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転生  作者: まつ
13/24

13

魔法のない世界に転生して13


 自分のやるべき作業がわかると、あとは作業は早かった。老辺境候は部下に命じて、エリカの持ってきた種苗を数多く用意させた。同時に最初基地として予定していた街の跡地に、作業員全員が生活出来るだけの仮設住宅を建てた。騎士団も作業員の警備のため、拠点をこのまちに移した。


 拠点基地を中心に魔獸の毒を土壌から除去する作業は、ローラ作戦で展開された。王都にこれ以上避難民をいれないためにも、国はかなりの予算を、計上した。

 エリカの協力もあり、一時は10年は不毛の大地となると思われた辺境候領を、一年でもとの畑に戻る可能性を示され、みな復興へ意欲を持つ。

 スージーの研究も順調に進んでいる。毒素の除去が終わっても、完全ではない。この毒素に耐性のある穀物を作る必要がある。


 調査隊は地図上の都市、畑、鉱山、かっての漁業の拠点などを中心に回り、最後に要塞都市にはいった。「トム、ちょっと話があるんだが、」隊長が小声でトムを呼ぶ。トムはなぜ呼ばれたのか解っている。隊長のところに行くと、通信兵がいた。「トムは独自に王都に連絡をとっているのか?」「はい、姉のもとに、定期的に連絡をいれてます。」通信兵がトムにいう。「どのような方法で?」トムが戸惑っているのをみて、「実はきみの姉さんの進言で、すでに辺境候は動き始めている。」トムは馬から鳥かごをだす。中には見慣れない鳥がはいっていた。「肉食で危険です、しかし知能は高く、連絡用に使っています。」獰猛そうな顔をしている。「言いつけられた土壌のサンプルを運びました。」隊長は納得した顔で、「それで辺境候が手を打ったのか。」といった。


 トムは王都の状況が切迫しているのかと思った。あれだけの避難民がいつまでも王都に居られる訳がない。


 城塞都市はほとんど原型を留めていなかった。井戸が無事なのはさいわいだった。ここに残れば、全滅だったと思う。調査隊の隊員はかって自宅のあった場所を探しあぐねた。トムも自宅が分からない。鍛冶場のあった場所も不明だ。しかし親方は生きている。また、ともに鍛冶の火を守れば良い。


 トムは魔獸戦や対人戦の有力な技の開発に力をいれている。いまトムが考えているのは、任意に放てる常識外の殺気、あるいは殺気を一瞬で遮断する気殺けさつ、気配をいつわる気配けはいの3つである。練習相手の灰色狼と真剣勝負をする。「最近、お前との練習はやりにくくなってきたな。」狼は苦笑する。練習は真剣勝負しか無い。トムのからだから影が走る。影は殺気をはなって狼を喰らわんとする。狼が意識を向けた瞬間、全く別の方向から、殺気が走る。しかしさらに異なる方向に、トムの気配がした。狼は敗けを認めた。


 トムは狩りに来ている。食用肉の確保が目的である。魔獸がトムをみとめて、突っ込んできた。トムは瞬間、魔獸の影に入る。魔獸はトムを見失って狼狽する。瞬間トムは常識外の殺気を放つ。魔獸はからだを硬直させる。トムは影から出た。もう十分な時間が経っているのに、魔獸は驚愕の表情のまま、緊張を解くことなく、心肺停止で死に到った。それを見ていた狼はぶっちょうづらのまま、「恐ろしいわざだ。」と呟く。


 


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