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転生  作者: まつ
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15

魔法のない世界に転生して15


 老領主はエリカの言葉を全面的に信じた。あれだけいた魔獣が、都合よく消えるわけが無いのだ。自分達の知らないところに、魔獣の住みかがあるはずだ。調べなければならないか?しかしあの娘は何もしないほうが良いと言う。自分もそう思う。この世界の均衡とは、たとえば池の薄氷の上を人間が歩いている。薄氷の下を同じ数だけの魔獣が歩いているのではないか。知らなければ互いに幸せなのだ。そして、あの娘の弟が必要な事を調べているという。恐らく帰るのに2年以上かかるのではないかと、娘は語っていた。騎士団のほうは、特殊任務で直接仕事を頼んだと語っておこう。しかし、あの医者の姉弟がいなければ、最悪の事態を招いていただろう。


 始まりの街のエリカの家。スージーが狼相手に、ストレスを発散している。トムの不在が長引き、狼がいじめられている。エリカが騎士団に同行することもあるが、何となく寂しさを覚える。領主は女性の衛生兵の育成を命じた。長期に渡る遠征の場合、エリカに気を使ったのだ。一般の医師とエリカとでは、医療の技術が違いすぎる。そして、エリカは女性として美しすぎる。


 トムは魔獣のコロニーに紛れ込んでいる。すでに一ヶ月、飲まず食わずの生活が続く。しかし念話でトムは姉との定時連絡は欠かさない。


 トムは群れのボスを殺すこととを決めた。ここ10日程は、行動をボスのからだの周囲に身を置いた。突然喧嘩があった。トムが手品で喧嘩の方向から、殺気をはなった影を飛ばした。ボスは突然目をむいた。喧嘩のほうに、走っていく。ボスの目は怒りで血走っている。喧嘩を

していた何びきかの魔獣は、殺気をまといながら、向かってくるボスに、身構えた。瞬間また影が走った。ボスの頸動脈が切られる。浅かった、別の方向から視角を就いて、また殺気がボスを襲う。また首筋を襲う。今度は深い。ボスは確信した。コロニーが俺を裏切ったと。


 ボスモンスターによる部下たちの虐殺がはじまった瞬間だった。トムは魔獣の影に隠れて、相互を挑発し続ける。

 一匹がボスの攻撃を受けて、右手を食い千切られる。全員が弱った魔獣を生きたまま喰らう。

 魔獣の肉が残らず食われると、次の獲物を狙って互いに警戒し出す。しばらく落ち着かないようすで、互いをきょろきょろする。トムがいきなりボスの右目を潰した。近郊は破れた。トムが煽る。気殺から常識外の殺気。ターゲットにされた魔獣はからだが硬直して動けない。餓えた魔獣の牙が生きたまま、肉を切り刻む。


 トムも大量の魔獣肉を確保した。すこし離れて、火を興し、肉を焼く。腹一杯になった魔獣達が不審そうに、こちらを見るが、構うこともない。そのまま横になり、短いが、深い熟睡を楽しむ。

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