そりゃ自分が殺されていい気分なわけもないが、耳に残る同胞たちの声がいまだに残っている。無意識に刺された腹を手で触った。


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